駐車場のおけるバリアフリーのためには発想の転換が必要

2017.08.10 (木)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。よくある駐車場事情についてお伝えします。車椅子ユーザー側・駐車場を管理する側・そして一般の方々にも知っておいてほしい内容です。

24時間利用できる駐車場でも車椅子ユーザーには注意点がある

例えば24時間利用できる駐車場だとします。もちろん24時間利用できると思って利用するはずです。そのため、夜まで懇親会などでいろいろな方とお話しても安心して楽しめますね。ところがここに危険がはらんでいるんです。どうしてでしょうか?

 

これは健常者には大丈夫なのですが、車椅子ユーザーにとっては場所によってダメな場合があります。それは地上又は地下に行くエレベーターの利用時間が24時間ではない場合があるのです。「えっ!24時間営業じゃないの?」と思いがちですが、そういう事情にはなっていないことが多くあります。

 

この場合、どうなるのか?気になりますよね。駐車場に戻る選択肢が無くなります。つまり自宅には帰れないんです。「そんなバカなことがあるの?」と思いがちですが、私は2度経験したことがあります。私の場合はなんとか幸いにも人の協力を得て駐車場に戻ることができました。

名目上は大概「防犯上」でも実際には従業員の退社時間だからでは?

名目的には「防犯上のため駐車場のエレベーターの利用時間は○○の通りです」ということですが、想定するには「係員の方が退社するため」だと思います。民間の企業ならまだしも、こういったことが起きているのは公共の都営や市営の駐車場です。

 

こういった場合に連絡すると「エレベーターが止まっていますけど動かしてもらうことはできませんか?」→「すでに利用時間が過ぎているのでできません」→「このままだと帰ることができませんが何とかなりませんか?」→「エレベーターの利用時間以内に戻ってきてもらわないとダメなんです」そして「センサーがかかっているからどうにもなりません」「担当者が帰っているのでどうにもなりません」という返事です。

 

事前にエレベーターの利用時間を確認しなかったからダメではないか?というポイントも出てくると思いますが。24時間営業となっているのにエレベーターだけが24時間営業ではないということに気がつきにくいのが現状です。

障害者差別解消法の合理的配慮に欠ける可能性もある

そうなると階段を使えない車椅子ユーザーは「24時間の利用について制限する」と言っているように感じてしまいます。これは障害者差別解消法の合理的配慮にも欠けている状態になります。しかも公共施設であれば法的手段にも抵触する可能性があります。

 

ここでのポイントは「車椅子ユーザーだから24時間利用しない」と決めつけてしまっている既成概念に問題があると思っています。もしかしたら夜まで会社の懇親会などで過ごしている車椅子ユーザーを想定できないのかもしれません。こんな夜遅くに車椅子ユーザーが外を出歩くことはないと思っているのでしょう。

社会が障害を作っていることに気がついてほしいから発想の転換が必要

そういった行為が、障害者の行動を妨げていることに繋げていて、まさしく社会が障害を作っていることにほかなりません。車椅子ユーザーである私の視点からすると、夜利用できないからこの駐車場を利用できないと思ってしまいます。もし夜利用できるのであれば駐車場を利用する人が出てくることも考えられます。

 

これは店舗経営なども同様です。お店に高齢や障害のある車椅子ユーザーが来ない理由は、バリアがあるから選ばれないと考える必要があります。目の前に大きな段差などがあれば、物理的に利用できないものです。大事なのは発想の転換です。バリアが取り除かれることによって利用価値が生まれるのだと思っております。そういったことが解決されれば、現状利用できるところが少ない中で「選ばれる」ことにつながるはずです。そして車椅子ユーザーの行動範囲も広がっていります。ぜひともそうあってほしいものです。

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