将来におけるバリアフリーは使いやすさを求める時代へ

2018.02.20 (火)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。東京オリンピック・パラリンピック開催や超高齢化社会が進んでいく中で、まだまだ車椅子利用者の目線からはバリアフリーへの課題は山積みになっています。事業者の皆さまにはコストがかかる問題と捉えがちになっていますが、車椅子利用者が多くなっていく中では、対応できないことが時代遅れになっていく可能性もあるのではないかと思っております。

バリアフリー法が改正されるのは「待ったなし」の状態である意味

ちなみにバリアフリー法についての今後の動きは下記のような状況にあります。(東京MXテレビ「モーニングCROSS」より)

 

「バリアフリー化を推進するための改正法案」は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けてバリアフリー化を推進するための改正法案が今国会に提出され、事業者に段差解消策や介助体制の強化などを盛り込んだ計画の作成、公表を義務化し、取り組みを強く促すものになっているようです。そしてこれらを作成しない場合は、50万円以下の罰金を科す予定になっているとのこと。

 

「現行のバリアフリー化促進法」は、新規の施設や国の基準に応じたバリアフリー化を義務付けているものの、既存施設のバリアフリー化はコスト面や十分なスペースを確保できないことなどから伸び悩んでいるとのこと。

 

もちろん今回の法案における対象は、公共交通機関をはじめ一部の業種に限られるでしょうが、東京オリンピック・パラリンピックまであと2年半の状態の中で、遅れているバリアフリーの設備を整えていくのは重要な課題であり、超高齢化社会においては待ったなしの状態でもあるといえるでしょう。

介護職に就く人が増えなければ車椅子利用者はすべて1人でできなければならない環境へ

今後、現在の高齢者が3500万人いる状況の中で、5~10年後、そして20年後を考えると介護職に就労する方々の人数増加に至らなければ、極論かもしれませんが、高齢者・障害者において、介助が必要な方がいても人数不足の影響から介護する人がつかないために、自分ですべてやらざるを得ない人が多くなるのではないかという懸念があります。

 

そうなると高齢者・障害者が自分1人で外出し、自分1人で商業施設でお買い物をしなければならないような時代がやってくるのではないかと思います。まさに「自分のことは自分で対処する」時代の到来です。そうなれば現在のバリアフリー化のレベルよりさらに進んだバリアフリー化の整備をしなければ、生活しやすい環境にならない可能性もあります。

 

つまり求められているレベルは「バリアフリーの有無」から「バリアフリーの使いやすさ」へ変わらなければならないことも視野に入れておかなければならないでしょう。もしかしたら、現在のような介助式の車椅子ではなく、私のような車椅子ユーザーが乗っているような自走式の車椅子を利用しなければならなくなる日がくるのかもしれません。

 

そう考えるならば、誰かが一緒にいれば大丈夫というお店づくりではなく、自分でフラッと立ち寄れるようなバリアフリー化されたお店づくりが求められます。さらにレジが無人化になっていくと、車椅子利用者であっても1人でお店に来て、1人で商品を選んで、1人でセルフレジでお会計をして帰っていくような従業員の誰1人とも接しないスタイルも出てきます。

 

そこでスーパーを想定するならば、売場から商品を取る際にはどんな商品でもとれる高さにするとか、商品を自分で袋詰めをする際のテーブルの高さを変えておくとかいろいろな課題が出てくると思います。もちろん私の未来における考えですが、そういった日が来ることも想定しておかなければならなくなるのではないでしょうか?

コストがかかるからやらないのは時代遅れになってしまうのでは?

だからこそ、コストがかかるからといって対応を先延ばしにしていると、いつの間にか時代の流れとともに利用者が減ってしまうことも考えられます。なぜならば「今までは歩けたから行けたけれど、あの店は車椅子で行けないから残念ながら諦める」という理由です。

 

「お店を利用したくてもバリアフリーでないから行けなくなった」という話は、私のまわりでもよく耳にはいってきます。だからこそ行政の補助金制度のあるうちに、バリアフリーへの対策をとっていき、他店が手掛けていない今だからこそ差別化を図ることがビジネスチャンスにつながるように思えます。

 

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