車椅子利用者にとってのバリアは段差・坂道ばかりではない理由

2019.09.19 (木)

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あなたの会社の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。

 

車椅子の「バリア」を想像すると、段差や坂道をイメージしてしまいませんか。

 

でも車椅子に乗ったことがある人なら分かるかもしれませんが、実は違うんです。

 

意外と細かい部分の設計にも注意が必要なんです。

 

これからバリアフリー化を考えている皆さまには、ぜひ知っていただきたいポイントとなります。今回はその点をご紹介致します。

舗装道路されているから大丈夫?ではない理由

車椅子に乗っている人が道路走行中に不便だと感じるのは、

 

道路が舗装しても凹凸があること

 

舗装していない土や石ころの部分があること

 

お寺・神社やテーマパークなどによくある石畳

 

道路にあるグレーチング など…

 

坂道や段差がないとしても、いろいろなバリアを感じます。

 

ご存知でしたか。

 

そして舗装している道路でもバリアがあります。

 

パッと見ると、問題のないように思えますが、意外とこれがバリアだらけなんです。

 

道路をどう舗装しているか路面をジロジロと眺めるひとはいないでしょう。

 

多分、健常者の人は見ることはないはずです。

 

なぜなら私も健常者の時は道路の舗装状態を眺めることはしませんでした。

 

ところが車椅子利用者の場合は違います。

 

実際に道路の舗装状態を見てもらえば分かるのですが、結構粗い舗装道路があるんです。

 

しかもそこに凹凸があると車椅子に乗っていると、路面の衝撃を感じてしまいます。

 

特に前輪のキャスターがもろに振動を受けてしまうんです。

 

スムーズに走行することもできません。

 

この点においては、車椅子メーカーはキャスター部分の改良を重ねています。

 

キャスターとは車椅子の前輪部分です。

 

車椅子に乗っている人への衝撃を減らすために、今ではサスペンションを導入したりして、キャスターの衝撃を軽減するように造られている車椅子もあります。

小石によって車椅子のタイヤがパンクすることも…

次に舗装されていない土・石ころの部分です。

 

これも上記と同じく、キャスター部分が土にめり混んできますので、いくら力強くハンドリムを漕いでも動きにくくなります。

 

石ころも同じです。

 

ただ石ころの場合はパンクする恐れすら感じます。

 

そのため介助者がいる場合は、キャスターを上げてウイリーのような格好で進むと、土や石ころ部分をクリアできます。

 

ただしその距離が長いと、介助者への疲労度が増すので注意が必要です。

 

さらにお寺・神社もしくはテーマパークにある石畳です。

 

これは車椅子利用者にとって最強のバリアです。

 

石と石の間に隙間がない場合は走行が可能ですが、隙間があったり、凹凸があったりしたら、車椅子のキャスター部分が隙間に挟まる可能性があります。

 

そうなるとキャスターにロックがかかり、自分の身体が前へ投げ出されてしまいます。

 

自分を支えることのできない車椅子利用者が大けがになることはよくある話です。

 

特に膝を殴打するので注意が必要です。

グレーチングは至るところにあるけれど溝が大きいものは要注意

同じようなケースではグレーチングと呼ばれる金属の網です。

 

グレーチングとは。街中でよく見かける道路の排水溝にかける蓋のことです。

 

このグレーチングの隙間に車椅子のキャスター部分がスポッと挟まってしまう場合がよくあります。

 

この場合も上記の石畳同様に、自分の身体が前へ投げ出されてしまいます。

 

私はこのグレーチングを見るたびに以前の苦い経験から怖さを感じます。

 

そのため、この場所を走行したら、万が一危険が生じるかもと思えば潔く断念します。

 

あとで取り返しのつかないケガにならないようにするのが重要です。

 

このように車椅子利用者において不便だと感じるのは、段差や坂道だけではないことがお分かりだと思います。

車椅子に乗っている人に確認してみることがおすすめ!

意外と社会を見るとまだ至るところにバリアが存在します。

 

少しでも車椅子の特性等を理解していただければ、設計段階から工夫を重ねることができます。

 

車椅子利用者の声や専門家の声をヒアリングすることや、実際に車椅子で走行してもらうことで、健常者の目線ではわからなかったことがいろいろ発見できるでしょう。

 

せっかくお金をかけるのであれば、利用者が使いやすい設計にすることおすすめします。

 

 

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