車椅子で行けるバリアフリー化が進みにくい業種とは?

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子生活になって20年が経過しましたが、残念ながら車椅子で行くには難しい業種があります。もしその業種がバリアフリー化となればかなり画期的だと思っております。

バリアフリー化が進まない業種には課題が大きい

先日は車椅子でライブハウスに行ける場所がほとんどないことをお伝えしました。さすがに防音上の問題から地下への設置が多く、しかも地下へ行くエレベーターなどが設置されていないケースが見られます。

階段になっているため、どうしてもライブハウスに入る場合は、1階→地下1階までみんなで車椅子を持ち上げて入室するような形になってしまいます。同じく先日利用しましたが小劇場のようなところも似ています。

それに似たところで一部の業種についてはなかなか行きにくいところがあるんです。この2業種も人手を使えばなんとかなりますが、バリアフリー化が整っていないため利用するのにためらいがちになってしまいまいます。

美容室・理容室の課題は乗り移りと障害への対応

まず1つ目は、「美容室・理容室」です。髪を切るだけの1000円カットなどは全く問題ありません。でも髪を洗う場合や、ひげを剃るといった場合は、座席への乗り移りが必要になってきます。また障害者の症状によっても、首に障害をお持ちの場合は注意も必要になってきます。

そのために美容室・理容室ではなかなかバリアフリー化が進まないように思えます。現在は人を指名できる1000円カットに行っています。人を指名できるので自分のお気に入りの人がいるときにカットします。でも15年位前には美容院・理容室に行っていました。

美容室ではさすがに専用座席への乗り移りができなかったのでカットのみになってしまいました。理容室においては男性社員が2名いたので、車椅子から専用座席へ持ち上げてくださいました。さすがに車椅子から専用座席へスムーズに乗り移れるようなものはないのが実情です。

整体での課題も美容室・理容室の課題と似ている

次に「整体」です。こちらはベッドへの乗り移りが必要になります。そのベッドは施術しやすいように幅が狭いものになっています。乗り移りが困難なだけでなく、寝返りがスムーズにできないため、うつ伏せになるのが困難なんです。

私も2度ほど行ったことがありますが、かなり厳しかったことと下半身が麻痺している中で、気づかないうちにお腹にホットパックをのせられていて、火傷をしてしまった経験もあります。

整体の先生は、「私にかかればどんな病気も治る」と豪語されていましたが、治るどころか火傷をしてしまいました。私の脊髄損傷についてご存知なかったような発言もされていました。

このようなことは私だけでなく車椅子の友人に聞いても、整体においてのトラブルはかなり発生しております。身体をリラックスさせたいのでぜひとも行きたいと思っても、自分の症状を知っている方でないと、逆に身体を痛める可能性もあるようです。

バリアフリー化が出来ればかなり業界の新旋風になるはず

この2業種においては、バリアフリー化の導入がなかなか難しいと思いますが、器具の改良や介護士の資格をもった方の対応などが出来れば、他にはないサービスの誕生となると思います。

ハードルは厳しいでしょうが、他社との差別化を図ることで新たな顧客の取り入れに繋がり、業界の中でとても画期的になることはまちがいないと思います。そういったところにバリアフリー化のビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?

車椅子利用者にとって段差・坂道ばかりがバリアではないんです。

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子に乗ったことがある人なら分かるかもしれませんが、段差や坂道のないところであれば、車椅子の走行は問題ないと思うかもしれません。でも実際には違うんです。まだまだバリアはあるんです。その点をご紹介します。
 

舗装道路されているから大丈夫?ではない理由

 
車椅子に乗っている人が道路走行中に不便だと感じるのは、道路が舗装しても凹凸があったり、舗装していない土や石ころの部分であったり、お寺・神社やテーマパークなどによくある石畳であったり、道路にあるグレーチングなどであったり、数多くのバリアを感じるものです。
 
まずは舗装している道路についてです。一見すると問題のないように思えますが、意外とこれがバリアだらけなんです。道路をどう舗装しているか下を眺めるひとはいないはずです。多分、健常者の人は見ないはずです。私も健常者の時は道路の舗装状態を眺めることはしませんでした。
 
