心のバリア解消
設備だけでは不十分
──「心のバリア解消」こそが鍵
バリアフリー設備が整っていることは、車椅子利用者にとって大前提です。
しかし、特に商業施設などお客さま対応が求められる場面では、それだけでは十分とは言えません。
大切なのは、設備の先にある「お客さま満足」です。
それを実現するためには、サービスの質そのものを高める取り組みが不可欠です。
なぜ「お客さま満足」が重要なのか?
ある宿泊施設で、バリアフリー設備が充実していると聞き、期待して訪れたことがありました。
確かにハード面は申し分なかったのですが、それ以外のサービスには残念ながら満足できませんでした。
せっかく整備されているのに、従業員の接遇対応が不十分だったことで、「また利用したい」とは思えなかったのです。
問題は一人の従業員ではなく、施設全体に接遇への意識が感じられなかったことにありました。
「これは従業員教育が行き届いていないのでは?」
そう感じたことが、まさに大きな課題です。
お客さま満足を高めるには、全スタッフが一定レベル以上の応対スキルを身につけることが欠かせません。
そのためにも、従業員一人ひとりがバリアフリーに対する意識を高め、モチベーションを持って取り組める環境づくりが必要です。
リーダーの役割が鍵
新たな取り組みには、誰しも不安や抵抗を感じるものです。
だからこそ、現場を導くリーダーの存在が不可欠になります。
チームを鼓舞し、「チャレンジする職場風土」をつくり出すこと。
それがバリアフリー推進の第一歩です。
ES(従業員満足)なくして、CS(お客さま満足)なし
まず取り組むべきは、従業員の働きやすい職場づくりです。
チームミーティングなどを通してアイデアを出し合い、
車椅子利用者への具体的な接遇ノウハウを学ぶことで、チーム全体のサービス力が向上していきます。
結果として、どのスタッフも同じレベルで応対できるようになり、
多様なお客さまのニーズに応えられる体制が整っていきます。
こうした取り組みこそが、「心のバリア」を解消するソフト面のバリアフリーです。
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