車椅子の生活をしていても残された機能を発揮する

2017.03.15 (水)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。人は残った機能があればそれを活かすことで、今まで以上のパワーを出すことができるということをご紹介します。

2ヶ月寝たきりになっただけで筋力が大幅に低下

私の場合は、1996年9月に交通事故に遭い、それ以降は一生歩くことが出来ないと宣告されて車椅子生活になりました。別のコラムにリハビリ日記を掲載中なのでぜひとも読んでいただけるとありがたいのですが、約2~3ヶ月は背骨だけでなくまわりにある肋骨なども骨折していたので寝たきりの状態でした。

 

もともと骨太で太りがちの身体だっただけに、体力には多少の自信はありましたが、寝たきりになって3ヶ月後に握力を測ったところ、たったの19キロしかなかったんです。女性の看護師さん方と握力勝負をしましたが、誰にも勝てませんでした。

 

もともとの握力は50キロ位でしたので、20代にしては平均か平均より少し上のクラスでした。しかし人は寝たきりになると、握力すら低下することを実感しました。その状態からのリハビリが1996年11月から始まりました。これからは自分の腕が足代わりにならなければなりません。

車椅子生活になるためのトレーニングを開始

まずは鉄アレイ2キロで運動を開始しました。当時は決して軽いとは思わなかった2キロです。なぜなら筋力は完全に落ちていたからです。そこから本格的なリハビリテーション病院に移動したときが大変でした。

 

1997年3月から社会復帰に向けてのリハビリ訓練になりました。まず5キロの鉄アレイを1日300回振り回しました。さらに3日で1キロずつ重さを変えて、1ヶ月もしないうちに10キロの鉄アレイを1日300回こなしていました。

 

また運動訓練については、毎日の日課が坂道往復5セットと体育館でのタイヤ引き5周でした。車椅子の真下に金具をひっかけてタイヤを引くんです。いかにもアニメ巨人の星のオープニングをイメージさせるような訓練でした。

 

さらに1週間に1回くらいは、突然、先生の号令で1500M走をするんです。でもこのようなトレーニングが辛くはなかったんですよね。みんな同じ車椅子ユーザーでしたし、私よりも障害レベルの重い頸椎損傷の方々も同じメニューをやっているんです。

同じ境遇の人たちが集まれば苦しさより楽しさへ

学校の部活動というイメージはなく、同じ境遇の人たちが集まっているので本当に楽しかったんです。おかげさまでその後、握力を測ったら、左72キロ・右65キロになっていました。健常者の時に測った数値より大幅に増えていました。やはり残された機能を活かしたいという思いによるものだと思います。

 

つまりここで言いたいのは、一度障害を負っても人にはみなぎるパワーがあり、残された機能を十二分に発揮するので、不自由は感じてもなんとかやっていけるようになるということです。

頑張ろうとする気持ちが残された機能を強くする

視覚障害者の方は、点字を読むことができます。健常者は点字を見えるにも関わらず、点字を触っても読むことはできませんし、聴覚障害者の方は、健常者でも分からない手話を読むことができます。こういったことは残された機能を発揮してでも、頑張ろうとする気持ちから出てくると思います。

 

もちろん障害を負ってしまったことは不自由かもしれません。でも人が頑張ろうとする気持ちがあれば、元の生活の100%までは回復することはできないかもしれませんが、0%ではありません。その気持ちを忘れないで今後とも生活していきたいと思います。

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