ところが実際に道路の舗装状態を見てもらえば分かるのですが、凹凸があると車椅子に乗っていてかなりの衝撃を感じます。またスムーズに走行することもできません。
 
この点においては、車椅子メーカーはキャスター部分の改良を重ねています。キャスターとは車椅子の前輪部分です。車椅子に乗っている人への衝撃は前輪によって感じるので、キャスターの衝撃を弱くするようにされております。
 

石ころについては車椅子のタイヤのパンクになる可能性もある

 
次に舗装されていない土・石ころの部分です。これも上記と同じく、キャスター部分が土にめり混んできますので、いくら力強くハンドリムを漕いでも動きにくくなります。
 
石ころも同じです。ただ石ころの場合はパンクする恐れすら感じます。そのため介助者がいる場合は、キャスターを上げてウイリーのような格好で進むと、土や石ころ部分をクリアできます。ただしその距離が長いと、介助者への疲労度が増すので注意が必要です。
 
さらにお寺・神社もしくはテーマパークにある石畳です。これは車椅子利用者にとって最強のバリアです。石と石の間に隙間がない場合は走行が可能ですが、隙間があったり、凹凸があったりしたら、車椅子のキャスター部分が隙間に挟まる可能性があります。
 
そうなるとキャスターにロックがかかり、自分の身体が前へ投げ出されてしまいます。自分を支えることのできない車椅子利用者が大けがになることはよくある話です。特に膝を殴打するので注意が必要です。
 

グレーチングは至るところにあるけれど溝が大きいものは要注意

 
同じようなケースではグレーチングと呼ばれる金属の網です。グレーチングとは。街中でよく見かける道路の排水溝にかける蓋のことです。このグレーチングの隙間に車椅子のキャスター部分がスポッと挟まってしまう場合がよくあります。
 
この場合も上記の石畳同様に、自分の身体が前へ投げ出されてしまいます。私はこのグレーチングを見るたびに以前の苦い経験から怖さを感じます。そのため、この場所を走行したら、万が一危険が生じるかもと思えば潔く断念します。あとで取り返しのつかないケガにならないようにするのが重要です。
 
このように車椅子利用者において不便だと感じるのは、段差や坂道だけではないことがお分かりだと思います。
 

車椅子利用者の声を大事にすれば、気が付かないことが多く見えてくる!

 
意外と社会を見るとまだ至るところにバリアが存在します。少しでも車椅子の特性等を理解していただければ、設計段階から工夫を重ねることができると思います。
 
車椅子利用者の声を少しでも多くヒアリングしてもらったり、実際に走行してもらったりして改善を重ねると、健常者の目線ではわからなかったことがいろいろ発見できると思います。

車椅子ユーザーにおいて東京都内の駐車場探しは宝探しをする感覚に似ている

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。最近の事ですが、都内においての駐車場探しに過去最強の苦戦を強いられました。最後は何とか見つかる!という思いで必死に探した結果、1時間の末、駐車場を見つけることができました。その秘訣とは何か?

初めて行く都内の目的地の場合に使うアイテムは3つ

行き当たりばったりで現地に向かうのは、ほぼ無理に近いです。この状況は大間に行って船の探知機などの装置もないのに、マグロを見つけるのとほぼ変わらないくらい成果はゼロです。

そこで私が利用するのは、初めて行く都内の目的地の場合、駐車場のアプリ(S-Park)Google Earth多目的トイレマップの3つは必ず事前チェックします。

車椅子ユーザーにとって最大の重要ポイントはトイレ

車椅子ユーザーにとって重要なのは、まず多目的トイレがあること。多目的トイレがなくても大丈夫じゃない?と思うかもしれませんが、段差などは男手が4名いれば何とかなる場合がありますが、トイレは不可能です。

どうしてもトイレが見つからない場合は、簡易用のトイレ容器を用意しておきます。しかしトイレの入口すら入れない場合は、不可能です。さすがにトイレに入らないで、用を足していれば公然わいせつ罪で逮捕されます。(笑)

そのためトイレは最重要課題なんです。私の場合は3時間に1回でトイレに行きますので、それに合わせて滞在時間を計算します。多目的トイレマップはそのためにもとても重要なアイテムとなります。

駐車場は身障者用駐車スペースでなくてもドアが開けば大丈夫の場合も

都内の駐車場アプリですが、最近では身障者用駐車スペースの有無も掲載していますが、20ヶ所に1ヶ所あるかどうかです。その1ヶ所のほとんどが商業施設です。地上の路面駐車場にはほぼ存在しません。たまにある程度です。

