新幹線を気軽に乗れない車椅子ユーザー事情

2017.10.26 (木)

Contents

車椅子ライフデザイナーのまおうです。今回はJRのチケット購入についてです。来月大阪に行く予定があるために、約1ヶ月前に新幹線のチケットを購入しようとみどりの窓口に行きました。しかし待ち時間40分(受付対応時間25分)でチケットを購入することができませんでした。やはり新幹線のチケットの購入においては、毎回思ったようにいかないのが現状です。

新幹線のチケット購入は毎回簡単にはいかない

今回は、10月6日(木)18時40分にJR○○駅(JR東日本管内)のみどりの窓口にて東京~新大阪間の新幹線の往復チケット(11月2日【往路】・4日【復路】)を購入するために列へ並びました。待っている間に、女性の従業員の方が丁寧な応対で、私の乗車希望の新幹線の第1~3候補の電車を伺ってくださいました。

 

18時55分になってついに私の番となりました。窓口では男性の方が対応されたのですが、19時20分になって「まだ時間がかかりますが待てますか?」とおっしゃったのですが、見通しを知りたいこともあり「あとどれくらいかかりますか?」と私が逆に質問しました。その回答は「分かりません。大阪方面に乗る(車椅子)の方が多いのです。」私には用事があったために、さらに待つことができなかったのでその場を去ることになりました。残念だったのは、申し訳なさそうな対応もありませんでした。

 

問題なのは、25分かかってもチケットを購入できなかった点です。その間、受付を担当していた男性の従業員から25分間において何の質問もなく、端末のPCに向かって淡々作業をしている様子でした。時には私がどのような車椅子を乗っているのかを確認するために、窓口からのぞき込むような形で確認していました。手動車椅子か否かを質問すればいいだけなのに、のぞき込むような視線はとても嫌なものでした。せっかく女性の従業員の方の対応が良かっただけにとても残念な思いがしました。

 

私は手動車椅子利用者であることと、車椅子ユーザーが利用できる11号車をお願いしたことの2点だけですが、これだけでチケット購入が難しいとなると今後もみどりの窓口を気軽に利用することができるか不安になります。どれだけ時間がかかるのか全く読めない状況です。

 

さらに気になる点は、並んでいる方からの視線が辛かったことです。窓口が2つあったのでまだ良かったですものの、もし窓口が1つしかない駅であった場合は、私の後ろに並んでいる方は全く買うことができないということです。ある程度、大型の駅でない場合は窓口が1つしかありません。

みどりの窓口の対応についてJR東日本へ直接聞いてみた

このような状況は過去にも何度も起きていることもあって、航空会社のように身障者の座席予約がネット予約できるものなのか?またお体不自由デスクなどがあるのかお聴きしたいと思って、JR東日本側に申し出をしましたところ、下記のような回答が返ってきました。

 

「このたびはご不便をおかけし誠に申し訳ございません。弊社では、全国の新幹線および特急列車の指定席券をお申込いただける「えきねっと」JR券申込サービスをご提供しておりますが、車いすをご利用の場合は、車椅子の形状やご利用の駅、付き添いの方の有無等、個別に確認させていただく事柄があることや、乗降駅でお客さまが安全にご利用いただけるように係員対応の確認をする必要があることから、「えきねっと」でのお取扱いをしておりません。このたび頂戴いたしましたご意見につきましては、今後のサービス向上の参考とさせていただきますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。」

 

回答を頂けてありがたかったですが、残念ながら現時点ではみどりの窓口での対応1本になると思われます。そうなると混雑していない曜日や時間帯での予約でなければ難しいでしょう。まだまだ障害者がチケットを購入する対応は難しいものと思われます。

車椅子ユーザーにとっては新幹線より飛行機の方が使いやすい

車椅子ユーザーについて詳しいA氏によると、「車椅子ユーザーの場合は、東京から大阪まで行く際、手続き等に面倒な新幹線を利用するよりも飛行機を利用する方が多くなっています。なぜなら(東海道山陽)新幹線は11号車の2枠しか車椅子ユーザーのためのスペースがないこともあって、トータル的に考えると飛行機の方が利用しやすい環境になっています。」

 

実際に車椅子ユーザーが利用できる11号車をお願いしても、11号車はすでに埋まっていますので別の号車でお願いしますと言われることもよくあります。別の号車の場合、車椅子から座席への乗り移りができません。そのため、せっかく指定席を予約しても結局利用できないために、一か八かで車掌さんにお願いして多目的室が空いているかどうかを確認して利用するのか、トイレの前の通路で目的地まで我慢するのか2つの選択肢しかありません。

 

鉄道会社の対応そのものには、ものすごく丁寧かつ迅速な対応がされていていつも感謝の念しかありません。しかしチケット購入の手続きとなると、感じのよい対応にはならないことがほとんどです。私の見解からすると、いろいろなチケットを兼ねているために、他の業務と合わせて障害者対応までを一括にして対応するところが難しいのではないでしょうか?

航空会社のような専用窓口があった方が気軽に利用できる

私も前職にいた頃は、いろいろなセール情報や割引情報がものすごくあり、情報を収集するのがものすごく大変だった経験があります。システムのネットワークで簡単にできるのであれば問題ありませんが、実際はマンパワーで行うものがほとんどです。従業員の知識がパンクになる可能性もある位、情報量が多くなっています。その影響がお客さまへのサービス低下につながってしまうことがあるからです。

 

そういったことを踏まえると、全ての窓口で対応して下さる姿勢は嬉しいものの、現実に情報量がパンクしていると言わざるを得ません。航空会社のようにネットで購入した際にお体不自由デスクのような専用窓口で細かく状況を確認したりすることや、全てのみどりの窓口ではなく専門の担当者が常駐している窓口で対応するなどの措置が必要な時期にきているのではないかと思います。

関連する投稿

▼シェアをお願い致します!▼

現在の記事: 新幹線を気軽に乗れない車椅子ユーザー事情

お問い合わせ・ご相談はこちら

フォームからのお問い合わせ

お問い合わせフォーム »


おすすめのバリア解消コラム

コラムテーマ一覧

過去のコラム


⇑ PAGE TOP