パラリンピックに向けてホテルのバリアフリーの課題とは?

2017.05.17 (水)

車椅子ライフデザイナーのまおうです。昨年12月に日本1周のバリアフリー調査旅行を27日間実施しましたが、残念ながらホテルのバリアフリーが相当遅れているのを実感しておりました。その部分が今回IPC(国際パラリンピック委員会)からの指摘を受ける形になってしまったようです。

ホテルのバリアフリー対策は早急な課題

以前とあるバリアフリーの会合に参加した際に、ホテルのバリアフリー対策が進んでいない報告を受けております。そこでの理由は、ホテル側がバリアフリールームを開示して、いざ泊まったら使えない!というクレームが怖いというものでした。だからあえて開示をしないということを聞きました。

確かにホテルへせっかく来たのに使えないというのは、本当に困ってしまいます。私が2005年からバリアフリーの調査を始めるきっかけとなったのも、ホテルの誤ったバリアフリールームの開示によるものでした。

バリアフリールームという表記があったので利用したものの、単なる広いだけの部屋でした。バスルームもトイレにも段差があり、しかも入口は車椅子の幅より狭くどうにもならないものでした。フロントにその旨を申すと「我慢してください」と厳しい一言が返ってきました。

言い方には問題があると思いますが、15年近く前の出来事ですのでホテル側も他のホテルをご用意しますとも言える時代ではなかったと思います。それくらいバリアフリールーム自体が世の中にありませんでした。

様々な障害に対応することの難しさ

その後、東横インの耐震偽装事件が発生し、ますますバリアフリールームの在り方について考えなければならない状態にありながら、ホテル業界の中で一番力を入れてくださったのは東横インだったのです。今では東横インだからこそ利用したいバリアフリールームとなっています。

バリアフリールームにおいては、残念ながら利用する立場として目立った改善が行われていないように感じます。もちろん部屋を広くするのは、客室を減らしたり、改修工事費用がかかるので、ホテル側にとっては簡単ではない事だと思います。

さらに様々な障害に対して対応するのが難しいという課題があります。症状によってはストレッチャーで来る方、酸素ボンベをつけている方など通常の車椅子利用者よりも重度な場合が考えられます。

それならば一層のこと、バリアフリールームを設置していても、ホームページではバリアフリールームの開示をしなければ利用者は増えない。利用しなければクレームも来ないといった後ろ向きの状況になっていきます。

大半が電話予約のみのバリアフリールーム

そのため電話で確認して、やっとバリアフリールームがあることを分かるのが現状です。しかも一般のプランは、食事とかいろいろなものを予約できるのに、バリアフリールームはプランがないので、一般のプランより高額になってしまうケースもよくあります。

実際に宿泊しても、未だにただ広いだけの部屋が多いです。車椅子から風呂への乗り移りができる環境は、ほとんどのホテルにはありません。風呂に入れなくてもシャワーチェアだけでも用意してくださればありがたいのですが、それもない場合もよく見かけます。

そうとはいえ東京オリンピック・パラリンピックまではあと3年しかありません。IPCからはネット予約ができる環境も求められております。ホテル業界は今こそ変わる時ではないでしょうか?

ホテル側と利用者側の双方のコミュニケーションが必要

まずは利用する側の立場の声を吸い上げることが先決だと思います。さらに様々な障害をお持ちの方もいるので、ネット予約と同時にお問い合わせによるやり取りを気軽にできる事が必要です。

例えばストレッチャーで行くのに大丈夫かどうかなどホテル側と利用者側との確認できる形をとる双方のコミュニケーションが重要になります。そうすることでクレームを減らすことにつながるでしょう。

そのためには最低限のバリアフリー知識が必要になります。障害をお持ちのお客さまに喜ばれる接遇も課題になると思います。一気に解決できるとは思いませんが、残された3年の中で一つ一つ積み上げていくことが「選ばれる」ホテルとしてお客さまをお迎えできるようになるでしょう。

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