しかし駐車場は身障者用駐車スペースでなくても、運転席側(自分で運転した場合)・助手席側(誰かに運転してもらった場合)のドアを開けるスペースがあればなんとかなります。

そのためいかにすばやくドアを開けるスペースがあるか視認します。毎回やっているので他の人よりは視認が速くなっています。ある意味、特技です。(笑)

Google Earthをうまく利用することも重要なポイント

次にGoogle Earthでのチェックです。これはGoogleによる更新は不定期のため、現在閲覧できる情報が最新情報かどうかは正直わかりません。以前、五反田の駐車場に行った時には、チェックしたにもかかわらず、ビル建設に変わっていました。神田界隈でも同様のことがありました。

しかし参考のためにはとても役立ちます。最近では平面で見ることができるストリートビュー機能もついています。この機能があると、ビルの入口に段差の有無が分かる場合があります。

ただ都内のビルには注意が必要です。入口は段差がなくても3・4段上がってエレベーターがあるケースです。こればかりはチェックすることができません。さすがに1段であれば通りがかりの人に手助けをお願いすることができますが、それ以上は不可能です。

こういったチェックをして、都内の初めての目的地に出かけるわけです。車椅子ユーザーの方が同じようなことをしているかどうか分かりませんが、私はこのやり方ができるだけ万全だと思ってやっています。

人混みの多い原宿周辺は駐車場を探すこと自体が大変だったが執念勝ち!

但し、今回は違かったんです。なぜなら原宿周辺は人混みだらけであるのと、アップダウンが激しいことです。Google Earthでは坂があるのかどうかが分からないんです。原宿周辺で1時間ほど駐車場探しをしました。

渋滞もしているから1度ミスをすると、次の駐車場探しには15分以上もかかってしまうんです。でも必ず見つけるんだ!という執念と落ち着きが必要です。焦ると交通事故につながります。

むしろ私は毎回宝探しのような感覚でいます。そうすると見つけた時はハッピーになれます。私のバリアフリー調査はそんな気持ちから2005年から12年も続けています。そのため調査が飽きないんです!

車椅子ユーザーが仕事をしていくための職場環境(ハード面)について

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。今回は職場環境のハード面についてご紹介します。21年間総合スーパーに在籍しましたが、ハード面については、かなりきちんと対応してくれた会社だったと今でも感謝しております。障害者がいる職場環境(ハード面)について、私の事例を踏まえて述べたいと思います。

支えてくれた人がいたことでバリアフリーの職場環境へ

私が車椅子ユーザーとして復帰したときに大変だったのは、机の高さでした。一般的な事務用机のサイズは、車椅子に乗ったままではどうしても膝が当たる高さとなっておりました。

当時、関東本部の人事課長が私のためにパソコン用机を用意してくれました。本当にありがたかったです。この配慮がなければ、毎日の仕事でパソコンで入力する際に、辛い体勢のままやらざるを得ませんでした。

そうなれば仕事の効率が低下するばかりか、パソコンを入力する姿勢にも無理が生じます。人事課長と話をする機会があって、「困っていることはありませんか?」と質問をして下さった事で実現しました。

私はこのパソコン机を導入していただき、パソコン入力がとてもスムーズになりました。机は5万円前後したと思いますが、私の人件費におけるパフォーマンスを考えた場合、その5万円は仕事の効率ですぐに取り戻すことができました。

日頃のコミュニケーションがあってこそ不具合も分かってくる

次の事例は、私が東京の関東本部に行く際に身障者用トイレがなかったので、毎回近隣にあった東京電機大学に電話をして「明日、終日トイレをお借りしますがよろしいでしょうか?」と許可をもらっておりました。

その後、私が労働組合の活動をすることになったときに、たまたま上記のことを組合のメンバーに伝えたことで、労働組合から関東本部の総務部長へ話がいき、出張する関東本部のビルに身障者用トイレを設置してくれたのです。

関東本部は自社ビルではなかったので、身障者用トイレの設置は難しいと思っていました。それが実現したのですからビックリです。いろいろな方が支えになってくれたから実現したのです。

