お店にある貸出用の車椅子のメンテナンスは大丈夫ですか?

2018.02.23 (金)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。最近では商業施設・総合病院・ホテルや旅館などの宿泊施設などには、貸出用の車椅子を設置してあるケースが多くなっております。その中で気になることは「車椅子は万全な状態でお客さまへお貸しすることができるかどうか」です。どういった点に気をつけたらいいのでしょうか?

貸出用の車椅子でも盗む人がいるので台数の管理はきちんとしておく

1つ目は、貸出用車椅子の定位置管理をしておくことです。こんなことは当たり前のように実施されていることがほとんどですが、気が付かないうちに「貸出用の車椅子が盗まれている」といったこともないわけではありません。私は総合スーパーで人事総務課長をしていた頃には、知らないうちにショッピングカートや買物カゴが盗まれているようなことがありました。貸出用の車椅子が盗まれることは、当店ではありませんでしたが、他店では盗まれていたことを聞いたこともありますので台数管理は必要です。

 

2つ目は、常に清掃・清潔を心がける点です。冒頭で述べた施設は、多くの人の出入りがあります。そうなれば不特定多数の人が貸出用の車椅子に乗ることになります。ただ普通に利用するだけでなく、トイレに行ったりすることもあるでしょう。そのためにもお客さまに気持ちよく利用していただくためには、車椅子の座面・手すりを拭くなどの頻繁な対応が必要となります。

 

実際に私は店舗におけるお客さま対応の責任者でしたので、お恥ずかしい話ですが「車椅子が汚い」とお叱りの言葉を頂きました。もちろん店内のカート回収チームに車椅子の清掃を指示していて、きちんと実行していましたが、状況によっては頻度を高めなければならないと思ったくらいです。私自身も毎日15時にあるクリーンタイムでは、貸出用の車椅子の座面・手すりを拭いたりしていました。

自転車と同じように車椅子のメンテナンスは重要なポイント

ここまではある意味当たり前のように思えることですが、その他には車椅子だからこそやらなければならないメンテナンスがあります。自転車と同じように車椅子のタイヤはノーパンクタイヤでない限り、自然と空気が抜けていきます。3つ目のポイントは空気の調整をしておくことです。皆さまの管理している施設では、空気がきちんと入っていますか?できるだけ空気をパンパンに入れておくことで、ビックリするほどの快適な車椅子走行になります。

 

4つ目は、前輪タイヤのゴミを取り除くことです。商業施設のショッピングカートと同様に車椅子の前輪タイヤには糸くずのようなゴミが多く溜まります。これは定期的に清掃することをおすすめします。さらに潤滑油などを前輪及び後輪にスプレーしておくといいでしょう。こういった点によって、乗り心地が変わるのが車椅子です。ぜひとも実践してみてください。

 

5つ目は、ちょっとしたワンポイントですが、車椅子用クッションを用意することです。車椅子にクッションがあると断然座り心地が快適になります。クッションのないままに座るのが車椅子だと思いがちではないでしょうか?一度クッション付きで乗ってみれば分かると思いますが、お尻への負担が軽減されます。もちろん一般の車椅子ユーザーが使うような高額なクッションまでは一時的な利用では要らないものの、高額でなくても車椅子専用クッションがあるだけで喜ばれるにちがいありません。

大事なことはお客さまに対する「見える化」

貸出用の車椅子置場にクッションを置くのは盗まれやすくなる可能性が高いので、おすすめすることは出来ませんが、商業施設であればサービスカウンター・総合病院であれば受付・ホテルや旅館などではフロントなどでお貸しするサービスがあってもいいと思います。その際、重要なのは「必ずクッションについてPRしておくこと」です。クッションを利用する方が快適なことを言わないと、誰も気が付かないでしょう。さきほど述べたようにクッションの必要性が伝わっていない世の中ですので、きちんと伝えることで認識してもらえるはずです。

 

こういったことから貸出用の車椅子についても、ホームページなどできちんと「見える化」しておくことは必須項目です。バリアフリー化をお客さまに知っていただくことで利用価値が高まります。利用価値が高まることでお客さまへサービスレベルを向上していくことが望まれます。

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