職場のバリアフリー

現在は障害者雇用促進法という法律の中で、従業員数の多い企業においては障害者の雇用を義務付けられております。民間企業においての法定雇用率は2.0%以上になります。つまり50人以上の従業員のいる企業においては、1人の障害者を雇用しなければなりません。

 

約半数の企業が法定雇用率の未達という状態です。2.0%未達の企業においては、不足人数1人につき毎月5万円の納付金を支払うというペナルティが課されます。逆に2.0%以上の企業については、2.0%を超えた人数につき月に2万7千円の調整金をもらえるといった形になっております。

 

残念ながら売り手市場という人材不足が続く中で、障害者の雇用が進んでいない現状が見受けられます。その理由としては、いくつかの理由が挙げられております。(厚生労働省の「障害者雇用実態調査」(5年に1度))

 

主な理由としましては、「社内に適当な仕事がない」「職場の安全性の配慮が適切にできない」「採用時に適正能力を十分に把握していない」などが企業からの回答となっております。

職場におけるコミュニケーションの必要性

その根底になっているのは、障害者とふれあう機会が少ない点です。冒頭に記載したように、社内に障がい者がいても気が付かない現実があるくらいコミュニケーションとしてうまくいっていないことが考えられます。

 

逆を言えば、障害者とのコミュニケーションができれば十分雇用ができると思います。私は車椅子ユーザーとして見ておりますが、車椅子を利用している人と話したことがないという声を多く聞きます。ご家族や友人に車椅子利用者がいないとなかなか話す機会がないのかもしれません。

 

小学校からの学校生活の中で車椅子を利用している人はいなかったと思います。エレベーターも設置されていないバリアの環境の中では、一般の学校に通っている障害者は皆無だったと思います。しかし世の中には車椅子を利用している方は多く見られます。

 

もちろん高齢になって車椅子利用を余儀なくされている方もいますが、交通事故や病気で車椅子生活になってしまった後天性の方々も多くいらっしゃいます。私もその中の1人です。そういった方々とまずは話す機会を作ることから始めてみることです。

 

実際に話すと特別な印象はないはずです。そうなればなかなか障害者を雇用するのをためらっていた企業にとっても、前向きに考えれば人材不足の中で十分活かせると思います。

採用面接で必要なポイントは活躍できる人材に育つかどうか

車椅子ユーザーの友人に聞くと、企業が障害者を選考する際に、どうしても手段についてクローズアップしてしまう傾向があるようです。1人で通勤することが可能かどうか・社内でジャンパーに着替えをすることができるか・公共交通機関を利用した通勤が可能かどうかなど。

 

もちろん、選考する際には確認する事項としては仕方がないのかもしれませんが、どうしてもネガティブな部分だけが取りざたされているようにも思えます。重要なのは、採用したら活躍できる人材に育つかどうかだと思います。

 

企業における障害者雇用については、いくつかのパターンに分類できると思いました。そこには、企業にとって障害者雇用における法定雇用率の達成については、課題が多いという点です。1つ目のケースは、障害者雇用に対して法定雇用率の未達の企業です。つまり未達のためペナルティを毎月支払わなければならない企業です。

 

1人当たり未達であれば月5万円のペナルティになるといわれております。これは企業の負担が大きいと思わざるを得ません。会社によっては、障害者の採用するためのノウハウがない可能性があります。どうやって接したらいいのかなどに悩んでいます。

 

逆に言えば、組織がノウハウを習得することができたら、採用しても活躍できる人材に育てることが可能であると思います。2つ目のケースは、障害者雇用に対して法定雇用率は達成しているものの、雇用はしているが仕事の中身に悩んでいる企業です。

 

そのため、障害者は入社しても暇になってしまうケースがあります。雇用しているのでペナルティの対象ではありませんが、障害者側がやる気があっても仕事がないというのは、仕事に対してモチベーションが高まらないという報告をよく聞きます。

 

やはり採用しているからこそ、障害者が活躍できるステージに立てるような職場環境を創る必要がありますし、それゆえに企業側にとっても活躍していただければ人件費というコストに見合った価値が見いだせるのではないでしょうか?

残存機能を活かせば「できない」が「できる」に変わる

最近では障害者の雇用が積極的に行われてきておりますが、残念ながら退職される方も後を絶たないと聞いております。その理由はいったいなぜなのでしょうか?世間では新入社員の離職率がクローズアップされていて、1年・3年以内に人数がどれくらいいるのかによって、企業の居心地などを図っているケースがあります。

 

学校を卒業後、社会人になってこれからいざ頑張ろうとワクワクした思いでスタートをしたら、企業にいざ入社してみると現実とは違った世界に幻滅してしまうことがよくあります。障害者においても同様なケースが起きております。

 

なぜならば障害者の退職理由の大きな部分を占めているのが、「賃金や労働条件に不満」「職場の雰囲気や人間関係」「仕事の内容が合わない」「会社の配慮が不十分」といったのはトップランクです。

 

障害者枠で入社したから賃金はそのままという理由をよく聞きます。企業としては活躍できるステージが作られておらず、いつまで経っても昇給はなし、役職も上がらないなどの不満をよく聞きます。

 

一般の健常者と同じように、障害者であっても頑張ればチャンスがあると思って入社しても、「あなたは障害者だから○○」というだけでチャンスが与えられないのはものすごく残念です。そういったケースを避けるために、障害者枠に応募するのではなく、あえて一般枠に応募する障がい者の方も増えております。

