店舗におけるバリアフリーの課題には「お客さま満足」が欠かせない

2018.02.26 (月)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。超高齢化社会にむけてバリアフリー化は必須のテーマです。しかしながら設備だけをバリアフリー化すればいいわけではありません。大事なことは従業員の対応などがきちんとできてこそ実現するのが、真のバリアフリーではないでしょうか?その点をお伝えしたいと思います。

別のお店がある中で当店を選んでいただけたことがありがたい

前職の総合スーパーに在籍していたとき、リピーターとなってくださっていた視覚障害のお客さまがいらっしゃいました。私の管轄していたチームのサービスカウンターの担当者が対応しておりました。そのお客さまは1ヶ月に1度のお買い物でしたが、なかなか外出することができないせいか毎回大量購入をされておりました。

 

当店のサービスカウンター従業員は、公益財団法人日本ケアフィット共育機構の「サービス介助士2級」の資格取得をしていたことと、従業員の中には個人で「介護職員初任者研修」(通称:ヘルパー2級)を取得していた方もおりました。そのため、障害者や高齢者の対応はある程度慣れておりました。

 

そういった中でこのお客さまは、毎回当店のサービスカウンターのAさん(店舗の開店時から勤めているリーダー)を指名していらっしゃいました。お店に直接来店する前に入電(今から行きますという電話)があり、その後タクシーに乗って当店へ来店されます。そしてタクシーを降りる場所でお待ちして、それから店内を介添えしてショッピングをする流れでした。

 

1ヶ月に1度のお買い物で大量購入をされるために、約1時間半の介添えになっていました。もちろんサービスカウンターのAさんが出勤されていないときは、別のサービスカウンターの従業員が対応されていました。でもそのAさんと一緒にショッピングをすることにとても安心感があったようです。

 

そのお客さまは決して近い場所に住んでいるわけではありませんでしたので、もしかしたら近隣には別のショッピングモールがあったにちがいありません。競争環境の厳しい地域でしたので、当店以外にもいろいろなお店があるでしょう。それでも当店を選んでいただけることはとてもありがたいことでした。

単に設備がバリアフリー化するだけでは選ばれない

そこで利用者の目線から考えてみたいと思います。私も障害者の1人です。少しずつバリアフリー化が進んできているとはいえ、まだまだ行けるところが限られています。そのためバリアフリーでないスポットについては、極力避けてしまいがちです。私の場合は、多目的トイレ・身障者用駐車スペース・段差がない場所を選んでいます。

 

そうなるとどうしてもお店を選ぶことになります。ここからが大事なポイントです。どんなお店が選ばれるのでしょうか?バリアフリー化の設備があることは前提となりますが、その先には今回の視覚障害のお客さま対応のように、お客さまへの接客レベルがきちんとできる店舗を選ぶでしょう。つまり重要なのは「お客さま満足」です。

 

手前みそな話ですが、当店のサービスカウンターはメンバー全員が優秀でした。北関東にある店舗の中でも優秀賞をもらうくらいでしたので、常にお客さま目線を意識した対応ができておりました。そこが他店とは違う差別化につながっていたのかもしれません。

お客さまに喜んでいただくためにはどうしたらいいかがポイント

よくバリアフリー化の設備を整えることに力をいれているところがありますが、接客対応については残念ながら全くできていないケースもよくあります。両方が備わって初めて生きるものでありますし、その背景にはチーム全体の力、つまりチーム内でのコミュニケーションによる従業員満足があって成し遂げられるにちがいありません。

 

決して付け焼刃でバリアフリー対応をするといったことはできないものです。しっかりとした従業員の働きやすい職場風土を作っていくことで、お客さま満足につながり、バリアフリー対応ができるようになるといったことが今後はますます求められます。それができるお店こそが選ばれるようになるのでしょう。

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