車椅子利用者の増加とともに気軽に運動できる環境があってもいい
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バリアフリースタイル代表の白倉です。今後は超高齢化社会に伴い、車椅子利用者が増えることが想定される中で、車椅子利用者でも気軽に運動ができる施設などが欲しいものです。そういった施設の充実などは導入することによって、日本全体の健康増進にもつながっていくような気がします。行政だけでなく民間でビジネスとして運営しても、人気がでるものになるのではないでしょうか?
日本では気軽にスポーツできるような環境にはなっていない
私が障害を受傷してから半年後に本格的なリハビリを国立身体障害者リハビリテーションセンター病院(通称:国リハ)ですることになりました。当時はリハビリではありますが、体育会系のようなハードなトレーニングが多くて、10キロの鉄アレイを1日300回振り回すような内容や車椅子にタイヤをつけて体育館を5周とか、坂道ダッシュを5往復、1500m走(週に2回くらい)を実施したりしていました。
このようなトレーニングをしていても、脊髄損傷の仲間がいたことで意外と楽しくトレーニングができたものです。しかし病院を退院するとスポーツを気軽にできる施設がないことが判明しました。国リハの先生からは国リハのある埼玉県所沢市まで通ってトレーニングをすればと声をかけてくれましたが、さすがにクルマで片道1時間半の道のりを通うことはできませんでした。
そういった環境の中で、障害者のスポーツと言えば本気でパラスポーツを目指しているか、それともスポーツ自体をやらないかになっていました。私としてはサラリーマンとして復帰するにあたり、本格的なスポーツをするのではなく、地域で気軽にスポーツができるような環境が欲しかったというのが当時の思いでした。
しかし小売業に勤務していたこともあり、土日祝は原則出勤になるために、チームスポーツをすることができなかったことを覚えています。そして21年が経った現在においても、地域でスポーツやトレーニングをする環境は残念ながら整っていないのが現状です。車椅子で気軽にできるような環境を望むところです。
ドイツでは地域スポーツが盛んで障害者でも気軽にスポーツに参加できる
例えばトレーニングジムなどでも多目的トイレ・身障者用駐車スペースの整備をはじめとして、館内の段差解消やトレーニングスペースなどいくつか課題が出てきますが、車椅子利用者が増えていくことを考えると気軽に体力増進などをできるところ自体が皆無である以上、逆にそういった場所があることでかなり当事者からは喜ばれるのではないかと思います。
先日はドイツから来日された車椅子スポーツの父と言われているストローケンデル博士のセミナーに参加しましたが、博士の取り組みによって障害者だけでなく一般の人でも地域スポーツへ気軽に参加する環境ができているとのことでした。しかも車椅子利用者に対しては車椅子を利用している当事者が指導をすることによって、相手の気持ちが分かる人が伝えることがとても学ぶ価値があることも知りました。
いろいろな方々がスポーツを楽しむことによって、社会参加にもつながっていくはずで、ぜひとも日本においてもドイツ同様に普及していくことを願っております。行政だけでなく、民間でも導入することによってきっと利用価値は高まると思っております。
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