車椅子のバリアフリー化にはまずきっかけが大事

2017.12.24 (日)

車椅子ライフデザイナーのまおうです。最近、友人から「世の中は鉄道をはじめいろいろなところがバリアフリー化になってきているから、とても便利だよね」と言われました。世の中のバリアフリー化は、10年前と比べてかなり便利になったと思います。しかし、車椅子生活がしやすくなったと思えるほどではありません。それは一体なぜなのでしょうか?

バリアフリー法の義務における部分だけが目立っている現実

バリアフリーの法律によって、公共交通機関をはじめ、公共施設、大型ショッピングモールなどは、バリアフリー化にすることが義務づけられたこともあり、急激にバリアフリー化へ変わっていきました。駅などにはエレベーター・多目的トイレが設置されていることによって便利になりました。

 

しかしバリアフリーの法律に関わらない点についてはどうなのかと言いますと、残念ながらバリアフリー化はまだまだ課題があります。それは義務ならばやらざるを得ないものの、義務でなければやらなくてもいいという点が垣間見えます。バリアフリー化にすることに価値があるのかという点が、経営者における悩めるポイントになってくるのでしょう。

 

「バリアフリーにコストをかけるならば、他のところにコストをかけた方が売上が上がる」といった声をよく聞きます。バリアフリー化を実施しても、コストに見合った効果がないと思っていらっしゃる人を多く見かけます。これだけ高齢化社会が進んでいても、自分のお店には車椅子を利用しているお客さまが来ないからという理由です。

 

これについては「卵が先か、ニワトリが先か」の部分です。実際に車椅子を利用している方は、バリアフリーでない施設に対して、どうしても一度は食べたい料理だったり、どうしても購入したい商品だったり、そういった場合ではない限り、わざわざ人の手助けを借りてまで行くことがありません。つまり車椅子利用者が利用しないのは、そのお店が車椅子で気軽に利用できないから行かないといった理由です。

バリアがあることによるチャンスロスが生まれているはず

だからといって高齢化人口3500万人がいる中で、大半の高齢者は元気であっても、一部の方々は車椅子利用者であったり、杖をついていたり、外出困難な方もいます。また私のような障害者としての車椅子ユーザーもいます。さらにべビーカーを利用している方々もいます。そういった方々をトータルで考えると、ものすごい多くの方々が利用する可能性があります。そのためバリアフリーでないお店は、来店したいと思われてもバリアフリーでないためにチャンスロスが生まれます。

 

ある区役所ではバリアフリーへの助成金申請がゼロに近いほど、中小企業の経営者の方々は興味をもっていないとおっしゃっていました。最大200万円の工事に対しては、100万円の助成金が支払われるくらいのサポートをしてくれるそうです。しかしこのまま助成金の申請が全くなければ、状況によっては翌年度の予算廃止にもつながる深刻な状態だと区役所関係者は申していました。

 

東京オリンピック・パラリンピックが開催されるのに対して、バリアフリー化にならない社会に向かっております。今だからこそ盛り上がっていかなければならない時期ではないでしょうか?このままだと東京オリンピック・パラリンピック開催があっても失敗に終わる恐れもあるでしょう。

まずはバリアフリーに対するきっかけからスタートすればいい

どうしても勝手なイメージや偏見にとらわれてしまいがちなのが、障害・バリアフリー・車椅子といったテーマです。もちろん、改修工事にはお金がかかりますが、状況次第によっては少ない金額で改修工事をしているケースもあります。助成金などが出る行政もありますので、バリアフリーにすることがバリアでない他社との差別化を作る意味においても、意外とチャンスになるのではないでしょうか?

 

まずはバリアフリーについて「きっかけ」程度でいいので、知っていただきたいというのが本音です。今まで学校教育で習っていない事柄なので、あえて「ゼロからのスタート」という意味で学びなおしていくと、新しい発見につながり、ビジネス・日常生活に対しても好転するものではないかと思っております。

 

そうすることでバリアフリー化への見方が変わるはずです。車椅子でも生活しやすい環境に変わっていき、そして経営者にとっても集客アップができるような環境になっていき、お互いに得をするような社会になることが望まれます。

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