店舗のバリアフリーは車椅子利用のお客さまの声に気づくこと
Contents
あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
高齢になって足腰が不自由になったり、
交通事故を負って車椅子生活になったりして、
以前の歩けるときには行った
あの飲食店にはもう行けなくなった
という声をよく聞きます。
もしあなたのお店のお客さまに
そのような思いをお持ちであったらいかかでしょうか?
何とかして
またお越しいただけるようになってほしいですよね。
お客さまがうちの料理を
喜んで食べている姿が戻ってきてほしくないですか?
でももしあなたのお店がバリアフリーではなかったら、
残念ながら戻ってくることはないでしょう。
なぜならお客さまに
「大丈夫」という情報が伝わっていないからなんです。
あの名店にもう一度行きたいのに行けない・・・
私の知り合いの方からこんな話を聞きました。
故郷には
地元でものすごく有名な中華料理店があり、
誰もが知っている名店でした。
私が高校に合格したときは、
両親が「ぜひあのお店に行こう!」と言ってくれて、
その名店に
家族そろって食べに行くのが
とても楽しみにしていました。
我が家にとっては、
地元で一番のお気に入りのお店でした。
やがて両親が高齢になってしまい、
足腰が不自由になりました。
その飲食店は1階と2階があるものの、
飲食ができるスペースは2階だけで、
残念ながらエレベーターがなく階段しかないのです。
両親をそのお店に連れて行ってあげたいと
思っても行くことができません。
そう思っていたら、
お父様はそのお店に
連れていくことができないまま他界しました。
今でも存命のお母様には、
我が家のお気に入りだった
あのお店の料理を
ぜひ食べさせてあげたいと思っているものの、
昔と違って足腰が衰えているために
そのお店の階段を昇るには難しくなってしまいました。
結局、その飲食店には
「もう二度と行けないのでは?」と思いこんでいます。
多くのお客さまの願いが届いていますか?
私はこの話を聞いて、
地元の方々から愛されているお店だったら、
その方以外にも、
同様な気持ちの方々がいるのではないかと思いました。
もしエレベーターや昇降機があれば、
車椅子を利用する生活になっても
懐かしい味に
辿り着くことができるのではないでしょうか?
でもそのような声は、
お店には届いていないのかもしれません。
私が総合スーパー勤務時代に感じていたのですが、
意外とお客さまの声というのは、
お店側に届いていないのが実態だと思っています。
例えば、お店のご意見ボックスに
投函して下さるお客さまは
ほんの一部の方々だではないでしょうか?
また飲食店のテーブルに置いてあるご意見の紙に
記入する人もあまり見かけたことがありません。
そのため、意見を言って
「なんとかできませんか?」というより、
諦める方向になってしまう方々が
圧倒的に多いでしょう。
「何とかしてあげたい」と思いませんか?
でもこのように
自然に去っていくお客さまがいる実態を知ったら
いかがでしょうか?
そこまで愛されるお店だと思われていたら、
何とかしてあげたいものですよね。
そこでもう一度、
自分のお店にバリアがないのか
確認してみるのをおすすめします。
意外と自分が健常者であれば、
全く気がつかないことでも、
車椅子利用者になると
気になることはたくさんあるものです。
もちろんお店をバリアフリーにすることは、
お金がかかることかもしれません。
でも今まで去っていったお客さまが
愛してくださっているお店であれば、
1度足らずとも
2度・3度と足を運んでくれるのではないでしょうか?
そして当事者だけでなく
家族・友人・仲間・同僚なども
一緒にお越しいただくことにもつながるでしょう。
そうすればお客さまの来店により
コスト部分は相殺されていくことも十分考えられます。
まずは一度、
お店にバリアがないかを
確かめてみることからはじめてみたらどうでしょう?
そしてバリアが解消されたときには、
ホームページや検索サイトなどで
きちんとバリアフリーの詳細な情報を発信されて、
少しでも多くのお客さまに知っていただくと
また去っていったお客さまが戻ってきますよ。
関連する投稿
- 車椅子利用のバリアを知るには日常生活の視点を変えてみる
- こころのバリアフリー対応は知識を学ぶよりももっと大切なポイント
- イメージによる思い込みを変えることがバリア解消につながる
- バリアフリーにおける車椅子走行のポイントを知っていますか?
- 仕事において真摯にクレーム対応することで解決につなげる方法
現在の記事: 店舗のバリアフリーは車椅子利用のお客さまの声に気づくこと