高級な宿泊施設ほどなぜか使いづらい事情

車椅子ライフデザイナーのまおうです。
私は年に数回、飛行機を利用した旅行を楽しんでいますが、その際にどのホテル・旅館に宿泊するかが悩むところです。せっかくの旅行なのでたまにはビジネスホテルとは違って、おしゃれで高級なホテル・旅館に泊まってみたいと思うものです。
車椅子利用者の場合は優雅も大事だが機能性も必要
ビジネスホテルでは1泊1万円前後であるのに対して、高級なホテル・旅館は1泊3万円前後するものです。普通なら美味しい料理・温泉・優雅なベッドなど高額であっても、十分満喫できるならば損をしたとは思わないでしょう。私はもともとは健常者でしたのでそう思っていました。
しかし、車椅子生活になると一概にそうではないんです。その理由はいくつかあります。1つ目はエントランスから部屋までの距離が長い点です。なぜなら高級なホテル・旅館は、じゅうたんがフカフカなんです。車椅子を漕ぐのがとても疲れてしまうんです。フカフカな上に距離が長いのは辛いですね。
2つ目は内装を豪華に見せるために、必要なものが付いていない点です。この画像をよく見て頂くとお分かりになるでしょうか?内側に手すりがないんです。こういったホテルは、高級なホテルでよく見かけます。しかも大理石のようなものになっているホテルもあります。もし車椅子利用者が滑って転んだら、ケガになりかねないようなケースにつながってしまいます。
3つ目は高級なホテルだけではありませんが、ほとんどの宿泊施設において、車椅子利用者が風呂に入るように設計されていない点です。これについてはまた別の機会に詳しくお伝えしますが、車椅子から湯船に直接入ることができないんです。それは車椅子から湯船に入る前に、一旦お尻を移動した上で入ります。しかし、残念ながらそのようなスペースはありません。
温泉に来たのに温泉に入れないで終わることもしばしば
そうなると高級なホテルに来ても、美味しい料理には出会えるかもしれませんが、それ以外は残念ながら満足できないで終わる場合があります。せっかく温泉が湧いている施設であっても、温泉に入れないで入湯税だけは支払うというようなケースもしばしばあります。
もちろんせっかくの旅行なので、病室のようなイメージの部屋には泊まりたくないのも確かです。しかし車椅子で楽しむといった面を考えると、トイレ・風呂くらいは、最低限設備の整っている宿泊施設になることを願っています。
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