カラオケシダックスから学ぶ車椅子のバリアフリー化

2018.05.03 (木)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。私が車椅子生活になった20年前には、全くと言っていいほどバリアフリー化されたエンターテイメント施設はありませんでした。そんな状況の中で、チェーン店がエンターテイメント分野で仕掛けたバリアフリー化のパイオニアはカラオケシダックスではないでしょうか?

エンタテイメントのチェーン店バリアフリー化の元祖


今では少しずつエンターテイメントのバリアフリー化は徐々に進んできています。といっても大型商業施設(ショッピングモールなど)に入居するカタチのエンターテイメントが増えた分だけ車椅子利用者でも気軽に行けるようになったのかもしれません。ショッピングモールの中には、映画館・カラオケ・ゲームなど誰でも楽しめるように造られております。

 

しかし路面店のバリアフリー化を考えますと、まだまだ厳しい部分があります。そんな状況の中で他社よりも一早くバリアフリー化を進めたのが、カラオケシダックスでした。歴史を振り返りますと、1980年代後半からカラオケが徐々に流行り出しました。当時は電話ボックスのような場所でコインを投入して歌っていましたが、90年代前半からはワンルームに変わり、コインを投入せず部屋代を払う現在のスタイルになっています。

 

当時の私は車椅子生活ではありませんでしたので、どこの地域に行ってもカラオケを気軽に楽しめていました。ところが24歳のときに、車椅子生活になると一変しました。ほとんどの店舗が段差のある施設ばかりで、近隣にカラオケ店がたくさんあっても全て利用できなかったことを覚えています。そのため会社の送別会などでカラオケに行くことになっても、自分だけは対象外になってしまい、他の人と同じように楽しみたいという辛さがありました。

カラオケならばシダックスに行こうとなる


しばらくすると私が住んでいる守谷市にカラオケシダックスができることになり、多目的トイレも設置されたバリアフリー化となっていました。このお店ができたことで、私にとって幸せを感じるくらいの喜びでした。前述のとおり、今までは会社の仲間と一緒に行くことのできなかったカラオケを、毎回気軽に行けようになりました。

 

もちろん会社の仲間は、私がいるならば「カラオケシダックスにしよう」と言ってくれていました。そうなると一気に10名、場合によっては30名の大宴会のような賑わいになりました。お店にとってもびっくりするほどの人数だったと思います。これがまさにバリアフリー化効果であるといっても過言ではないでしょう。

 

間違いなく企業にとって収益につながりますし、「車椅子利用者がいるならばカラオケシダックスに行こう」という合言葉になるような強さになります。最近のカラオケシダックスは、カラオケ事業の競合他社が多い中で、苦戦されている情報もよく耳にしますが、今後は超高齢化社会においてバリアフリー化にしていることが他店に対する大きな差別化につながるのではないでしょうか?

超高齢化社会の今、歳をとってもできる楽しさを提供できる

残念ながらエンターテイメントにおける車椅子の利用しやすい環境は、まだまだごく一部です。だからこそ差別化を図る意味にもビジネスチャンスになるような気がします。年齢がいったからカラオケはしない・ボウリングはしない・ゴルフはしないのではありません。そういった環境が少ないからできないと考えてみることが、更なるアイディアが湧き、幅広い年齢に喜ばれるお店になっていくと思っております。

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