【接客業の心構え】大型商業施設の全従業員が実践すべき心のバリアフリー対応と接客応対スキル
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
近年、大型商業施設では、建物のバリアフリー化はかなり進んできました。
しかし「心のバリアフリー」──つまり、全従業員の接客応対やお客さまに対する意識まで行き届いているかというと、まだ課題が残っています。
特に接客を直接担当しない売場の従業員には、この意識が薄れがちです。
今回は、店舗全体の接客レベルを引き上げるための心のバリアフリー対応について考えてみましょう。
【問題提起】食品売場で見かけた心のバリア
先日、総合スーパーの野菜売場で、品出しをする若い男性従業員を見かけました。
大型台車で通路の半分を塞ぎ、車椅子の私だけでなく、他のお客さまも通れない状況になっていました。
彼はお客さまの存在に気づいていないのか、気づいていても「自分の作業を優先しよう」という気持ちが強かったのかもしれません。
かつて私自身も同じ売場で働いていた経験があるので、作業の大変さは理解できます。
しかし、どんな場面でも「お客さま最優先」の姿勢を忘れてはならないことも痛感しています。
残念ながら、そのお店では他の従業員も元気がなく、挨拶もありませんでした。
これは個人の問題ではなく、店全体の意識の問題といえるでしょう。
【原因分析】接客以外の従業員も意識改革が必要
問題の根本は、接客部門以外の従業員にもあります。
調理担当者や品出し担当者など、直接お客さま対応をしないスタッフは、作業優先の意識が強くなりがちです。
しかし、売場に出る限りは「お客さまから見られている」ことを忘れてはいけません。
「なぜ挨拶がないのか」「なぜお客さまの邪魔をするのか」といった視点を持つことが、サービス向上の第一歩です。
【解決策】全従業員への心のバリアフリー教育を
ここで必要なのは、全員を対象とした接客応対教育と心のバリアフリー教育です。
お客さまの立場になって考える習慣を身につけることで、売場での立ち振る舞いや気遣いが大きく変わります。
特に高齢者や車椅子利用者は、届かない商品があったり、狭い通路で困ったりすることがあります。
こうした場面でお困りごとに気づけるかどうかは、店全体の印象を大きく左右します。
また、品出し作業中でも、お客さまが近づいてきたら「いらっしゃいませ」と一声かける習慣を持つだけでも、店の印象は格段に良くなるでしょう。
【まとめ】
- 建物のバリアフリー化だけでなく、心のバリアフリーが重要
- 接客を担当しないスタッフにも意識改革が必要
- 全従業員への接客・心のバリアフリー教育を導入すべき
- お客さま目線の気遣いが、店舗全体の印象を高める
【メッセージ】
あなたのお店は、すべての従業員が「お客さま目線」で動けていますか?
今こそ心のバリアフリー教育を取り入れ、売場全体の接客レベルを引き上げましょう。
それは集客アップと信頼獲得への、最短ルートです。
関連する投稿
- 「車椅子利用者への接客で差がつく!“目線”と“声かけ”の2つの気づきが大切」
- 接客応対が苦手な人でも得意に変えることができるトレーニングとは?
- 車椅子のバリアフリーは設備面だけでない大切なポイント
- 顧客満足度を上げるために従業員のモチベーションを上げる理由
- 車椅子利用者に対してのセルフサービス型店舗の対応とは?
現在の記事: 【接客業の心構え】大型商業施設の全従業員が実践すべき心のバリアフリー対応と接客応対スキル