交通事故に遭ってからリハビリを通して車椅子ユーザーとして社会復帰するまでの道のり(プロローグ)
2016年現在、障害者数は700万人。その中で約400万人が身体障害者です。その中に私のような脊髄損傷者がおります。年々交通事故の減少に伴い、脊髄損傷者の数は減少傾向にあります。それでも現時点で交通事故もしくはその他の事故(スキー事故・ラグビー事故・飛び込み事故など)は発生し続けております。
脊髄損傷後に病院へ入院してから社会に復帰するまでの期間において、私の場合は約1年3ヶ月がかかりました。約20年前の事になりますが、1996年9月1日に交通事故に遭い、退院できたのは翌年の9月末でした。そして企業へ復職できたのは11月21日でした。これでも他の受傷者よりも早い復帰といわれた位です。
実際に交通事故で脊髄損傷になったときには絶望感がありました。相手の運転手を恨む、今後生きていく価値があるのか、将来楽しい人生にならないのではないかとか・・・。でもそうやって考えて生きていくのはプラスにはならないんです。残念ながら過去は変えられないんです。
だからといって不幸を背負って生きていくのはつまらないと思いませんか?視点は未来に変えなければなりません。当然、自分の障害については治療が可能かどうかは分かりません。私の場合は一生治らないと医師から宣告されました。しかし、発明・発見における進歩は目まぐるしく変わってきております。
当時は無理だと言われたことでも京都大学の山中教授によるiPS細胞の発見や脊髄損傷トレーニングジム(J-WORKOUT)などにより一生治らないという状況ではなくなってきております。つまり、未来は変わる可能性があるんです!
そのためには車椅子生活になっても夢を持ち、治る日まで気持ちを充電し続けることと、日常の生活に慣れていくこと、車椅子生活になっても楽しいライフスタイルがあることを信じていかなければなりません。
もし不慮の事故により脊髄損傷になっているとしたら、どのようなリハビリを送り、どのような生活をしていくことで、どのような楽しいライフスタイルになるか私の20年余りの実体験に基づき、コラムにてイラストなどを交えてご紹介していきたいと思っております。少しでも心の部分でお役に立てればうれしいと思っております。
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