店舗のバリアフリーを考える上で気がつきにくい大きなバリアとは?

2017.08.27 (日)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。健常者の方々はあまり気が付かないことだと思いますが、車椅子ユーザーにとっては「えっ、なぜ?」って思うことがあります。店舗を運営する上でついついやってしまうことです。一体どんなことなのでしょうか?

20時の段階で車椅子利用者にとってはバリアとなる現実

私は、昨年11月~12月にかけて日本1周しました。たまたま利用した施設で紹介してもらった名物のふく料理店(※山口ではちなみに「ふぐ」と言い濁らないそうです)へ行こうとした時の出来事です。

 

20時の段階で、該当の料理店が入っているレストラン街に行こうとすると、肝心のエレベーターがレストラン街の階にとまらないのです。近くにはエスカレーターがあるだけでした。つまり車椅子利用者はレストラン街へ行けないような状況になっていました。

 

仕方がないので別の飲食店を見つけて、ふく雑炊にたどりつけました。その雑炊が美味しかったので万事休すでしたが、こういったことはなぜ起こってしまうのでしょうか?

企業側の都合であっても別の手段がないと排除してしまうように感じる

おそらく防犯上か何かだと思います。そのためにエレベーターをある時間帯を超えたらとまらないように設定しているはずです。でもエレベーターが使えない時間帯に、車椅子利用者がいることを全く想定していないと思います。むしろ明らかに「いない」と決めつけているか、「いても断る」としているかです。

 

但し、以前にもご紹介したように駐車場などの場合は大変困ってしまいます。駐車場のエレベーターを21時でとめられていて、そのエレベーターに乗れないと自分の車まで戻ることができませんでした。

 

警備員の方に「理由を話してもセンサーが入っているからどうにもなりません」との事。つまり帰るに帰れない状態です。何とか友人を呼びだして助けてもらい、帰路に着くことができましたが、ものすごく恐怖を感じました。でも今言ったようなことはごくごく普通に起きています。

状況によっては障害者差別解消法に抵触する可能性もある

その立場にならない限り、一切気が付かないのです。言い方を変えれば、お客さまの方向を見ていない状態です。状況によっては、2016年4月から施行されている障害者差別解消法に抵触する可能性も出てきます。

 

民間企業にとっては、努力義務になっているものの先日のバニラ・エアの問題などを考えると、企業にとってはイメージの低下につながる可能性も出てきます。そう考えると今のうちに改善しておくのが望ましいと思います。

 

もちろん利用する側が事前に確認しておけばいいのでは?という声もあるかと思いますが、営業時間とは別にエレベーターの利用時間を制限するようなものは、利用する側にとっては分かりにくいものです。利用する側が気が付かなければトラブルを発生させることになるからです。

 

もし営業時間内に企業側の管理上の都合でエレベーターをストップするにしても、別の手段を確保しておくべきです。例えば、別のエレベーターだけは動かしておくなど。そういったことが、今後の店舗のバリアフリーを考える上では重要なポイントになると思っております。

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