車椅子ユーザーが宿泊施設に求めるのはハード面だけではない現実
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。おかげさまで念願だった日本1周バリアフリー調査を、約1ヶ月かけて達成することができました。バリアフリーやユニバーサルデザインといった言葉が目立つようになってきました中で、「うちのホテルは完全バリアフリーですよ」とか「バリアフリーに力を入れています」といったところが、なぜか利用しにくかったんです。
事前の期待とのギャップが目立ってしまったのはなぜか?
ここなら大丈夫だろう・・・という前提で、ハードルを高く上げすぎているから、実際に利用したときとのギャップを感じるのかもしれません。あえて名称は一切出しませんが、こういった状況がありました。今回の日本1周旅で利用したホテルの例です。バリアフリーには力を入れていますよとホームページに掲げていました。多分大丈夫だろうという気持ちでホテルにチェックインしました。
私はリュックだけでなく、ボストンバッグや小さいバッグをもっていました。受付の人ではなく部屋を案内する方が来てくれましたが、部屋を案内するだけで普通のホテルでよくある荷物をもってもらうサービスはありませんでした。しかも部屋の場所を案内するのみ。部屋の中にある機器の操作説明などは一切なし。チェックアウトの際も坂道があるにもかかわらず、お会計が終われば終了といった形。
夕食についてもコースの食事は美味しかったのですが、食べている最中で次の料理をほぼ無言で置いていきます。1人の担当者だけでなく誰もが同じような対応でした。部屋には風呂やシャワーがなく、共同風呂に向かいましたが、車椅子から乗り移りができるような風呂ではなかったんです。ハードの部分は部屋のドアはカードを当てれば、開くことや電動ベッドがついていることなどについてはかなり最新的でした。
ハード面だけではダメ。ソフト面の充実が必要となる
言いたいことは、せっかくバリアフリーの施設を作っても、従業員の方々の接客応対などの心のバリアフリーを徹底しないと、もともとのハードルを上げてしまっているので、利用者にとっては残念な思いの方が強くなってしまうことです。
それでもバリアフリーか否かを発信していただけるのは本当にありがたいことです。情報が分からないため、本当に行くことができるのかどうか不安になることについては解消してくれるでしょう。しかしその在り方については、いつでもお手伝いできますといった心のバリアフリーを実践することが「利用する立場」に優しい施設だと思います。
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