車椅子利用者にとってトイレが優先されるバリアフリー

2018.05.27 (日)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。車椅子利用のお客さまが商業施設・飲食店レストランなどを利用する際の最優先ポイントは、「多目的(多機能)トイレ」の有無になるでしょう。他のバリアフリーの項目よりも最優先になってしまうのかご説明させていただきます。

滞在時間が短い業種にはトイレは求めていない

もちろん、ちょっとした時間だけの利用に限る場合は、トイレの有無は必要ないでしょう。例えば、洋服販売店に行ったときに、もしトイレがなくても、入口の段差がなく、通路幅がしっかりとれていれば入店することは可能になります。さらにクルマで移動する車椅子利用のお客さまにとって、専用の駐車スペースがあれば確実に使うことができます。なぜなら一般の人同様に、洋服販売店へ行ってトイレを利用することはありません。

 

どうしても我慢できないと感じたときには、トイレに行きたくなることはあるものの、トイレの必要性はあまり高くありません。そのためトイレがなければ利用することができないとは思わないものです。そういった点で具体的に考えると、滞在時間が確実に1時間未満であったら必要性はさほどないでしょう。そのため飲食店であっても、入ってから滞在時間が短い、立ち食いそばのようなお店においては、トイレの必要性は大きくないと思います。

 

商業施設や飲食店レストラン、また滞在時間が比較的長い業種においては、多目的トイレがあったほうが断然利用しやすくなります。しかも他に利用するところが少ないことから、長居するとなった場合は、どうしてもトイレの有無が利用するしないと決める判断基準になります。だから商業施設、ショッピングモールのような場所には、確実に多目的トイレがあるということから、利用されるお客さまが安心して行きやすいことにもつながっています。

トイレだけは他人のサポートが難しい

なぜそこまでトイレの有無が利用する判断材料となるかと言いますと、他のバリアフリーにおいては人の力で何とかなることが多いものです。例えば、段差が2段あったとします。車椅子では自力で2段を上がることはできません。しかし人が4人集まれば、みんなで盛り上げることは可能になります。(但し、電動車椅子の場合は重量があるので難しくなる)

 

通路においても固定された椅子でなければ、わざわざ奥のほうに入らなくても、車椅子で行ける一角を用意することも出来るでしょう。駐車場においても、お店側の配慮次第によっては、一般の2台分のスペースを用意すれば、来店できるかもしれませんし、それでも難しい場合は、駐車場に入庫する前に乗り換えてもらい、運転免許のある方が入庫してもらうこともできるわけです。

 

これこそ心のバリアフリーの一環です。しかしトイレを利用する際にサポートできるかというと、難しいものがあります。しかも障害者などは身体の麻痺している部分によって、自己導尿(カテーテルを利用した排尿)をしなければなりません。そうなるとさすがに人がサポートできません。だからこそトイレが最優先事項に挙がってしまいます。

 

もちろんトイレの改装においては、ショッピングモールにあるような誰でも利用できるトイレが、望ましいものではありますが、大幅な予算やスペースの確保ができないとできないものです。予算はいくらなのか?どういったお客さまがターゲットになるのか?などを考えた上で、専門家と話し合い、どういったトイレがお店において適切なのかを決める形がいいのではないかと思います。

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