ここで重要なのは、障害者の採用において「健常者には分からない障害者の不具合をヒアリングすること」です。そのためには、日ごろのコミュニケーションをとっておく必要があるということです。

毎月実施の安全衛生委員会などで職場環境の議論が重要

よくある話では、障害者の採用をしてもその後は全く会話がないという状況も起きているようです。その部分に耐えられなくて、障害者の退職理由の1つに挙がっていることも確かです。

直接のコミュニケーションだけでなく、会社では毎月実施している安全衛生委員会などで従業員の職場環境について取り上げてみるのもいいのではないでしょうか?コスト面で改善するのは難しい部分もあると思いますが、まずは声を聞くところから職場環境を改善できると思います。

高齢化社会に伴う車椅子でも入れるトイレの設置が望ましい

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子ユーザーにとって多目的トイレ(身障者用トイレ)の設置状況はとても気になります。今後の高齢化社会や東京オリンピック・パラリンピックといった時代背景から、店舗における多目的トイレの設置という課題があります。

ショッピングモールは多目的トイレだけでなく更なる工夫をしている

全国にあるショッピングモール(イオンモール・ららぽーと・アリオなど)はバリアフリー度が高いので、高齢者の方も障害者の方も来店傾向が高いと思います。ほぼ100%の多目的トイレの設置率です。

しかも多目的トイレは、各フロアに数ヶ所設置されております。最近では、多目的トイレの待ち時間防止のために、男女別の多目的トイレや一般用トイレ内に幅広トイレを設置する工夫もされております。

路面店においての多目的トイレの設置状況は、主に長居をするスポットには設置されているケースが出てきております。ただし、残念ながら業種によって様々といったところです。

路面店でも業種によっては設置率が高いところもある

設置率の高い業種は、携帯電話ショップですね。携帯電話の変更などをすると1時間以上かかるため、多目的トイレの設置されているところが多いです。車椅子ユーザーにとっては大変ありがたいです。

ファミリーレストランは、企業によって異なるといったところです。海鮮レストランの「とんでん」、最近ブームの「コメダ珈琲」、ファミレスの「ココス」などでは、全店舗ではないもののかなりの設置率になっております。

また「ロイヤルホスト」などでもまだ5%程度ですが、徐々に増えてきております。ファミリーレストランに多目的トイレがあればと願っているのですが、なかなか一部の企業だけの設置にとどまっているのがとても残念です。

駐車場には身障者用駐車スペースがあっても、いざ店内に入るとトイレは使えないといったケースが多くみられます。あると思ったらないというのがとてもがっかりです。

その他の業種では、カラオケのシダックスは、早い段階からバリアフリー度を高めております。全室ではありませんが、車椅子でも入れる部屋を用意したり、多目的トイレを用意しておりました。最近では都内のカラオケ館などでもバリアフリーの取り組みを徐々にですが、されてきております。

一般の路面店ではバリアフリー度が低いので選ばれていない現実

一般の路面店のお店においては、バリアフリー度が高くないので残念ながら車椅子利用者が利用しないケースが高まっております。駐車台数がもともと少ないこともあって、その部分からどうしてもバリアになってしまう傾向があります。

しかし身障者用駐車スペースがなくても、2台分の一般用駐車場を使用したり、ドア付近を少し広げて駐車するなどの取り組みができれば、利用することは十分可能です。あとの課題は、多目的トイレがないことですね。

長居をしないのであれば、トイレの設置は必要ないかもしれませんが、飲食店のような長居をするお店においては、車椅子でも入れるトイレやベビーカーでも入れるトイレの設置が必須となります。

現在は皆無だからこそバリアフリーに取り組めばチャンスになる

しかしこちらに関しても、ショッピングモールのようなどでかいトイレを作る必要はなく、幅の広いトイレにして、手洗い場などをコンパクトにまとめればトイレ内で車椅子が回転できるスペースなら十分可能になります。

現状ではバリアフリーに取り組んでいる路面店は、残念ながら皆無に近いレベルです。しかもすでにそういったお店には、高齢者・障害者などが立ち寄らないお店になってしまっているのかもしれません。つまり客数減になっています。

今後は時代に合わせて車椅子のお客さまでも使える店舗になれば、まだまだ進んでいない路面店の中でも、お客さまが増えるだけでなく、企業の社会的責任(CSR )においてもプラスになるはずです。今こそがチャンスだと思っています。ぜひともバリアフリー度を高めるように取り組んでいただきたいものです。

