車椅子利用者がエレベーターではなくエスカレーターに乗ることは?
Contents
車椅子ライフデザイナーのまおうです。今回書く内容は、車椅子を利用されている方からの反論もあると思いますが、小売業の管理職をしていた立場としてリスクマネジメントの視点も踏まえながら考えていきたいテーマだと思い、書きました。
車椅子利用者にとってエレベーターを探しても見つかりにくい時もある
車椅子利用者にとっては、ビルやショッピングモールなどでいろいろと不便があると思います。エレベーターを探すだけでどこにあるか迷ってしまうこともよくあります。
最近の施設は、ワンフロアに数ヶ所エレベーターが設置されているところがありますが、古い施設だと縦長のワンフロアに1ヶ所しかエレベーターがないこともよくあります。
その代わりにエスカレーターは、各所に設置されております。今回取り上げるのはエスカレーターに車椅子で乗ることについてです。前輪のキャスターを上げてウイリーの状態で乗っていきます。
状況によってはエレベーターでは行くことのできない階が存在する
状況から考えると、エレベーターが見つからないからしょうがないという考え方があると思います。確かに見つかりにくいこともよくあります。私は日本1周をした際に、とあるショッピングモールにおいては、夜20時を過ぎるとエレベーターでは行くことができない階が発生しておりました。
でもエスカレーターを使用すれば行くことができるんです。エスカレーターの先にはレストラン街が広がっていましたが、つまり車椅子利用者ではそのレストラン街に20時以降は行くことができないんです。
もし車椅子でエスカレーターに乗れば、レストラン街に向かうことは可能ではないかと思います。ただ私がここで取り上げたのは、できるということよりも安全かどうかということです。
ポイントは「利便性」より「安全性」を優先にすべき点
なぜ安全かどうかというと、車椅子でエスカレーターに乗った場合、もし体勢を崩したならば本人が落下するということはおろか、後続に乗っている人に被害が発生するからです。
状況によっては、死亡事故が発生する可能性もあります。車椅子と本人が上から落ちてくるのを想像したら、とっさにかわすことはできないでしょう。そうなれば将棋倒しになり、そのエスカレーターに乗っている方々に影響するはずです。
大きな危険をはらんでいるものについては、ちょっとした利便性で本人が大丈夫だからという一言では済まされないと思います。私は小売業の管理職をやってきて、お客さま自身のトラブルではないかと疑わしき問題で、損害賠償責任の対応を経験したことがあります。結局、示談となるまでに9ヶ月かかりました。
ミスをすれば本人だけの問題では済まない。リスクが大きすぎる。
お客さま自身がやったことでも企業への責任は、状況によっては免れない事実です。車椅子でエスカレーターへ乗ることに対しての注意喚起ができていなかったのでは?と問われるはずです。
そうなると車椅子利用者1人の問題だけでは済まされなくなると思います。しかも死亡事故が発生したら、加害者となってしまいます。そういった面を想定すると車椅子でエスカレーターに乗るのは危険だと思っています。
最近ではYoutube動画においても、車椅子ユーザー1人でエスカレーターに乗る動画が公開されております。できるという面を強調しておりますので、とても問題性がある動画のように思えます。今回はいろいろな見方がありますが、最近気になったのでコラムにて紹介しました。
関連する投稿
- 車椅子利用ができるバリアフリー基準があればいいのに・・・
- 辛いのか?楽なのか?初めての大腸内視鏡検査リポート
- 蒸気でホットアイマスク
- 出張販売なども車椅子利用者にとっては助かるバリアフリー
- 車椅子利用者の「住む・暮らす」のバリアフリーは大きな課題
現在の記事: 車椅子利用者がエレベーターではなくエスカレーターに乗ることは?