災害訓練の中には車椅子などの避難誘導も考えておく

2018.06.21 (木)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。この度は、大阪北部地震で関西地区の交通状況がストップして大変な状況に陥りました。今まで発生していなかったからといっても、いつ突然起こるのかは予測できません。もし店舗等を運営しているのであれば、お客さま・従業員の安全・安心に気を配らなければなりません。そのため、常に意識しておかなければならないのが災害への取り組みです。その中でも特に災害時に弱者となりやすい障害者への対応も十分考えなければならないポイントです。

年2回の防災訓練をマンネリ化にならないことがポイント

サラリーマン時代において、人事総務課長をやっていたこともあり、消防署へ年2回の防災訓練(地震訓練・防火訓練)の計画の策定・訓練の実施を届けていました。また自分が店舗の防火管理者として、自衛消防隊組織図を作成して対応していました。年2回の防災訓練は、毎年実施しなければなりませんが、何度も実施してくるとマンネリ化となります。避難する従業員は、もちろん真剣にやってくださる方がいる一方で、災害が発生していないことから、何気なくのんびり避難する方も出てきます。

 

もちろん真剣に行動するようにと事前に訓練の重要性を発信しますが、さすがに各上長経由で全従業員となるとなかなか浸透しにくいものです。そのため課題を解決するには、もちろん従業員へ注意喚起をしていくことも重要ですが、それだけでは難しいと思います。人は実際にその状況に遭わない限り、意識は変えられないものです。そうなると計画の策定から見直す必要があります。ではどういった点において、計画を変えていく必要があるのでしょうか?

 

実際に災害が発生した場合は、防火扉が一気に閉まり、スムーズに避難することができません。いつも利用していた通路が行き止まりになったりします。また店内は真っ暗になり迷路状態になる場合もあります。そのためには、いつもとは違う避難ルートを通ってもらうとか、実際に訓練に参加する人の役割を決めるとか、計画時にいろいろなシナリオを作ることです。もちろん消防本部にお願いして、何か相談してどういった訓練をしたらいいのかを尋ねてみてもいいでしょう。自分たちが考える以上に、消防本部の方がノウハウをもっています。

障害者が入店されていることを想定した訓練も必要となる

また災害弱者となりやすい障害者を想定した訓練を考えてみるのもいいと思います。視覚障害、聴覚障害、下肢障害(車椅子利用)の人が入店していることを考えて、どうやって避難誘導していくのかを考えるシナリオをつくるのもおすすめです。 それでも実際にはシナリオを多く作ったとしても、地震・火事が発生した場合は、想定外のことが発生します。しかも訓練時にやっていなければ、実際の災害が発生した時には慌ててしまい、全く対応ができなくなってしまうでしょう。

 

大事なことは、想定外となるものを考えて、防災訓練時に試してみるのがマンネリ化にならないポイントです。今後は、車椅子利用のお客さまの人数も増えてくることが想定されます。災害が発生した際は、エレベーターが停止します。その際に、どう避難誘導するのかを普段から対応しておく必要があるでしょう。

 

また車椅子利用のお客さまに対しては、「JINRIKI」(車椅子けん引補助装置)をショッピングモールに数台準備しておくと避難時にはとても役立つでしょう。健常者が人力車のような形で車椅子ごと引っ張っていくと、スムーズに店舗の外にある避難場所へ行くことが可能になります。普段から工夫を重ねておくと、災害のときのトラブルは軽減できるにちがいありません。

 

※この写真で掲載しているのは、「JINRIKI」です。レジャーだけでなく避難用にも役に立ちます。

 

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