バリアフリーは段差だけでなく通路幅も大事なことは忘れていませんか?

2017.02.17 (金)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。私は某総合スーパーで21年間勤務していました。その際、とにかく気になったのが通路幅です。

車椅子ユーザーだけでなく、高齢になった方でもお店で貸出している車椅子を利用します。今ではショッピングモールの中に段差のあるところはほとんどなくなりました。

段差はなくても通路が通れないケースもしばしば

しかし、段差はほとんどなくても、通路においてはバリアだらけです。特に衣料品売場においては、売場内に入ったらバックをしなければ出られないこともよくあります。洋服がかかっているハンガーラックがいくつも設置しているので、迷路みたいになっているのがほとんどです。

車椅子を自由に操る人とそうでない人の違いはあるものの、理想は横幅が90cm以上必要となります。横幅が60cm位なら通ることはできますが、向きを変えて商品を選ぶことはできないでしょう。人と人とがすれ違うことを考えたら120cm以上は最低限確保しなければなりません。

さらに奥まで行って、戻ってくるためのスペースを考えた場合には、最低限120cm×120cm位のスペースがないと、車椅子の転回スペースを確保できないでしょう。車で例えるならば、奥で行き止まり状態になり、切り返す場所がないために、バックで戻らなければならないのと同じです。

車椅子でバックするのは危険な行為となる

車椅子に乗りながらバックで戻るのは、危険な行為です。もしバックで下がる際、ハンガーラックに後ろのタイヤが当たれば、車椅子はバランスを崩したまま倒れて、後頭部を地面もしくはハンガーラックに激突してしまうでしょう。

意外とこのようなスペースをきちんと確保しているところが、最近は少なくなってきています。私が勤務していた企業においても、車椅子のお客さまが通るスペースを意識していなければ、ついついスペースが確保されていないということが大半です。

商品を出せという指示が車椅子の通路を妨げることも

最悪な場合は、食品売場でよくあることですが、「売上が厳しいので売場に商品をどんどん出して売り込みなさい!」という本部の偉い人の指示が入ると、通路が狭くなっても、無理やり商品を展開していくことがあります。

そうなると車椅子利用者が通る通路は、自然と無くなっていきます。商品を買いにきているお客さまにとっては、お値打ちの商品が多く並んでいるのでワクワクすると思いますが、その反面車椅子利用者にとっては、お買い物をしにくい売場になってしまいます。

極端な言い方かもしれませんが、ハンデがある人にはこういった行為をとられると私たちには来ないでくださいとアピールしているように勘違いされることが多いように思われます。決して車椅子の方に来ないで下さいと言っていないのに、そういう風にとられてしまうのは、とても残念なことです。

些細な積み重ねがお客さま満足につながっていく

私が所属していた店舗のある店長は、私に全部の売場が車椅子で通れるかどうか常に確かめるよう指示をしました。通れないところがあれば、すぐに改善をしていきました。こういった些細なことの積み重ねが、お客さまに満足いただけるかどうかに繋がってくると思っております。

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