 

せっかく入社したのだから活躍したい気持ちの表れです。一般枠なら頑張ればチャンスを与えてくれるはずだという切なる願いです。でも残念ながらその希望にこたえてくれないという声もあります。何とかして企業に貢献して自分の能力を発揮したいと思っていても、企業としては応えようとしていないのは、とてももったいないと思っております。

 

最近ではその実態をさらに避けるために、自分自身の能力に応じて判断してくれる士業を目指す障害者も増えています。公認会計士・税理士・社会保険労務士などです。そうなれば自分の能力を発揮すれば、それに見合った報酬を手に入れることができると考えるそうです。

 

このような気持ちを企業の方々はご存知でしょうか?「障害者だから○○」というバイアスで決めつけていませんか?せっかく採用をしたのであれば、企業の中で活躍できる人材に育てることが、企業にとっては大きな貢献につながります。能力をもった方々はたくさんいるはずです。

 

その芽をつぶしてはいませんか?志の高い方をダメにするのはもったいないとしか言いようがありません。今こそ活躍できる人材が埋もれたままになっているのを掘り起こしてみてはいかがでしょうか?

障害者の立場にたって考えることが職場の環境を変える

障害者を雇うということは、何に困っているかを本人からきちんと聞く必要があります。実際に何も聞かないでいると、障害者本人がとても使いづらいと思っているケースがあっても我慢していることが多くあります。

 

そのためには、相手の立場にたった職場環境の構築が必要となります。なぜなら、障害者が勤務するということは、トイレだけでなく、駐車場・通路・机の高さ・エレベーター・引き出しなどのハード面やその方が持っている病気や体調などを理解してほしいのです。

 

働きやすさを解消しないと、効率の悪い仕事場になったり、ストレスの感じる仕事場になる場合も出てきます。逆を言えば、一つ一つの問題を解消すれば、一般の健常者にとっても働きやすい職場となり、効率のアップが可能になります。

 

チームも盛り上がることで、従業員満足につながります。私自身は昇格した後に、とにかく効率のいい職場環境を自分自身で作りました。引き出し一つとってもすぐとれる場所に変えました。なるべく移動しないでできるようにすることで大幅に時間のムダを削減しました。

 

私が車椅子ユーザーとして復帰したときに大変だったのは、机の高さでした。一般的な事務用机のサイズは、車椅子に乗ったままではどうしても膝が当たる高さとなっておりました。当時、関東本部の人事課長が私のためにパソコン用机を用意してくれました。本当にありがたかったです。

 

この配慮がなければ、毎日の仕事でパソコンで入力する際に、辛い体勢のままやらざるを得ませんでした。そうなれば仕事の効率が低下するばかりか、パソコンを入力する姿勢にも無理が生じます。人事課長と話をする機会があって、「困っていることはありませんか?」と質問をして下さった事で実現しました。

 

私はこのパソコン机を導入していただき、パソコン入力がとてもスムーズになりました。机は5万円前後したと思いますが、私の人件費におけるパフォーマンスを考えた場合、その5万円は仕事の効率ですぐに取り戻すことができました。

 

ここで重要なのは、障害者の採用において「健常者には分からない障害者の不具合をヒアリングすること」です。そのためには、日ごろのコミュニケーションをとっておく必要があるということです。

 

よくある話では、障害者の採用をしてもその後は全く会話がないという状況も起きているようです。その部分に耐えられなくて、障害者の退職理由の1つに挙がっていることも確かです。

 

直接のコミュニケーションだけでなく、会社では毎月実施している安全衛生委員会などで従業員の職場環境について取り上げてみるのもいいのではないでしょうか?コスト面で改善するのは難しい部分もあると思いますが、まずは声を聞くところから職場環境を改善できると思います。

能力を持った方々が埋もれたままではありませんか?

このような気持ちを企業の方々はご存知でしょうか?「障害者だから○○」というバイアスで決めつけていませんか?せっかく採用をしたのであれば、企業の中で活躍できる人材に育てることが、企業にとっては大きな貢献につながります。

 

職場における環境においては、どうしてもマイナス部分に目がいく傾向が多いです。そうすることによって「あの人は仕事ができない」と決めつけてしまいがちです。特に障害者の場合は、そう思われてしまうケースが多々あります。

 

本人のやる気と企業側の働きやすい職場環境の構築や教育プログラムがしっかり整備されれば、障害者であっても賃金や待遇面のアップだけでなく、役職の任命などが可能になると思っております。

 

そのために重要なことは、とにかく人と人とのコミュニケーションです。相手に確認しなければ分からないものはたくさんあります。働いている人は意思を持っています。上司は部下の意思を聞いてあげることで、チームビルディングを作っていくための情報づくりになると思います。

 

健常者であろうと障害者であろうと人件費がかかるものです。せっかく雇っているならば企業に貢献してもらうためのステージづくりは欠かさないものです。そのためには本人の意思を確認し続けることで、能力発揮の糸口がみつかるのではないでしょうか?

 

残念なことにまだまだ多くの職場は、働いている障害者と対話をしていないケースが多いと言われております。気軽に障害者の方の声を聴いてあげることで本音を知り、職場環境におけるコミュニケーションをとることで、障害者の方にも活躍できるステージが創れると思っています。そして所属しているチームもきっと盛り上がっていくと思っております。

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