【閉館:ご参考】バリアフリーにものすごく力を注いでいたペンション「雅樹雅」(あじゅが)

2017.05.08 (月)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。昨年6月、私が今まで体験してきた中でバリアフリー度が高く、きめの細かい宿泊施設がありましたのでご紹介します。それは長野県清里にある「雅樹雅」(あじゅが)というペンションです。

利用者の声を反映したバリアフリー度の高い宿泊施設

バブルの頃の軽井沢や清里は、異常な賑わいのある街(芸能人ショップなども有)でしたが、残念ながら現在は清里駅周辺を見ても、閉鎖したお店やペンションが並んでいるような状態です。でも逆にのどかな状態が私にとっては好印象でした。

今までバリアフリーの宿泊施設 を調べていても、ホテル・旅館においてはあまりいい結果が出ていませんでした。そんな時にたどり着いたのが、この雅樹雅でした。

もちろん電動ベッドもあって、多目的トイレもあり、風呂の湯船にも入ることができます。車椅子から風呂場に移動するためのすのこが用意されております。万全な対応になっています。

いろいろな試行錯誤を経て今の形が造られてきている

その日の宿泊客が私たちだけしかいなかったこともあり、チェックアウトの際、奥様にいろいろとお話しをお聞きすることができました。そのインタビュー内容は以下の通りです。

  • 旦那さまは元コックで奥様は元看護師
  • 20年前は清里で9室あるペンションを開業。かなり忙しかったことと共同風呂だったことでお客さまのご満足を得られないと判断し一度閉館した。
  • 移転して誰でも気軽に訪れるペンションにしたいと思い、今の4室になったとの事。今後は2~3室の稼働にして、お客さまに対してもっときめの細かいサービスをしたいと検討している最中。
  • ストレッチャーで呼吸器をつけた方がいらっしゃっても、介護する方から離れないように、すぐ隣で食事をできるように工夫をした。
  • 脊髄損傷の方だけでなく、頸椎損傷の方でも風呂場でシャワーを浴びられるように工夫をした。(あえて手すりを若干少なくしたことで頸椎損傷の方が寄りかかれるようにされてある)
  • あえて大手旅行サイトには加入していない。(以前は加入していた)サイトで予約ができる形はお客さまの利用は高まるものの、いざ宿に来て、お互いの連絡不足によりクレームに発展することが多かったとの事。そのため電話とメールでのやりとりにしている。現在は口コミ利用によるものが80%)ネットで予約をいれた後に宿からメールを入れてお客さまから返信をいただく形で対応している。例えば、きざみ食にしてほしい。コンセントはあるか(酸素を付けている人)など。ただ旅行サイトに登録していないので集客が本当に難しいとの事。(今回も私たちだけしかいなかった位)
  • ネットを見れない高齢者の方が未だに多いので、宿を知ってもらうために旦那さんが東京の八王子の老人ホームに出向いたりしてパンフレットを配り歩いたりしてPRしている。
  • お客さまの声を大事にしている。風呂場の手すりの滑り止めや入口の手すりはお客さまからのご意見によって改善したものである。

バリアフリーについては相当手の込んだ宿泊施設

バリアフリー対応については、とても熱心に取り組んでいる様子が分かりました。どのような人が来ても対応したいという気持ちは、とても手の込んだ宿泊施設だと思います。いろいろなご苦労があって成し遂げたものでした。

旅行業界でバリアフリーの旅行を取り扱っている有名な企業のベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツの高萩代表もこの雅樹雅の取り組みは、最高に素晴らしいと絶賛されていました。(CD「バリアフリービジネス入門」より)

業界全体に臨むことは実際に利用しやすいバリアフリールームにしてほしい

宿泊業界において残念ながら車椅子でリラックスして泊まれる施設は、とても少ないのが現状です。日本1周したときもそう感じたくらいです。ぜひとも今回取り上げた雅樹雅のような宿泊施設が増えていくことを願っております。

雅樹雅のホームページ ⇒ こちら

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