車椅子で利用するにはスロープの勾配についても検討が必要

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子利用者において階段・段差ばかりがバリアフリーだと思っていませんか?スロープがあるから大丈夫だと思っていませんか?この判断によって、トラブルがよく発生しております。お店などを経営している方には、ぜひとも知っていただき内容です。

車椅子のバリアは階段・段差でだけでなく勾配も影響する

実際に目的地の事務所に電話すると「うちはスロープなので大丈夫です」といった回答が返ってきます。

実際に現地へ行ってみると「何だ、この勾配は?」となるケースがあります。担当者はスロープ=車椅子利用可能と判断したのでしょうが、車椅子を利用していも厳しいスロープがあっては利用することができません。介助される方がいても大変でしょう。

法律で定められている基準は「12分の1」の勾配

バリアフリー法で定められている勾配は、以下の基準です。
勾配は12分の1を超えないこと。ただし、高さが16センチメートル以下のものにあっては、8分の1を超えないことです。

ちなみに12分の1の勾配とは「高さ1メートルを12メートルかけて上がる(下がる)」のスロープのことを意味します。6メートルかけて0.5メートル上昇(下降)している場合も同じく、12分の1の勾配となります。

実際に一般の乗り慣れている車椅子ユーザーならば、12分の1の勾配は大丈夫でしょう。ただし、長い距離ならばかなり疲れると思います。

8分の1は助走があれば大丈夫だと思います。逆に言うと助走がなければ8分の1は、パッとみて傾斜がかなりあるので難しいかもしれません。8分の1より勾配がある場合は、いくらスロープがあっても自走で上るのは不可能に近いです。

もちろん、パラリンピックに出場するような体力のある方ならば上っていくと思いますが、あくまでも一般的な車椅子ユーザーが「できる」というのが基準になるため「できない」と判断するのが妥当であると思っております。

無理をして途中でダメなら後ろへの転倒の恐れも

無理をして上って途中でダメな場合は、後ろへの転倒になりかねないことを注意しなければなりません。誰かそばに人がいるならば、助けを求めた方がいいでしょう。私も高知県の桂浜公園に行った際に、上り切る手前でピンチに陥りました。たまたまそばにいた観光客に助けていただきました。

観光地に行くと、厳しい勾配をよく見かけます。私が今まで訪れた中で最強の勾配は、上野動物園のペンギンコーナーの前(東京都)・三保の松原の入口(静岡県)・袋田の滝までの道のり(茨城県)などはかなりの勾配です。この3ヶ所においては、介助者がいても、坂の上り下りは恐怖すら感じるレベルです。

この3ヶ所に共通するのは、改修工事が不可能であること。改修スペースの問題だけでなく、歴史的な背景などもあるので難しいと思います。歴史的な背景のあるものについては、改修そのものが許可されていない場合もあります。

実際に上記の施設を事前に調べるのは、施設のホームページだけでは参考にならないため、実際に行ったことのある人が書いたホームページなどを検索して、経験談を読むのがいいのではないかと思います。

下りも注意が必要。行けるか行けないかはその場で判断。

最後に上りだけが大変だと思いますが、下りにも注意が必要です。車椅子で降りる場合は、ハンドリムをつかむことでブレーキになりますが、勾配がきつい場合は、手が熱くなります。状況によっては摩擦の強さから握ることが不可能になります。そうなればブレーキをかけられなくなってスピードがより増していきます。

スピードが増していくと、衝突の可能性がありますので十分に注意してください。大事なのは、この勾配は行けるのか行けないのかその場で無理をしない判断が必要だと思います。無理をするくらいなら、リタイアした方が賢い選択です。けがを引き起こさないことが一番重要ではないでしょうか?

