社会が障害を作ることで車椅子のバリアフリーが妨げられてしまう
Contents
車椅子ライフデザイナーのまおうです。営業時間が〇〇時までとなっている店舗や施設を利用するときに車椅子ユーザーの注意しなければならないポイントがあります。〇〇時までやっているから大丈夫と思っていたら、ピンチになるケースに直面することが多いです。
駐車場がエレベーターになっているところは要注意
まずはエレベーターです。例えば、営業時間が24時までの施設があるとします。その際に駐車場が地下にあったり、地上〇階にあったりします。そうなると車椅子ユーザーは、エレベーターもしくは昇降機でしか移動することができません。ところがそのエレベーターがなぜか22時頃で終了してしまうことがよくあります。
大概、エレベーターの稼働についてはタイマーがセットされている場所が多く、一度セットしてしまうと解除することができないようです。つまり22時以降に戻ってきても、駐車場に行く事ができません。まさに悲劇になってしまいます。マンパワーで対応してくれればありがたいですが、さすがに夜遅くなるとスタッフは年配の警備員1~2名となってしまうため対応はできないでしょう。
そうなった場合は、車を置いてタクシーで帰り、翌日取りに来るか、もしくは近くのホテル(バリアフリールーム)に宿泊して、翌日取りに来るかしかありません。そのような悲劇に遭わないためにも、営業時間には注意する必要があります。利用するときには一度聞いておいた方が無難です。
多目的トイレが16時で鍵がかかってしまう場所もある
次は多目的トイレです。公衆トイレには昼の16時で終了してしまうところもあります。「えっ、なぜ16時?早いんじゃない!」という感じです。また上記同様に営業時間が24時までなのに、22時でトイレの利用ができなくなるところもよくあります。さらにサミットのような行事があったときは、1日中多目的トイレの利用が禁止になる場合もあります。
さすがにサミットの時に使用できないことまでは把握するのが難しいでしょう。こういったことが都内ではよく見かけます。使用する時間を制限する場合に書かれているのが形式的に「防犯上のため」となっていますが、担当者がその時間までしかいないからカギをかけてしまうような気がしてならないです。
車椅子ユーザーであっても居酒屋で懇親会をしたり、歓送迎会に参加することがあります。そうなると終了する時刻が遅くなる場合もありますが、施設側は「車椅子ユーザーがそんなに遅くまでいることはない」と思っているに違いありません。昔で言うところの「車椅子ユーザーがなんで電車に乗るのだろうか?」というイメージに似ております。
社会が障害を作っていることでバリアになってしまう
どうしても上記の事から、障害者の外出するという社会行動を妨げているような気がします。2016年4月~施行された障害者差別解消法の合理的配慮を考えると、民間企業は努力義務ではあるものの、考え方を見直ししていただけるとありがたいです。
社会が開かれていくことで、障害があっても利用スポットが広がっていくものだと思っております。バリアが減っていき、障害の有無に関わらず一般の健常者と同じように生活できる社会になっていくことを心から望んでおります。そうなることでもっと多くの方々が外出しやすくなるはずです。
関連する投稿
- 車椅子に乗っている人って何が原因なの?②
- 日本の車椅子利用者に対する見方は発展途上の環境が続いている
- 共生社会のためには障害者の「害」にこだわるよりもっと大事な事とは?
- 困っているから助けようとしたら嫌がられた経験はありませんか?
- 障害者と健常者との共生社会になるまでの歴史的背景とは?
現在の記事: 社会が障害を作ることで車椅子のバリアフリーが妨げられてしまう