車椅子の操作がしやすくなるハンドリムとは

2018.01.02 (火)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子のハンドリムは自転車のように車椅子を漕ぐためには大事な部分ですが、少ない力で車椅子を漕ぐことができると、ものすごく日常生活の中で楽になるでしょう。今回ご紹介するのは、ある車椅子メーカーがハンドリムを改良したことをご紹介します。

車椅子を操作するにはどうしたらいいの?

ハンドリムは、大きい車輪の外側に固定された輪であり、タイヤよりひと回り小さくなっています。この輪を回すと大きい車輪を回転することができます。左右に取り付けてあるハンドリムを同じ力で前方に回すと直進することができますし、後方に回すことで車椅子は後退します。

 

また片側のハンドリムを回すことで、回した側と反対側に進みます。つまり左側のハンドリムを押さえると、右側のハンドリムを前方に回すと左側に進むことになり、その逆であれば右側に進む構造になっております。さらに左側のハンドリムを強く押さえることで、小さい円のように進むことができて、弱く押さえることで、大きい円のように進むことができます。

 

通常のハンドリムは金属製になりますが、摩擦がなくなり漕ぎやすくなるのでスピードを出すことが可能になる反面、冬などはものすごく冷たくなってしまいますし、ツルツルと滑りやすくて力をいれても漕ぎだし時にスピードが出にくいことや勾配を上る時に滑りやすくて力がはいらないこともよくあります。

力が少なくて漕げることはうれしいこと

逆に握力が弱い頸椎損傷の方はゴムを巻くことが多いので、摩擦がつきやすくなり滑りにくくなる半面、勾配を下る時には熱が発生してしまい、ハンドリムを握るだけで熱くて握っていられない場合もあります。もちろん手袋などを使って漕ぎやすくする方もいます。

 

そんな状況の中で、日本経済新聞で下記のような記事が取り上げられていました。

 

車いす製造のオーエックス新潟(長岡市)は手の力が弱い人でも操作しやすい車いすを開発した。車輪を操作する部品に特殊な塗料を塗って滑りづらくし、滑り止め材を使う従来品に比べて車両重量を最大7~8%軽量化できるという。高齢者や子どもに加え、頸椎(けいつい)に損傷を負って手に力が入りにくい人の需要を見込む。耐久性実験などを進めて2019年春に販売を始める。

 

車いすの駆動輪に取り付けて手で回転させて操作する部品「ハンドリム」を改良した。アルミニウム素材の上に、表面がざらざらになる特殊な塗料を塗った。車いすの利用者による実験で十分な滑り止め効果を確認した。夏の炎天下でも熱くならず、冬も冷たくならないため手触りもいいという。塗料を吹き付ける今回の方法では、ハンドリム1本当たりの重量は30~40グラム増えるだけで済む。ビニールのカバーを巻き付ける従来の方法に比べると、片輪だけで350~400グラム軽量化できる。

 

車いすは通常、ハンドリムなど付属品を取り付けると全体で13~14キログラムになる。「ハンドリム両輪で1キログラム近く軽量化すれば、障害者らが自動車に積み込む際などの負担をかなり軽減できる」(松元俊文社長)という。【日本経済新聞より】

 

車椅子の改良は車椅子ユーザーの行動範囲が広がる

こういった取り組みによって、車椅子が改良されていくことで使いやすくなるのはうれしいことです。車両重量を軽量化することだけでなく、少ない力で漕ぎやすくなるのは、車椅子ユーザーにとって行動範囲を広げることにもつながっていくにちがいありません。

 

私もオーエックスの車椅子を使っているユーザーとしては、頸椎損傷でなくても年齢を重ねることで体力が落ちているために、ぜひとも使ってみたいと考えております。さすがに若いころのように1日数キロ走行するような体力がありません。もちろんもっと鍛えなおさなければという思いもありますが、少しでも疲れないものが世に出回ることで生活が楽になるのであれば、本当に嬉しいことです。

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