障害の部位・レベルに応じたバリアフリーを伝えることの大切さ

2018.06.20 (水)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。最近、あるサイトで宿泊施設を紹介しているページを見ることがありました。そのサイトではバリアフリーの宿泊施設を多く紹介していたのですが、バリアフリーがそのサイトの運営者の基準によるもので、当事者には受け入れられにくいものになっていました。ではどういった点を改善できれば、使いやすいサイトになるかを考えてみたいと思います。

バリアフリーに基準がないから曖昧なものがある

例えば、「段差は15㎝あるだけであとはバリアフリーです」といった表記がほとんどでした。私がこのサイトを見る限りは、「段差がなければバリアフリー」というように運営者は考えているのだろうと判断しました。そのためトイレなども一般用のトイレになっており、入口は引き戸でサイズは車椅子で入れるだけのスペースは全くないために、立位・歩行ができる人で、手すりの必要のない人しか利用できないものでした。

 

さらに「段差15㎝あるだけで」というのは、そこにバリアがある以上は利用することは難しいために、バリアフリーという表記を使うのは相応しくありません。つまりバリアフリーには全く関係ない人が利用する単なる広いだけの部屋にすぎないといったことになるでしょう。

 

私がバリアフリーの活動をするきっかけになったのも、単なる広いだけの部屋で、トイレ・バスルームには段差があり、ドアの広さも車椅子で入れるものではなかったにもかかわらず、宿泊施設側はバリアフリーとしていました。未だにそのような考えでバリアフリーを紹介していることにビックリしました。

手すりがないトイレでもバリアフリーにされている

最近でも宿泊したホテルにおいて、入口には1㎝の段差(ここは段差でもほぼ問題ないが段差が生じているのが気になる点)、トイレには手すりがなく単なる広いだけ、風呂はデザイン的に凝っていて、浴槽は陶器でつくられたようなおわん型になっており、手すりは一切ありませんでした。これでも大手サイトではバリアフリーで検索できる宿泊施設になっておりました。

 

つまりはどんな方が利用するときに何が必要かをきちんと把握しておかないとトラブルの原因になるでしょう。段差は15㎝ある宿泊施設は、残念ながらある程度健常者に近いレベルでなければ、利用できないためにバリアフリーの部類に入れること自体が相応しくないと思います。

 

トイレや風呂に手すりがないホテルは、車椅子でも立位・歩行ができる方である程度状態のいい方であれば利用可能だと思います。また車椅子利用ではない方にとっても、利用できるホテルではないかと思います。そう考えたときにお客さまに知っていただくポイントは、障害の部位やレベルに応じて利用できるのかどうかを明確にする材料を提示することではないでしょうか?

当事者自身が見て判断できることが大事なポイント

そのためにはまず情報の見える化が大事なポイントです。障害のある当事者自身が画像や動画を見て、自分にとっては利用できるかどうかを判断してもらうことです。さらに今後は、障害の部位やレベルに応じて案内ができるような仕組みが必要ではないかと思います。

 

最近知ったオープンゲートというサイトは、障害の部位やレベルに応じて当事者が閲覧・判断できるものになっていて、とても便利になっています。さすがに一般的には障害者とか車椅子に乗っているからと同じ見方をされる方もいらっしゃいますが、障害の部位やレベルによっては全く違うものです。

 

私においては胸椎5番の損傷(心臓の近くにある背骨)なので下肢(足)の機能がありません。しかし頸椎損傷だと上肢(手や腕)の機能が難しくなりますので、同じように見える車椅子生活者であっても生活スタイルは大きく変わってくるでしょう。そういったことに対応できるサイトが今後進化していくことで、自分には何が合うかどうかを知っていくことで便利になっていくにちがいありません。

 

☆オープンゲートホームページはこちら

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