車椅子ユーザーのリハビリテーション期におけるスポーツメニューとは?
Contents
車椅子ライフデザイナーのまおうです。私が20年前に行ったリハビリテーション(運動メニュー)についてです。車椅子生活になってから、どうやって強靭な身体に作り上げるのか私の経験談をまじえてお伝えします。
車椅子を使った生活は腕を鍛えることがどうしても重要
車椅子を漕ぐということは、腕に相当のパワーが必要になります。そのパワーをつけるためには、どのようなことをしていくのか?当時のトレーニング方法は、これから述べる内容です。
私の場合は交通事故に遭って、脊髄損傷と診断されました。脊髄にダメージが起こると二度と回復しないと言われております。これは現代医学においても変わりありません。
しかし、先日ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の発明したips細胞の移植手術が実用化すれば、また脊髄の神経が復活する可能性が出てきます。そうなることを期待します。
漫画「巨人の星」をイメージさせるようなトレーニング
脊髄損傷になって、ある程度治療が終えたら、車椅子生活に慣れるためにリハビリテーションセンターに入ることがほとんどです。私が入院したリハセンターには体育館があり、いろいろな設備が整っています。そこでは基礎体力をつけるための運動を行ったりします。
私は所沢市にある国立身体障害者リハビリテーションセンターで6ヶ月間リハビリをしましたが、午前中は体育館で運動しました。車椅子にタイヤをつけて引きながら体育館5周、坂道を往復5回、さらに1週間に2・3回は1500mの陸上トラックを走りました。たまには車椅子バスケットボールをやりました。
午後はPT室で10キロの鉄アレイを300回やったり、床から台に乗りあがるような運動を行いました。ここまでトレーニングすると恐ろしく感じますよね。見ている人からすると、車椅子に乗ったままタイヤをひっぱるなんて、漫画の「巨人の星」にも似たような感じさえします。
仲間とやるトレーニングはハードでも意外と楽しいもの
でも運動している方は、さほど辛くはなかったんです。もちろんはじめはきつかったですが、そのうち慣れていきます。意外に車椅子ユーザーの仲間と同じメニューをこなすので楽しんでできます。
リハセンターできちんとトレーニングをしなければ、退院して自宅に戻った時には、日常生活に困ってしまいます。そのためには、基礎体力をしっかり身に着けることが必要になります。こうやって車椅子を漕ぐ身体が出来上がっていきます。
過去に比べて現在の医療制度が厳しいこともあり課題が大きい
私の場合は6ヶ月間かけて作り上げましたが、現在は、残念ながら国の税収入部分が少なくなったこともあり、3ヶ月間になっているようです。明らかに少ない期間であり、今後リハビリを行う人にとっては、大きい課題になると思っております。
問題は退院した後の身体の維持がうまくできる環境です。もちろん障害者スポーツをやることもできますが、なかなかトレーニングをする場所がないのは現状です。今後はどうしたら体力低下を防ぐのかを考えていかなければならないと思います。
関連する投稿
- 障害者になった車椅子ユーザーにとって社会復帰までの厳しい現状について
- (入院翌日)もう二度と歩くことができないと宣告される
- 脊髄損傷になってからの本格的なリハビリテーションとは?
- 車椅子の生活をしていても残された機能を発揮する
- 脊髄損傷によって車椅子生活になった後の社会復帰までの道のり
現在の記事: 車椅子ユーザーのリハビリテーション期におけるスポーツメニューとは?