そのため今後バリアフリーの店舗を設計していく場合は、スロープの勾配についても重要であることをぜひとも認識していただきたいと思っております。実際には車椅子ユーザーに試してもらい、利用が可能かどうかをチェックしてみるといいでしょう。

車椅子利用における病院のバリアフリー事情について

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。最近では車椅子でも入りやすい病院・医院は多くなってきました。患者さんが高齢化になっているので、スロープや多目的トイレの設置をしているのかもしれません。病院におけるバリアフリー事情をお伝えします。

総合病院はほぼバリアフリー化になっているので安心

総合病院においては、まずほとんどバリアフリー化がされております。しかも各階にも設置されており、入院病棟にも設置されております。但し、利用者が多いことから汚れている場合も見受けられます。

気になるのは身障者用駐車スペースですね。駐車台数に限りがあるので、身障者駐車スペースが埋まっていることもよくあります。それでも大概は駐車場に係員を配置していることが多いので、埋まっている場合は、なんとか駐車するところを作ってくれることもあります。

次にショッピングモールに入っているクリニックです。こちらはショッピングモール自体がバリアフリーになっているのでほとんど問題ありません。クリニック内に多目的トイレがない場合でも、ショッピングモール内には設置されているはずです。

一般のクリニックは検査をする際のベッドへの乗り移りがポイント

気になるのは検査等をする場合です。車椅子利用者が来院されても大概は高齢の患者さんがほとんどのため、私のような歩行が全くできない車椅子利用者は珍しいと思われます。

車椅子からベッドに乗り移る際に、力のある医師や看護師さんがいない場合もよく見受けられますので、検査をするときなどは、少々不便に感じる場合があります。例えば腹部超音波検査(腹部エコー)をするときなどは必ずベッドに乗り移ったりする場合です。

一般の個人医院については、こちらは2000年以降に建てられた医院はほとんどバリアフリー化が進んでいるような気がします。身障者用駐車スペースや多目的トイレ、スロープなどもあります。

2000年より古い医院については、やはり段差があるケースがよく見られます。その場合は、残念ながら医師の数や看護師の数が少ない時は受診が困難な場合もあります。検査等についてはショッピングモールの時と同じです。

歯科医院については治療用の椅子への乗り移りが可能か否か

あと最後に歯科医院の場合です。こちらは必ず治療用の椅子に乗り移らなければなりません。コンビニより多いと言われている歯科医院ですが、車椅子で対応できるか否かは微妙です。

私が通っている歯科医院は、ショッピングモールに併設されているので身障者用駐車スペースや多目的トイレの心配はありませんが、歯科医院の中に大きい1段があって、毎回若い院長先生が持ち上げてくれます。あとは治療用の椅子への乗り移りについてはかなり広いスペースなので問題ありません。

このように病院・医院については、意外とバリアフリー化が進んでおり、気になるのは検査の時にベッドに乗り移る場合です。大概のベッドは通常のベッドの高さより高く設定されております。状況によっては壁にペタッとくっついていて、幅も60センチくらいしかない場合もあります。

ベッドの高さとベッドの幅が少しでも広くなれば、車椅子ユーザーにとってかなり使いやすい環境になると思っております。ぜひとも今後多くなる高齢化に向けて改善していただけるとありがたいです。

車椅子選びにおける「自走式」車椅子のポイントとは?

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子にはいろいろと種類がある中で、私は自分で漕ぐ「自走式」の車椅子を利用していますので、その「自走式」の車椅子をご紹介します。

車椅子の特徴は用途によってかなり違っている

その特徴は、 病院やショッピングモールにあるような一般的な車椅子、 車椅子ユーザーが自分で漕ぐ自走式の車椅子、障害者スポーツを行うための車椅子、 重度の頸椎損傷の方が使用している電動車椅子などに分類されるでしょう。

今回ご紹介する自走式の車椅子は、私が乗り出した20年前において、折りたたみ式の車椅子が主流でしたが、最近は「折りたためない=固定式」の車椅子の普及が多くなっております。

特に海外の有名メーカーの車椅子については、ほとんど固定式の車椅子となっております。アメリカのクイッキーやスウェーデンのパンテーラなどは固定式の車椅子となっております。

折りたたまない車椅子には座り心地のメリットがある

特徴としては、折りたたみ式に比べると座り心地が格段に上がります。私もパンテーラを1台所有しており、背もたれ部分がしっかりしております。なぜ 座り心地に注目しているのかと言えば、車椅子利用者の姿勢における問題があるからです。

どうしても脊髄を損傷している方などにとっては、猫背になりやすい傾向があります。腹筋・背筋などの機能が弱い、もしくは機能がなくなってしまった方にとっては、背もたれがなければ座ることができません。そのために、背もたれの強度を上げるには、固定式の車椅子の方が猫背を防止できます。

