店舗入口に段差解消ステップだけではバリアフリーにならない

2018.09.09 (日)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人

バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。

 

都内の小売店・飲食店には、

歩道と面したところにお店があって、

入口までのスペースが

ほとんどない場合をよく見かけます。

 

道路との高さがフラットになっていればいいのですが、

フラットになっていないために

10㎝程度の1段の段差があったりします。

 

このたった1段の段差は、

車椅子利用のお客さまにとって

大きなバリアとなってしまうことでしょう。

 

この1段の段差を解消するために、

ホームセンターなどで販売している

「段差解消ステップ」を設置することで、

段差の解消をしているケースがあります。

 

ところがこれで大丈夫かというとそうではありません。

 

どうしてなのでしょうか?

段差解消ステップだけではバリア解消できない

段差があるより段差がないほうがいいことは、

当たり前のことなのですが、

段差解消ステップを設置したからといって、

車椅子利用のお客さまが気軽に上れません。

 

なぜなら角度が急になっているからです。

 

最近は車椅子利用者単独での行動が

目立ってきている時代です。

 

そこで車椅子に乗ってお店に入ろうとしても、

角度が急であれば助走がなければ

上ることはできません。

 

自転車をイメージすると分かりやすいと思います。

助走なしでいきなりペダルを漕ぎだすのは

つらいと思います。その原理と全く同じです。

 

そこで助走をつけて上ったとします。

 

でも入口までの距離が

全くなければドアに激突するでしょう。

 

自動ドアであっても

どの位置で反応するかを考えれば、

段差解消ステップを上ったときに

反応するはずですが、

そのタイミングでは

車椅子がドアに接近するほうが速くなってしまい、

ドアは開き切らないまま激突するでしょう。

 

もちろんわざわざ激突する人はいないとなると、

車椅子の助走のスピードを弱めることになるはずです。

 

ところが助走のスピードが弱めると、

段差解消ステップを上りきることができなくなり、

上りきらないまま後ろへ転倒することが考えられます。

 

そうなれば後頭部付近を歩道に

激突させてしまう可能性も出てくるでしょう。

心のバリアフリーで対応できることを知ってもらう

ではどうしたらいいのでしょうか?

 

もちろん車椅子利用のお客さまに

店内にいる従業員が気がつけば

アシストできるでしょうが、

たぶん気がつきにくいと思います。

 

そうなれば、インターフォンをそばに設置するか、

もしくはお店に電話をかけてもらって、

従業員が気づいて対応するといった方法になるでしょう。

 

その際は、お店の電話番号を入口に掲示しておくのも、

一つの方法かもしれません。

 

また一度利用された車椅子利用のお客さまには、

お店の名刺みたいなものをお渡しして、

次回利用されるときは電話をしていただければ、

入口で対応しますとお伝えするのも方法でしょう。

 

私自身は通りかかりの人に説明して、

断られたことは一度もないのですが、

多くの車椅子利用者に聞いてみると、

意外にも通りかかりの人に断られたことが

結構あることを聞いております。

 

残念ながら心のバリアフリーが

進んでいない日本においては、

通りかかりの人に頼んで

やっていただけるかどうかは確実とは言えません。

 

だからこそ、お店側ができるだけ、

気軽に利用してもらえるようなアプローチを

することではないでしょうか?

 

それがお店のイメージアップにも

きっとつながるにちがいありません。

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