車椅子利用者がペットを連れて旅行にいけるホテル問題

2018.02.12 (月)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子利用者にとって、旅行先の宿泊施設を利用する際の部屋は「バリアフリールーム」を予約するでしょう。でもバリアフリールーム自体が全国にもまだまだ多くない状況においては、それ以外の希望を追加して検索をかけると全くヒットしなくなってしまいます。一体どういったことが起こっているのでしょうか?

車椅子利用者がペットを連れて旅行へ行くハードルは高い

私の友人のAさんは車椅子利用者でペットを飼っています。もちろん一般家庭においてもペットを飼っている人は多いはずなので、別に大して珍しいことではありませんが、家族で旅行へ行く際には大きな課題が待ち受けているとのことでした。それは冒頭で申したように、「バリアフリールーム+ペット利用可」と検索すると全く受け入れてもらえる宿泊施設がなくなってしまうそうです。

 

かろうじて静岡の伊豆地方にペット同伴で利用できる宿泊施設を見つけたようですが、全国で同様の宿泊施設はなかなか見つからないのが現状のようです。なぜならばバリアフリールームを検索するだけで大幅にヒットする件数が少なくなり、さらにペット可となると候補件数が一気に減ってしまいます。私も旅行サイトで試してみましたが、ほとんど皆無となってしまいました。

 

ここに大きな課題となるのが、一般の人が利用するようなオプション、例えば今回のように「ペットを連れて旅行にいきたい」という場合です。一般の人であれば1つのオプションになるだけですが、車椅子利用者になるとバリアフリールーム自体がオプション化されてしまうこともあり、2つのオプションになってしまうことです。

 

ある車椅子利用者の関係者にヒアリングをしたところ、最近の障害者は(盲導犬や介助犬以外)ペットなどを飼っている人が増えている傾向にあり、心の安心感や家族がわりといった人が多いようです。でもバリアフリー自体が特別な存在になっている以上、一般の人が利用するような希望ができなくなってしまうとおっしゃっていました。

超高齢化社会においてバリアフリールームの価値は大きくなる

残念ながらバリアフリールームの対応はまだまだ遅れている状況にあります。それは東京オリンピック・パラリンピックが2020年開催に向けて、現状の東京の宿泊施設の遅れをIPC(国際パラリンピック委員会)が指摘をしているくらいです。このような状況が続いてしまえば、開催自体にも影響を及ぼす懸念もあります。

 

もちろん宿泊施設側からすれば、バリアフリールームを作らないことが法律に抵触するわけではないのであれば、話題性の高い東京オリンピック・パラリンピック開催であっても、わざわざコストをかけて改修する考えは生まれないのかもしれません。しかし、時代は超高齢化社会に入っていますので、バリアフリーのPRをすれば価値が見いだせるのではないでしょうか?

 

2つのオプションを同時に叶える前には、バリアフリールームの設置が先決になるでしょう。、とにかく少しでも多くの事業所の皆さまによって、バリアフリー化の動きが出てくることを願うばかりです。まだ誰もがやっていないことに手掛けることで大きな差別化につながります。これこそ大きなビジネスチャンスになりうるアイディアだと思っています。

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