店舗や施設のバリアフリー化を考えるには、障害当事者の声を反映することが必要となる理由
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。店舗や施設のバリアフリー化を考えるにあたり、障害当事者の声を反映させるといったことがとても重要になると思っております。残念ながら障害当事者の声を反映していない設計が多いのも事実です。そこでその障害当事者に聞くにはどうしたらいいのでしょうか?
大事なのは利用する当事者の声
車椅子利用者であるならば普通の車椅子利用者の声を反映させていくのがいいのではないかと思っております。ところが一般の人には車椅子利用者のイメージがちょっとズレてしまうケースがあります。なぜなのでしょうか?
どうしても一般的に車椅子利用者と言えば、「車椅子に乗っている人=車椅子スポーツ競技者」をイメージする人が多いと思います。GoogleやYahooの検索ワードの上位を占めるのは、「車椅子=スポーツ」です。一般の人々の関心は、障害者スポーツなのかもしれません。
特にその中でもパラリンピックに出場した選手などは、車椅子利用者の代表のように取り上げられることが多いです。障害者スポーツに興味をもっていただけるのはものすごく嬉しいことです。今後の共生社会を考えるに当たっては、少しでも障害者・車椅子利用者を知っていただくことがとても大事なことだと思っております。
パラリンピックの選手は明らかにアスリート
しかし彼らはアスリートなので、車椅子利用者の代表と見てしまうとちょっとズレが生じてきます。一般の車椅子利用者とは体力的にも身体の機能的にも大きく違います。このくらいは簡単にこなせるといった程度も普通の車椅子利用者にとっては難しいケースがよくあります。
一般の人でもプロの野球選手やサッカー選手とは体力をはじめ身体能力が違うのと同じことです。さらに多くの車椅子利用者が使う施設という意味を考えると、普通の車椅子利用者の声を反映する方がいいのかもしれません。
1人では気づかないことも別の人の視点から気づくこともある
さらに1人だけの声と言うことではなく、何人かの障害当事者の声を反映するといいでしょう。そうすることにより、1人の声では気がつかなかったことも、別の人の視点から気づくこともあると思っております。より多くの人が使いやすいようにするためには、ぜひともいろいろな人の声を反映するのがおすすめです。
少しでも利用しやすいバリアフリー化につなげていくことが今後の大きな課題となるはずです。当事者が使いにくい施設を作ってしまってはコストが余計にかかってしまい、直すに直せないものです。そうならないようなバリアフリーになることを願っております。
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