車椅子への試乗を通してバリアフリーか否かが見えてくる

2018.04.08 (日)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。普段、病院や大型商業施設にある貸出用の車椅子を乗ったことがある方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、車椅子利用者の目線を知る上では営業していないときに、車椅子へ乗ってみるのはいかがでしょうか?できれば車椅子を利用しているユーザーが指導者となって、車椅子に試乗してみるのをおすすめします。

車椅子利用者の目線を知ることが狙い

以前、ある企業の車椅子接遇セミナーに講師としてお手伝いさせていただいたときに感じたのは、今まで生きてきて車椅子に乗ったことがない方がいざ乗ってみると、意外にも車椅子利用者の視点でいろんなことが感じることでした。これはいろいろな意味でプラスになるものにちがいありません。

 

車椅子の試乗には注意点があります。車椅子ユーザーなどが不在の場所で行わないことです。普段乗り慣れていない人が車椅子を試乗すると、車椅子を漕ぐのにものすごく体力を使うはずです。それは車椅子ユーザーがある程度スムーズに動ける場所であっても、健常者の方は慣れていないためにスムーズに動けません。そこで「車椅子生活=難しい・大変」という気持ちが助長されてしまうと、より過剰な対応に変わってしまう可能性があります。

 

実際には車椅子ユーザーは普段から車椅子を利用しているので、ある程度のテクニックを持っていますので、慣れていない健常者のような漕ぎ方はしないでしょう。だからこそ、車椅子ユーザーの指導が必要になってきます。大事なポイントは、あくまでも車椅子利用者の目線を知ることです。どの高さだとテーブルが利用できないとかを知っていただくことです。それにより工夫というものが生まれます。今までは健常者の立場から車椅子利用者のサポートをするという形が、車椅子利用者の目線を体験することで、今後のサポートの仕方が変わってくることだと思います。

 

今までに大病を患ったり、大けがをしたりして入院をされた経験のある方は、車椅子に乗ったことがあると思いますが、60歳くらいまでの方でそのような経験をしている人は思った以上に少ないと思います。今回のセミナーに参加された50名ほどの方々の中でも、車椅子に乗ったことがある方は10名程度だったと思います。ほとんどが車椅子を利用している方の目線からの景色は全く分からなかったので、とても効果のあるセミナーになりました。

企業の現場で自分たちの目で確認することで世界が良く見える

セミナーの内容は、とりあえず車椅子に乗ってみて簡単な操作方法を体験していただくことと車椅子でお客さまが利用する場所を体験していただくことでした。実際にお客さまが利用する場所については、今まで気が付かなかった机の高さや通路幅について、「こうした方がいいよね」とかいろいろなアイディアが出てきました。やはり実際に車椅子に乗ってみることによって、頭の中で考えるのではなくて、体験することによってわかることが多いように思えました。2時間という短いセミナーでしたが、セミナーの終了後には受講された方々の車椅子利用者における考え方がものすごく変わってきていらっしゃることでした。まさにセミナーの力ですね。

 

今後は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた社会情勢のニーズと超高齢化社会におけるニーズからもっと多くの方々が、このようなセミナーに参加されることを通して、車椅子目線とはどういうものなのか?を体験されることを願っております。それによって私の理念でもある「車椅子でも生活しやすい環境を創っていくこと」ができると思っております。多くの企業に賛同していただけることで、車椅子利用者におけるバリアフリーが広がっていくことを願っております。

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