困っているから助けようとしたら嫌がられた経験はありませんか?

2017.12.15 (金)

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車椅子ライフデザイナーのまおうです。よく質問を受ける内容があります。「車椅子に乗っている人や高齢で歩いている人を見かけて『何かお手伝いいたしましょうか?』と声を掛けると嫌がれることがよくあります。そういったケースが続くとむしろ声を掛けない方がいいのでしょうか?」という質問です。皆さんも自分を振り返って同じ思いをされたことがあると思います。こういったケースについてどうしたらいいか、私なりの回答をしたいと思います。

電車やバスで席を譲ろうとしたら起こる出来事と同じ

公共交通機関の優先席などで、よくあるシーンを想像してみてください。自分が席に座っていて目の前に高齢者が来ました。「席を譲りましょうか?」と質問して、「私はそんなに歳をとっていない」と言われるケースもあるでしょう。せっかく席を譲ってあげようとしたのに、嫌がれるならばもう絶対に譲らないと決めつけてしまう人がいます。

 

自分の思っている価値観と相手の価値観が、必ずしも一致するわけではないから起こる現象です。自分は席を譲ったら喜ばれるに違いないという気持ちが強すぎるのかもしれません。できればもしかしたら断る人もいるだろうと、予め想定しておくことも必要です。だからといって決して譲ってあげようという気持ちがなくならないようにしてほしいものです。

 

車椅子に乗っている人や高齢で歩いている人に話を戻しますと、前述と同じようにお手伝いしたら喜ばれるに違いないという気持ちだけでは不足しています。これについても相手とっては、いくつかの思いがあります。そこまで予め想定しておかないと、声をかけたのに断られたことで自分自身が傷ついてしまう場合があります。

自分でやろうと決めている人もいる

いくつかの理由がありますが、まず1つ目には、自分にとって日常生活の事なので「自分一人でやりたい」と思う気持ちです。健常者の人から見たら、一つ一つの作業が遅く感じるのかもしれません。でもゆっくりでも自分のペースでやりたいと思う人は多くいるはずです。けがをしたときのリハビリを想像してみて下さい。何とか自分でできるようにしなければならない気持ちが強くなります。そんな時に大変そうだから手助けしてあげるよと言われても、お断りするしかないでしょう。なぜなら自分自身の生活に直結するからです。

 

2つ目には、見ず知らずの人にお願いされるのが嫌な人もいるでしょう。人によっては、人見知りのようなケースもありますし、このような世の中なので悪い人が傍に寄ってきたのでは?と警戒する人もいるはずです。3つ目には、上から目線で見られるのが嫌な人もいるでしょう。障害者や高齢者として扱われるのが嫌な人もいます。4つ目には、脳出血や脳梗塞の後遺症によって性格が怒りっぽくなる人もいます。もちろんそれ以外の理由もあるはずです。

 

ここまでいろいろと述べてきましたが、だからといって、お手伝いをするのをやめようと思わないでください。あくまでも相手の価値観によるものなので、一度断られたからといって全員が同じとは限りません。大事なことは、相手の表情を見たりして困っていそうだったら声をかけようという気持ちです。そして断る人がいても仕方がないと、相手を尊重してあげることが必要だと思います。

断る側にも親切にしてくれた人への感謝を忘れない

本来であれば、断る側も親切にしてくれた相手に対しての丁寧にお断りする方法があるはずです。以前、重度の脳性麻痺の方が自分でできるからと思ってお断りした時には、「『気に障らないでくださいね』と声をかけるようにしています。せっかくの親切を無駄にしたくないのです」とおっしゃっていました。まさにその通りだと思いました。親切にしていただいた人への感謝の気持ちだけは忘れてはなりません。そういうお互い様の世の中になってほしいものです。

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