車椅子利用者における接客応対のバリアフリーのポイント
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バリアフリースタイル代表の白倉です。店舗にいらっしゃった車椅子利用者との応対のときにどのような感じで接客されていらっしゃいますか?普通のお客さまのように対応できていらっしゃいますか?それとも身構えてしまい、ガチガチに固まって接客されていませんか?
車椅子利用のお客さまだからガチガチに身構えていませんか?
私はよく公共交通機関を利用しますが、大半の駅員さんは余計な言葉を発しないのが一般的です。例えば、駅のホームで電車を待っている間には、何も言葉を発することなく待っていて、ドアが開いたときには「どうぞお入りください」などのように決まりきった言葉だけになっています。
もちろん丁寧な応対をしてくださるので私としては不満はありませんが、たまに駅のホームまでの誘導時に何気ない話をして下さる人の方が私にとって印象深いものです。例えば、「水道橋に行かれるのは東京ドームの巨人戦を観に行かれるのですか?」とか「話す口調から関西出身の方ですか?」とか話しかけられると気持ちが和みます。
上記の回答において、私は水道橋駅を利用しても東京ドームに行くわけではないですし、関西出身でもありませんが、そういった何気ない話でも気軽に声をかけてもらえることがうれしいものです。しかし、一般的には相手が車椅子利用者であると身構えてしまって、何気なく話を切り出すことなどできないのかもしれません。
ガチガチに固まってしまったらその場の雰囲気は良くない
これは接客業においても同じことです。余計な言葉を発しないのが社内のルールとされている場合もありますが、お互いにガチガチに固まってしまうのは決していいものではありません。特に車椅子利用者のお客さまだからと身構えることが不自然な対応になってしまいがちです。
お店にいらっしゃったお客さまの自尊心を大切にするためにも、何気ない会話を入れてみるのはいかがでしょうか?「どちらからお越しになったのか?」「どのような商品を求めているのか?」など自然な会話を入れながら、お客さまの回答を通して、さらに会話を広げていくととても感じの良い接客になっていきます。ただ注意しなければならないのは、お客さまの表情をみながら進めていくといいでしょう。状況によっては話しかけられるのが嫌な場合もあるからです。
何を話していいのか分からない場合は、天気の話・季節の話・健康の話・衣食住の話など交えてみてはいかがでしょうか?なるべくお互いの共通の話題になる内容がいいでしょう。それがお客さまにとって印象に残り、状況によっては「あの店員さんがいるからまた行こう」とリピーター化につながる可能性があります。
言葉をかけてくれる従業員だからまた行きたくなる
特に先ほど述べたように車椅子利用者などに対してはなかなか言葉を発しないことが多いために、言葉をかけてくれる従業員の方はとても目立つ存在になるでしょう。私もそういったお店を選んで生活しています。お客さまの立場から、行って楽しい、気分のいいお店を選ぶのは当たり前ではないでしょうか?
大事なポイントは、車椅子利用者と言えども特別な存在だと思わないことです。「かわいそう」「がんばっている」のようなワードはテレビの影響で車椅子利用者に対して感じてしまいがちですが、既成概念を取り払って、たまたま車椅子に乗っているだけで普通の人といった見方ができるようになることで大きく変わっていくでしょう。
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