また姿勢をよくすることによって、車椅子利用者にとって一番の気になる褥瘡(床ずれ)においても、固定式に乗ることで座位が安定して褥瘡防止にもつながるなどのメリットがあります。

さらに折りたたまないことから、車椅子自体の強度が上がります。車椅子が何かにぶつかった時の衝撃に耐えられるのかは重要なポイントにもなります。

折りたたむ車椅子だからオートボックス(車椅子収納装置)を使える

そうなると折りたたまない固定式の車椅子の方が優れているように思えますが、折りたたみ式に比べるとどうしても場所をとります。車への乗り移りの場合にもタイヤ2本を外した後にボディを積み込むことなど面倒な部分もあります。

私の場合は、車の天井に取り付けているオートボックス(車椅子収納装置)を使用しているため、折りたたみ式の車椅子でしか対応ができません。私的には折りたたみの方が重宝しております。

折りたたみに背もたれ部分だけを改造しているケースもある

最近では、折りたたみ式の車椅子を利用しながら、背もたれ部分を改造する方も出てきております。折りたたみ式の車椅子の背もたれを外して、背もたれだけを購入し、折りたたみ式の車椅子に硬い背もたれをはめ込むケースもあります。そうすることで座り心地を改善している人も増えております。

今後はどのような形式のものが主流になっていくかは分かりませんが、自分に合った車椅子をじっくり選んでいくことがポイントだと思います。

車椅子利用者が新幹線を使う時のおすすめ駐車場は?

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。先日は初めて「日帰り大阪」を体験してみました。私は茨城南部に住んでいて、一日にして大阪を往復できるとは思っていませんでしたが、どうしても試してみたかったという思いで実施してみました。

新幹線を利用するときの駐車場探しが難しい

これまで東海道新幹線・大阪の地下鉄についてご紹介しましたが、最後に駐車場事情についてお話します。これについては私は詳しい方ではないので、もっといい場所がありますよという方がいたらぜひとも教えていただきたいと思っております。

私がこれまで利用したことのある新幹線が停車する駅付近の駐車場は、JR品川駅・JR東京駅・JR小山駅です。それ以外は利用したことがありません。ちなみにJR小山駅は以前勤めていたところが、茨城県下妻市だったこともあったので利用したことがあるだけです。

実際には茨城南部からJR小山駅までは片道2時間近くかかるのと、小山は各駅停車しか停まらないのでちょっと不便です。駐車場については南口に広大な駐車場があります。身障者用駐車スペースは見当たりませんでしたので、ドアが開けるスペースを何とか探しました。

JR品川駅付近の駐車場が意外とおすすめ

今回利用したJR品川駅ですが、品川駅の港南口には巨大なビルディングがあります。その中で品川インターシティパーキングがおすすめです。24時間最大2000円なので価格的にもお値打ちです。

身障者用駐車スペースは1台しかありませんが、通常の高さの車であれば機械式に入庫することができます。但し、私のように車の天井にオートボックスを取り付けている車は不可です。その場合は、別の平面駐車場に案内してくれます。

この駐車場は、数日連続で駐車することができるのが便利です。都内でも数日連続で駐車できるところはあまりありません。また駐車場から駅までは距離は500Mくらいありますが、連絡通路になっているので雨にも一切濡れない構造になっています。

品川であれば新幹線でも飛行機でも対応できる

さらにこの駐車場のおすすめは、新幹線だけでなく飛行機にも対応できるところです。行きが新幹線・帰りが飛行機でも不便ではありません。京急品川~京急羽田空港までは、乗り換えなしの1本です。もし羽田空港の駐車場が大混雑している場合でも、この品川にとめることも可能です。

注意点は品川インターシティパーキングは24時間営業ですが、エレベーターが朝7時~夜23時半までしか利用できないことです。そのため、今回の日帰り大阪でも7時以降でしか車をとめることができません。そのため、今回は早く行きたくても不可能でした。

JR東京駅付近は金額が高いのと駐車場の混雑が気になる

次にJR東京駅です。こちらは東京駅八重洲パーキングを利用します。西駐車場と東駐車場がありますのでご注意ください。各駐車場には2台前後の駐車スペースがあります。

費用的には旅駐プランを利用しないとかなり高額になってしまいます。通常だと1日9000円になってしまいます。旅駐プランだと1日5000円になります。身障者割引は若干だけありますが、JR品川駅付近に比べると高いですね。

