【防災訓練の重要性】病院・接客業のための効果的な防災対策とチームビルディングの実践法
バリアフリーアドバイザーの白倉栄一です。
毎年のように考えなければならない重要テーマがあります。
それが「防災」です。
近年では京アニ放火事件など、重大な災害・事件が社会に衝撃を与えています。
こうした事態に備えて、経営者・リーダーの皆さまが「被害を最小限に抑え、慌てず対応できる組織を作る」ことは、責務といえるでしょう。
そして防災訓練は、単なる法定対応ではなく、組織のチームビルディングを進める絶好の機会にもなるのです。
【結論】防災訓練は組織を守り、強化する重要な施策
防災訓練は、単に形式的に実施するものではありません。
本番に近いシナリオを用意し、実際に機能するかを検証することでこそ、大きな価値を生み出します。
とくに医療機関や接客業の現場では、災害発生時に多くの来客・患者がいるため、従業員一人ひとりの役割意識が成否を分けます。
【理由】マンネリ化では役割意識が育たない
私はかつてイオンの人事総務課長として、年2回の法定防災訓練を担当していました。
訓練では詳細なシナリオを作成し、避難経路、誘導役、消火担当、救護担当などの班を組み、消防署に提出していました。
しかし、同じ内容を繰り返すと、組織内に「慣れ」「流し作業」の雰囲気が生まれます。
また、実際の火災では防火シャッターが下りるなど、普段の訓練では想定しにくい要素が多くあります。
こうした「本番のリアル」を盛り込むためには、シナリオを毎回工夫し、たとえば障害者の避難誘導を想定するなど、より現実的な状況を反映する必要があります。
【具体例】消火器の使い方を実体験させる
消火器の場所を知っていても、使い方を知らなければ意味がありません。
従業員一人ひとりが「いざ」というときに使えるよう、水消火器を使った練習を導入するのも大切な訓練の一環です。
体験を通じて得られる知識は、頭で理解するだけのマニュアルと違い、いざというときに役立ちます。
【提案】消防署と連携して新しい視点を取り入れる
毎回違うシナリオを用意するのは確かに大変です。
そんなときは、地域の消防署に相談して新しい訓練案を取り入れたり、消防車の出動を依頼したりすることで、職場全体のモチベーションを高めることができます。
また、体験型のコーナーを設ければ、日頃の意識を変えるきっかけにもなります。
防災訓練を単なる義務ではなく「組織の結束力を高める時間」として活用すれば、企業・医療現場にとって大きなプラス効果になるでしょう。
【まとめ】
- 防災訓練は経営者・リーダーの責任として真剣に取り組むべき
- シナリオを毎回工夫し、マンネリ化を防ぐことが重要
- 消火器の使い方を体験させるなど、実践的訓練を導入する
- 消防署と連携して新しい視点を取り入れることで、組織力を強化できる
【メッセージ】
防災は「もしものときの備え」であると同時に、従業員全員の信頼関係を築く絶好の機会でもあります。
あなたの現場では、いざというとき全員が役割を理解し、行動できますか?
ぜひ今こそ、形式的な訓練を見直し、実効性のある防災計画を実践してください。
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