障害者雇用においても活躍できるステージはある
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。今回ご紹介するのは私が21年間勤めた企業においての経験です。あくまでも障害のレベルの違いがあるので、参考にならない場合もありますが、モチベーションアップにお役に立てればと思います。
車椅子の私は、胸椎5番の損傷をしており、胸から下が麻痺をしているので、腹筋・背筋機能はほとんどありません。但し、手や腕に関しては自由に動かすことができる状態です。
ハンディキャップのある業務はいくつもある
総合スーパーの後方部門(売場ではない部門)に所属していました。いろいろな仕事がある中で、一般の健常者の方と違って肉体的に「できない」「できる」業務に分かれます。仕事の中では、バリアの多い職種かもしれません。
まずは「できない」業務です。レジ応援・荷物を運ぶ・商品の品出しなどはできない業務になります。ここで「できない」というのは、ゆっくりやれば何とかできるようなものも実践的でないとして「できない」の部類に入れています。
例えば、お店では混雑するとレジ担当者以外の人もレジの応援に駆け付けます。ところがレジ応援となると、狭いレジカウンター内に入ること・レジの高さ・てきぱきと動くことができないなどは、たとえ応援に入っても、応援どころか足手まといになるのは間違いありません。
できなくても協力しない態度はマイナスイメージ
そこで、全ての売場応援がダメだと決めつけてはならないところがポイントです。「協力しない人」「拒否する人」という態度は出さないことです。できないのだから仕方がないという態度は、チームワークを妨げてしまいます。
コツとしては「できない」ことは実感していても、あえて表情には出さないことです。頑張りますよと演じることも必要だと思います。そのため私はレジ教育などには積極的に参加しました。
できなくてもやる気だけはアピールする気持ちも大切
できなくてもやる気だけはアピールしていました。そうなるとレジの応援はできませんが、他の応援なら大丈夫だということが分かってきます。販売促進のための抽選会の応援はどうかというと、これは「できる」の部類に入ります。
多少テキパキ動かないとドンドン並んでしまうので難しいですが、お客さまがいらっしゃったときの明るい笑顔とお客さまにワクワクさせる盛り上げがあれば、車椅子ユーザーの私でも「できる」業務になるんです。
しかもこういった場においては、思いっきり盛り上げます。初めの頃は、車椅子の姿でお客さまの前に立つのは恥ずかしさもありましたが、そこは度胸と慣れです。小売業に勤めている誇りがあれば大丈夫だと思います。できる場こそいかにパフォーマンスを発揮して「できる」を思いっきりアピールしました。
できる業務については最高のパフォーマンスの発揮へ
次に「できる」業務についてです。健常者との差がつかない部類のものです。これについては、できるだけパフォーマンスを発揮します。ポイントは「この人ありき」になれることを目指します。
もちろん、初めの頃は「できる」業務も一般の方と同じレベルのスタートかもしれませんが、自分の努力において変えられるのも魅力です。私の業務の中では、電話応対やパソコン入力でした。
電話応対は、お客さまへの対応について徹底的に丁寧さを心がけました。どうすればお客さまに対してホスピタリティの出せるかを書籍で読んだりして学びました。
できる業務はとにかく努力は欠かさないことも大切なポイント
パソコン入力は、人よりも早いタイピングを意識して取り掛かりました。ブラインドタッチで入力することは何とかできましたが、それだけでは差がつかないので、自宅でタイピング練習ソフトを徹底的に訓練しました。おかげでワープロ検定1級クラスのスピードを身に着けることができました。
私にとっては認められるための第一歩が、今まで述べてきたような内容です。そうして「できる」内容のパフォーマンスを健常者の方より出していくことで次のステージに行くことができました。
できる業務の中で高みを目指せば任せられる存在へ
「できない」業務があると人はマイナスと見てしまいますが、「できる」業務については、人よりもパフォーマンスをさらに上げれば、この人だから任せられるというようにまわりが変わっていくことです。つまり「負をプラスに変える」のも認められる一つになると思っております。
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