バリアフリーの対応は設備ではなく慣れである
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バリアフリースタイル代表の白倉です。1月29日(月)に放送された東京MXテレビ「モーニングCROSS」に出演されていた中谷彰宏さんが「バリアフリーは設備ではなく慣れである」という発言をされておりました。まさに現在の日本における課題だとよく分かる内容でした。どういった点が課題なのでしょうか?
完璧に対応しようとするから対応できない
日本人はどうしても完璧を求めてしまうことから、バリアフリーについて自信がないと「できません」と否定してしまうのかもしれません。もし引き受けたとして、対応が間違えればクレームに発展すると思ってしまいがちです。だからこそムリをして対応することを避けてしまうのかもしれません。
主に今回おっしゃっていたのは、ホテル・旅館などにおける部分でしたが、これは宿泊業界以外の小売店・飲食店などのサービス業においても同様なものです。日本人はどうしても完璧なものを求めてしまうので、完璧でないならできないと判断してしまう点です。
「あなたは英語を話すことができますか」のパターンと似ています。学校教育の中で英語は習ってきても、いざ外国人を目の前にすると見て見ぬふりをしてしまい、「私に声をかけないでください」オーラをものすごく出してしまいがちです。
英語が得意ではない私も同様な状態なので反省しなければなりませんが、車椅子を利用しているお客さまからの問い合わせにおいても「車椅子対応できません」オーラをものすごく出してしまいがちです。もし対応してトラブルが発生したら責任を負うのではないかという不安があるのでしょう。
具体的な依頼と対応であればハードルは高くない
でも実際に車椅子利用に対する難しいことは多くないために、想像していたこととのギャップが大きすぎることに大きな課題があります。1~10までお手伝いをするわけではなく、入口の段差のためにサポートしてほしいとか、朝食のバイキングで料理をとっていただくことができるかなど多少のサポート程度になると思います。
中谷さん曰く、電話でお願いした時にすぐ即答できなければバリアフリー対応に慣れていないと判断できるとも言っていました。慣れていなければちょっとしたことでも「上司に確認します」となってしまうのかもしれません。そのためある程度の場数をこなしていくことも必要になります。
もちろん、店舗側だけでなく依頼をする人のスキルもポイントであるとお話していました。慣れている人ならば具体的に依頼をするのに対して、慣れていない人ならば「バリアフリー対応できますか?」のような抽象的な依頼をしてしまうために、店舗側にとっても余計にハードルが高くなってしまうのかもしれません。
そういった状況を踏まえると、意外と構えてしまうことがバリアを大きくしてしまうことになり、むしろ中谷さん曰く、「失敗したらごめんなさいと謝ればいい。そして何でも言い合える空気を作ることが大事」とおっしゃるように、お互い様のような感覚をもちながら、気軽な対応ができることが望まれます。
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