でも東京駅八重洲パーキングであれば新幹線の乗り口までの距離はそう遠くないですね。但し、駐車場の混雑が予想されるので、繁忙期であると身障者用駐車スペースが埋まっているようなことが心配です。最近は以前あった日本パーキングがビルの新設のために使用できないことも影響しそうです。

新幹線・地下鉄乗車よりも一番の要は駐車場探しになる

その他は近隣の東京都が運営している八重洲駐車場宝町駐車場になりますが、東京駅からの距離はちょっとありますし、東京駅の地下とはつながっていないという難点があります。雨の場合はズブ濡れになってしまいます。

なかなか新幹線利用の際のいい駐車場が見つからないのが現状です。私が知っている限りは以上ですが、もしもっといい案があったらぜひとも教えてください。

 

車椅子利用者が大阪の地下鉄を乗車するときのポイント

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。私は今回人生初の「日帰り大阪」をすることになりました。今回は全てクルマによる移動ではなく、クルマ・新幹線・地下鉄を合わせた移動で茨城から大阪までを往復しました。そこで今回のコラムでは大阪の地下鉄への乗車についてお伝えします。

スマホのアプリにある「乗換案内」通りにはいかない

今回の目的地に近い駅は、地下鉄中央線の堺筋本町駅。私は堺筋本町駅には行ったことがないので、事前にチェックしたのは、大阪市交通局のホームページで乗換駅や目的地の駅の出口の場所を確認しました。

スマホのアプリにある「乗換案内」でいいんじゃないの?と思いがちですが、あくまでも「乗換案内」は健常者向けです。車椅子利用者やベビーカーを利用している方は使えない部分が多くあります。乗換駅などを調べるのはできますが、最短時間のルートを検索することはできません。

その理由は大きく2つあります。まず1つ目は、最短時間で表示される電車には乗ることができない点です。実際には駅員さんが到着駅に連絡したりしなければならないので、最短時間のルートに乗れるとは限りません。

運が良ければ次の電車に乗ることも可能ですが、そうならない場合が多々あります。ただ今回は駅員さん方のスムーズな対応で、全てにおいて次の電車に乗ることができました。駅員さんに感謝しております。

2つ目は最短乗換コースは階段やエスカレーターになっているので、車椅子では利用できない点です。どうしてもエレベーターを使わざるを得ません。エレベーターのある出口がどこにあるのかを確認しておかなければなりません。

必ず駅の乗換用のエレベーターと地上出口のエレベーターは要確認

実際に大阪市交通局のホームページを見る限りでは、ほとんどの駅に乗換用のエレベーターや地上出口のエレベーターが設置されていました。但し地上出口においては、夕方あたりで閉鎖してしまうエレベーターがいくつも見られました。そのため事前に利用するエレベーターの時間帯を確認しておいた方がいいでしょう。

今回の場合は、新大阪駅から地下鉄御堂筋線で本町駅まで行き、本町駅で地下鉄中央線に乗り換えて堺筋本町駅に行きました。JR新大阪駅のホームに来てくれた駅員さんがそのまま地下鉄御堂筋線の新大阪駅まで案内してくれました。

地下鉄御堂筋線で本町駅に着いた時にも駅員さんがスタンバイしてくれて、地下鉄中央線の乗り場まで車椅子を押してくれました。この乗り換えはものすごく距離がありましたが、駅員さんが車椅子を押すスピードが速かったのはちょっと驚きです。

関西人のせっかちぶりが出ていましたが、やはり車椅子を押す場合の速度はゆっくり目の方がいいと思います。私は慣れていますが、一般の人だと怖さの方が大きいと思います。

公共交通機関の利用はある程度時間の余裕が必要

地下鉄中央線に乗り地下鉄堺筋本町駅に着いた時にも駅員さんがスタンバイしてくれて、改札出口まで車椅子を押してくれました。改札出口からはエレベーターの地上出口が分かるように案内図をいただき、無事到着することができました。

思った以上に大変ではなかったですね。でもラッシュ時などに乗るのは結構きついかもしれません。ある程度、時間に余裕を見て目的地に向かう方がいいと思います。