駐車場の有無が車椅子でも利用できるか明暗の分かれる理由

2018.05.30 (水)

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バリアフリースタイル代表の白倉です。飲食店や宿泊施設を利用する車椅子利用者やその家族にとって、駐車場の有無は利用できるかどうかを考える大きなポイントになります。公共交通機関のバリアフリー化はかなり進んでいますが、クルマで移動する車椅子利用者が多いのが実態です。そうなるとクルマで行けるように対応するためにはどうしたらいいのか考えてみたいと思います。

場所も情報もなければ安心できないから利用できない


私は1年半前に日本1周をした際に、一番大変だったのが宿泊施設の確保でした。一般的には、外国人観光客が多くなったこともあり、宿泊施設の予約はかなり難しくなっている中で、バリアフリールームについても同様であり、もともと数が少ないことで、予約をとるのは結構難しいものです。秋田・鹿児島に行ったときは、バリアフリールームの予約のために、手あたり次第に宿泊施設へ電話をかけたものの、何とか1軒だけ探し当てたこともありました。

 

その中で感じたのは、東横インのような車椅子利用者でも泊まりやすい環境にしているホテルがある一方で、そうでないホテルが多いことです。某ホテルへ予約をしたときには、「予約はできますが、駐車場については用意していませんので、お客さま自身で用意してください」とのことでした。

 

そこで「どこか近くに身障者用駐車スペースはありますか?」と聞いたものの、「私どもでは分かりかねますので、お客さま自身でお探しください」という回答でした。一般の駐車場のように見つけやすいのならばいいのですが、実際に身障者用駐車スペース自体が少ない点から、知らない土地において自力で身障者用駐車スペースを見つけるのは困難な状態です。結局、せっかくバリアフリールームを確保したにも関わらず、予約を取り消しました。

 

どんなに素晴らしいバリアフリールームを造っても、駐車場がセットになっていないことで利用されにくくなる構図が生まれてしまいます。企業側にとっては、クルマの利用有無はお客さまの勝手だと思っていても、チャンスロスにつながるのはもったいないものです。ではどうしたらいいのでしょうか?

大事なのは利用者目線を取り入れてみること

専用の駐車スペースがなくても、一般用の駐車スペースを2台分用意することも一つの方法になります。それでも対応ができなければ、近隣の駐車場情報(車椅子でも乗り降りできる駐車スペース)を知っておくだけでも利用者にとって助かるでしょう。遠ければ利用価値はありませんが、さほど遠くなければ選ぶ検討の余地は出てきます。

 

ちなみに都内の場合は、S-PARK(都内の駐車場検索サイト)で「障害者用専用スペースあり」の条件を入れることで調べることができますが、都内以外は調べることができません。

 

飲食店や宿泊施設については、長居することが考えられるだけに駐車場の場所・情報は、利用者が求めています。だからこそ利用者目線を取り入れてどうしたら気軽に利用できるようになるのかを考えてみることが課題解決につながります。

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