車椅子の種類が多い中で楽なものを選ばない理由とは?
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。「なぜ電動車椅子に乗らないのですか?」と質問を受けることが多いです。一般の人から見ると、わざわざ車椅子を漕ぐのであれば、電動車椅子にした方が楽なのでは?と思う気持ちも分かります。でもそれだけではないのが車椅子選びです。
私にとって電動車椅子にしない事情
私は車椅子生活になって21年が経ちました。いつも感じるのが多少の勾配でも疲労困憊になる場合があり、電動車椅子ならば楽に過ごせるのに…と思う気持ちはもちろんあります。しかも勾配がきつくなると、腹筋・背筋の弱い私にとっては乗り越えにくいこともよくあるものです。
でも実際にはそれだけでは電動車椅子にできない事情が私にはあります。これは人によって価値観が違うので、私の回答が他の人と同じではないということを前提でお話します。
一番の大きな理由は、腕の筋力を衰えさせないためです。私は脊髄損傷の中でも胸椎5番(胸から下が麻痺)です。そのため腕を動かすことは可能です。残存機能は活かしなさいと21年前のリハビリで指導を受けました。だからこそ腕は徹底的に鍛えました。
残存機能を活かしてこそ生活しやすくなる
リハビリ時代における課せられたトレーニングメニューは以下の通りです。午前は、坂道5本往復、体育館で車椅子に乗りながらのタイヤ引き、1500M走。午後は、鉄アレイ300回をしたくらいです。ここまでやって自分の身体を作りあげました。
今ではこのようなトレーニングをしていませんが、自分の身体を支えていくには腕の筋力を衰えさせてはなりません。日常生活を過ごしていくためには体力の維持は欠かせないものです。しかも最近は太っているので、腕に負荷がかかっています。なるべく早い段階でダイエットをしないと辛い状態が続きます。
もちろん電動にしない理由はこればかりではありません。車へ積み込み問題もあります。私はオートボックス(車椅子収納機器)を自分の車に装着しているので、現在乗っている車椅子の形を変えることができません。
電動車椅子のデメリットはバッテリーの重さ
オートボックスを使用しない人でも電動車椅子は大きなバッテリーを積んでいます。バッテリーの重量が増えることで、車への積み込みがかなり困難になります。通常でも15キロ前後ある手動車椅子ですが、バッテリーを入れると少なくてもさらに10キロくらいは増えるはずです。そうなるとかなり厳しくなります。
人によって様々な理由がありますが、現在では取り外し可能な電動アシスト機能の付いた機器もあって、私も昨年購入して重宝しております。いくら身体に負荷をかけるといっても、仕事をする際には疲れ切っては難しいもので、少しでも便利な方がいい場合もあります。
あくまでも私の理由を述べさせてもらいましたが、障害のレベルは様々です。電動車椅子でなければ生活できない人もいますし、そうでない人もいます。自分に合った形で車椅子選びをされています。ただ一つ言えることは、どういったシーンにおいても残存機能を活かすことが大事だと思っております。
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