バリアフリーの路面は平らであれば大丈夫ではないポイント

2018.10.04 (木)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。

 

お店の路面を考える際に、

車椅子そのものを知る・体験することによって、

大きく変わってくるでしょう。

 

それをぜひとも知っていただければ幸いです。

 

車椅子は見てご存知の通り、

中心部に後輪(大きな両輪)があって、

前に前輪(小さな両輪)がある乗り物です。

 

そこで注意しなければならないのが、

前輪に対しての路面設計です。

 

以前は溝についてご説明しましたが、

溝だけではないポイントがあります。

パッとみて「段差がなければ大丈夫」ではない

まず1つ目はじゅうたんです。

 

じゅうたんについては、

摩擦が大きいために車椅子の走行においては

ものすごく重くなってしまう点です。

 

フラットなのだから大丈夫だろうと

思ってしまいがちですが、

実際はそうではないのが、じゅうたんの走行です。

 

特に格式高いようなホテルのロビーなどの走行は、

通常の2・3倍の重さを感じます。

 

車椅子を漕ぐとかなり疲れてしまいます。

まさに筋トレのような気分になってしまうくらいです。

 

そしてこの光景は、

ベビーカーのような車輪がついている場合も同様です。

 

そのためフカフカのじゅうたんのあるお店・ホテルには

車椅子利用者が避けがちになってしまうでしょう。

 

そういった状況も勘案して、

お店の路面設計を考えるほうがいいと思います。

 

2つ目は芝生です。

 

芝生においては、前輪が草に絡んでしまうことから、

まともな走行ができない点です。

 

そのために介助者がいる場合は、

前輪をもちあげたまま

後輪で進むことで芝生を進むことでしょう。

 

また最近ではJINRIKIを使って、

車椅子ごとけん引することで、

前輪をもちあげたまま人力車のように

走行することもできるでしょう。

 

いずれにしても誰かが一緒にいる場合であり、

車椅子利用者が単独の場合は、

そうはいきません。

 

お店に中庭があるようなケースにおいては、

芝生以外でも立ち寄れる舗装部分があれば、

なんとかなるでしょう。

 

3つ目は砂利道です。

 

砂利道については、大きい石ころがある砂利道と、

小さい石ころのある砂利道に分かれるでしょう。

 

大きい石ころのほうが

実際に走行しやすいかもしれませんが、

鋭角の石ころを踏んでしまうと

車椅子の後輪タイヤが

パンクしてしまうこともあるでしょう。

 

逆に小さい石ころの場合は、

前輪・後輪ともに沈み込んでしまうために、

全く走行できなくなってしまいます。

 

介助の人がいたとしても、

かなり力が必要となるため、

かなり厳しいものです。

机上論だけで設計してしまうとトラブルに発展する

こうしてフラットであっても、

車椅子走行にとっては相応しくないものがあります。

 

まずは一度車椅子に試乗してみて、

以前紹介した溝・じゅうたん・芝生・砂利道の走行は

どうなのかを感じてもらうことが

一番分かりやすいでしょう。

 

言葉だけではあまり伝わりにくいのが、

車椅子についてです。

 

ぜひとも何かの機会に、車椅子試乗研修などを

受講してみることをおすすめします。

 

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