車椅子での利用方法を知ることがトイレのバリアフリー

2018.06.30 (土)

あなたのお店の『バリア解消』請負人 バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。せっかくお店の中に多目的トイレを造ったつもりでも、当事者からすると「このトイレは車椅子で乗り移ることができない」と思われてしまう場合があります。そうならないためにも、多目的トイレを施工する際の最低限のポイントは、車椅子利用者がどのようにして車椅子から便器へ乗り移るかを知った上で取り掛かることです。もちろん予算やスペースの問題もありますが、せっかく造ったのに不人気のトイレになってしまうのはとても残念でなりません。そこでどういったトイレが残念なトイレなのかご説明しましょう。

車椅子から便器へ乗り移れないようなトイレもある

まず1つ目のケースは、トイレ全体が縦長になっているケースです。ドアの幅が80㎝くらいになっているのは、標準的な車椅子の幅60~65㎝前後なので問題ありませんが、そのまま縦長になっていると車椅子での方向転換ができません。入室することは可能ですが、左にも右にも向けないので、一度入室したら後ろ向きで退室しなければなりません。

 

後ろ向きで進んでも入口のドアの取っ手が背中にあるので、ドアを開けるのがかなり難しくなります。大概こういったトイレにも手すりはきちんと設置されていて、左右の手すりの幅は70㎝と通常のトイレにはなってしっかりしているものの、長方形になっているトイレなので、立位・歩行ができる人以外はほとんどの人が乗り移りできないでしょう。なぜならば通常の乗り移りは便器に対して、車椅子の角度が60度~90度(直角)で乗り移りするからです。

 

もし立位・歩行ができる場合は、車椅子から便器に乗り移る際に、立ち上がって身体を1回転できるなら可能かもしれません。また立位・歩行のできない人があえて乗り移るとすれば、便器を跨いで通常の逆向きで利用すれば乗り移ることはできるかもしれません。但し、スペースが狭いために介助の人の同伴はできないでしょう。

 

実際に横幅が120㎝未満のトイレにおいて、車椅子から乗り移り可能な多目的トイレを造ることは利用する側から考えると不適なトイレと言わざるを得ません。実際にこういったトイレがあることで「うちの店はバリアフリー」と名乗ることが、車椅子利用者が現地に行ってがっかりしたという声もよく聞きます。

スペースが狭ければ備品をコンパクトにする

2つ目のケースは、スペースが狭いにもかかわらず、洗面台がやたらと大きいケースです。洗面台が邪魔になってしまい車椅子で方向転換できないこともあります。もちろん大きい洗面台が使いやすいのは分かりますが、スペースが基準よりも狭い場合には、洗面台や便座(タンクレス)など備品そのものをコンパクトにしていくことも考える必要があります。

 

3つ目のケースは、スペースが狭いにもかかわらず、便器の方向が90度違うために車椅子で乗り移りできないケースもあります。イメージ的には入口を入ったら、便器が真横になっていて、乗り移りがかなり困難なケースです。これも立位・歩行ができる人であれば可能ですが、そうでなければかなりの腕力で乗り移るしかないでしょう。

 

4つ目のケースは、手すりが設置されていないトイレがあります。宿泊施設によく見かけますが、なぜか片方の手すりだけがなかったりします。便器に座っても手すりがないのはどうしてもバランスが悪くなったり、乗り移りの際に不安定になるでしょう。

車椅子利用者の行動を考えたトイレの施工が大事なポイント

こういったトラブルを防ぐためには、事前に車椅子利用者の行動を考えたトイレの施工が必要になります。もともとトイレの中に入って見たことがない人なので、知らないのは当然なことかもしれませんが、施工前に車椅子利用者からきちんと確認することをおすすめします。そうすることで最低限のスペースの確保であったり、備品をコンパクトにしたり工夫をすることで、使いやすく喜ばれるトイレになっていくでしょう。

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