車椅子ユーザーにとって日常生活の大きな注意点は「お尻のケア」

2017.07.21 (金)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子生活をしていく上で一番気になるのがお尻です。なぜ車椅子ユーザーにとってお尻のケアが大事なのかをご紹介します。

ずっと座り続けるとお尻が痛くなるのは健常者

一般の健常者がずっと椅子に座っていることはほとんどありません。もし会議や仕事で座っていることが多くても途中でトイレに行くために立ち上がったりするわけです。
 
私はあまりトイレに行かないから、ずっと長い間座っていますという人でも体勢を変えたりしているわけです。ちょっとずつお尻を動かしたりして自然に疲れをとったりしています。
 
例えば、お葬式の時の正座を考えてみてください。最近は葬儀ホールによって椅子が配置されていますが、昔は畳の上に正座で座らなければなりませんでした。長時間座っていると足がしびれてきますよね。痛いけど我慢していた経験はありませんか?

下肢の麻痺があると触っても分からないことも

でも車椅子ユーザーは下肢の麻痺によって少し痛いか全く痛くならないかです。ちなみに私の場合は全く痛くなりません。一見すると「痛くならないからいいんじゃない?」と思いがちですが、そうではありません。
 
麻痺しているということは、気が付かないんです。お尻を触っても分からないくらいです。気が付かなければ痛いというサインを見落とします。そうなるとどういうことが起こるのでしょうか?長い間同じ圧がかかっていることで褥瘡(床ずれ)に繋がってしまう可能性があります。

褥瘡防止にはあらゆる手段で予防する

ではどうしたらいいか?ポイントはいくつかあります。こまめにお尻を上げて圧を抜くケースです。そのためには腕の力を使って持ち上げなければなりません。但し、腕の力がない人は持ち上げることができないでしょう。
 
次にクッション選びです。褥瘡になりやすい人はクッションの質を気にします。人気のあるROHOクッションは5万円前後します。そんなに高いの?と驚くかもしれませんが、座っているだけで圧が分散しやすい構造になっております。そこまで高くないクッションでも最近は優れたものもあります。
 
さらに姿勢にいい車椅子選びです。正しいシーティングをすると褥瘡予防になると言われています。そのため折り畳みの車椅子はどうしても背もたれの強度が下がりますので、固定式の車椅子を選ぶことが多いと思います。
 
その他、寝ている時においても不安な方は、ROHOクッションのマットレスバージョンがありますし、エアーベッドにするなどの方法もあります。私も受傷後まもなく褥瘡に悩まされたので、柔らかいマットレスを使っていました。お陰様でこの20年において褥瘡になったことがないことにホッとしています。

職場での配慮も車椅子ユーザーには助かる

もし職場などの配慮ができたら、休憩できるスペースを用意して簡易ベッドがあるだけで助かります。ベッドに乗り移ってお尻を休めたり、身体を休めたりすることが車椅子ユーザーにはとてもいい休息になります。休憩後の仕事の能率もアップすると思います。
 
なぜここまでお尻について重要視するかと言いますと、お尻に褥瘡ができると長期で静養しなければならなくなるからです。お尻の皮膚がもとに戻るまで自宅や病院での療養が必要になります。こうなると仕事をしている方などは大きな影響を受けるでしょう。だからこそ気をつけなければならないポイントなんです。

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