車椅子ユーザーにとって通路幅の確保は働きやすさにつながる

2017.10.27 (金)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子を利用していると物理的バリアの中で4つのバリアに遭遇します。「トイレのバリア」「駐車場のバリア」「通路幅のバリア」「段差のバリア」です。4つのバリア以外にも物理的バリアはありますが、私としてはこの4つのバリアがクリアしないと就労に影響すると思っています。車椅子ユーザーにとって少しでも働きやすい職場環境になっていくことが望まれます。今回は「通路幅のバリア」について説明します。

車椅子の幅は最低でも60㎝前後

自走用の車椅子の座面は32~42㎝が主流になります。そのため両輪を足すことで横幅は60㎝前後になります。つまり60㎝の幅のない通路は全く通れないということになります。しかもギリギリの幅では走行しやすい環境とはいえません。スムーズに事務所内を出入りするには、90㎝あたりの幅をとれるといいでしょう。

 

よくある職場の光景では、車椅子の通る幅を確保していないケースが多くみられます。まず大きな理由は場所を確保できないこと。机や椅子が多いので車椅子ユーザーが通るだけのスペースを確保できない場合があります。私が感じていたのは事務所には、必要以上に机や椅子があることが多いです。活用されていない机と椅子がなぜかあるケースです。まず机と椅子を処分した方が快適な空間が作れます。

 

その他では事務所内を通るたびに「すみません、後ろを通りたいのでお願いします」とわざわざ言わなければならないケースです。座っている人が立たなければならなかったり、椅子を引かなければならないようなことは作業効率を下げるばかりでなく、人とのコミュニケーションにもトラブルを生じます。

職場環境の整備は必須のポイント

何度も立たたなければならないと人は面倒だと思うものです。人によっては「うるせえな」「邪魔なんだよ」と失礼な言葉まで吐く始末につながってしまいます。通るたびに車椅子ユーザーが辛い思いをしなければなりません。わざわざコミュニケーションを壊すための職場環境を作っていると言わざるを得ません。

 

こういったことが起こらないための職場環境の整備が必要です。だからこそスムーズに車椅子が通れるようにスペースの確保が必要です。移動が少なくても仕事がうまくはかどるような仕組みを作ることです。頻繁に使用するものは机のそばに置いておくなどの工夫があると助かります。

 

また普段から不要なものは捨てるクセを身に着けておくことです。よくあるのがダンボールの放置です。事業所内は必ず書類がたまります。どこに片付ける必要があるかいろいろと考えながら面倒臭くなると、平気で通路付近に放置してしまうことがあります。そうなると車椅子ユーザーの通る通路は妨げてしまいます。

通路幅を確保することは誰でも使いやすい

大事なことは、事業所全体で車椅子ユーザーが働く環境をきちんと周知・徹底しておくことです。お互いが理解することで働きやすい環境が作れて、車椅子ユーザーだけでなくても一般の従業員にとっても通路幅がきちんと確保されている職場は気分がいいものです。

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