車椅子利用のお客さまを店内へ誘導する際のポイント

2018.07.27 (金)

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あなたのお店の『バリア解消』請負人 バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。お店に車椅子利用者が来店された場合、椅子を外してあげるという行為が当たり前になっているかもしれませんが、実はそれがふさわしい行為ではないのをご存知でしょうか?ではいったいどうやったらいいのかをご説明します。

お客さまを店内にご案内するときはどうしますか?

車椅子利用の私がお店に入った時に、従業員の方から「どうぞこちらへ」と案内された際、ほとんどの方が何も言わずにテーブルの椅子を外してくださいます。私の場合は、車椅子に乗ったまま食事をとりたいと思うのでありがたいことなのですが、車椅子に乗っている人でもテーブルに置いてある椅子に乗り移りたいと思っている人がおります。そのために何も言わずにテーブルの椅子を外してしまうのは、残念ながら正しい対応とは言えないでしょう。

 

次に「どうぞこちらへ」と案内されて、そのまま椅子の対応が全くないままにその場を離れてしまう従業員の方も存在します。それは逆に丁寧さに欠ける接客応対なのかもしれません。車椅子利用者が自分で椅子を動かすにしても、乗り移るにしても、声をかけることのないまま、あとはお客さまの勝手にどうぞというのは、接客応対としてはマイナスです。

 

しかも手・腕が不自由な人の場合は、テーブルの椅子を動かすことができない場合があります。そういった状況を確認しないでその場を離れてしまったら、お客さまは困ってしまうでしょう。そういったことも知っておくことが必要になるでしょう。

お客さまに選択肢を与えてあげる対応

理想の接客応対は、「どうぞこちらへ」と案内した上で、「椅子に乗り移られますか? それとも車椅子に乗ったままでお食事をされますか?」とお客さまへ質問をするのがふさわしいのかもしれません。そしてお客さま自身がどちらにするかを答えるのはいかかでしょうか?

 

立位・歩行のできる車椅子利用者は、自分の車椅子に座っているよりも、お店の椅子がしっかりしたものであれば、車椅子から椅子に乗り移る人が多いように思います。パイプ椅子のような簡易的なものでなければ、意外と車椅子に乗っているのは疲れることもあり、乗り移りたいという気持ちになるものです。

 

最近はきれいな椅子を用意しているお店が多くなっていることもあり、豪華な椅子であればお客さまにとっても座りたいと思うかもしれません。そのお客さまが感じているような気持ちをいかに読み取って、お客さまに決めてもらうように対応するのがいいと思います。

分からないことはお客さまへ具体的に訊く

大事なポイントは、「お客さまの行動を決めつけないこと」です。あの車椅子を利用しているから…と行動スタイルを決めつけてしまいがちですが、高齢者と障害者でも生活スタイルが違うので、選択肢を与えるほうが車椅子利用者から喜ばれると思います。だからこそお客さまへは具体的にどうするのか?をきちんと訊いてみるのが、ふさわしい対応と言えるでしょう。

 

こういったことの対応については、なるべく1人だけで考えないことです。お店で、チームでどうやっていくのかをメンバーと考えていくことが大きなポイントです。そしてメンバーとともに、よりよい接客応対は何なのか?を考えて、ノウハウをメンバー同士で共有することで、従業員モチベーションが上がっていき、お客さまサービスレベルも上がっていくでしょう。

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