車椅子利用者のバリアフリーを考えるならば車椅子に試乗して考えた方が分かりやすい
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。長年車椅子生活をしていると建物のどこにエレベーターがあるか探します。エスカレーターや階段はすぐに分かるところにあってもエレベーターはなかなか見つかりません。ポイントは車椅子の目線からどうしたら分かりやすいか検証する必要があると思います。
東京駅は何度行っても難しく迷ってしまうスポット
今回、盛岡まで仕事で行くことになりましたが、行きの東京駅においても八重洲地下駐車場からJR東北新幹線に乗るまではかなり迷いました。東京駅は何度いっても難しいですね。
これについては車椅子利用者でなくても難しいと思います。JR東海道山陽新幹線のりばの掲示はあっても、JR東北新幹線のりばとは掲示されていません。結局、JR東日本は「JR線」と統一されていました。だから分からなかったのです。
東京駅はともかく、盛岡駅は特に車椅子利用者にとって不便でした。まさに迷路状態です。しかも向かった先で行き止まりになってしまう現実。駅前ロータリーは道路を渡れないので地下通路を利用しなければなりません。
掲示がない・エレベーターがない・行き止まりの三重苦
まずは地下通路に行くエレベーターを探さなければなりません。この表示が全くありません。やっとエレベーターを見つけて、地下通路を通っていくとJR盛岡駅方面の掲示がありました。しかし向かった先には昇降機がありました。
昇降機は自分で動かすことができないので、呼び出しボタンを押しましたが相手からの声が全く聞こえにくい状態。なんとか昇降機を動かしてくださいと話すも昇降機を動かして下さる警備員さんが到着するまで5分以上。
挙句の果てには昇降機で上がっても、JR盛岡駅には行けないとの事。あくまでもJR盛岡駅の地下にあるショッピングモールに行くのみ。そこにはエレベーターが設置されていないとの事でした。
仕方がないので道を戻り別の道へ。やっとエレベーターを見つけたものの分かりにくい状態。エレベーターの手前には坂があり荷物をもつと上りにくいんです。新幹線に乗る車椅子利用者にとっては、その坂が鬼門かもしれません。
エレベーターのところにJR盛岡駅までの車椅子経路が書かれていました。なぜ地下通路に入った段階で車椅子経路がないのか疑問でした。新幹線に乗るために急ぐ私にとってはかなりの時間を要しました。
実際に車椅子に乗ってみることで目線を確認しやすくなる
今回はJR盛岡駅の例を出しましたが、こういったことは車椅子利用者にとっては日常茶飯事なんです。JR盛岡駅だけが珍しいわけではないんです。
ここで大事なポイントは、車椅子利用者の目線でものを考える事です。できれば車椅子に試乗してみて考えてみるとものすごく分かりやすいと思います。まずは同じ立場で考えてみると今まで見えないことが見えてくるものです。
そして新幹線や空港となると「利用者が急いでいる」というのが大きなポイントです。そこで分かりにくいとなれば時間のロスは大きいです。しかも新幹線への乗車するための時間も健常者と違ってさらに時間を要します。
「ある」ということではなく「使いやすい」ということが大事なポイント
そういった点を考えてこそ、生活に密着したQOL(QUALITY OF LIFE :生活の質)の向上につながると思っております。改修するにはお金がかかるはずですが、掲示方法などを工夫するのは少ないコストでできると思います。もう一度車椅子の目線で確かめてみると、今まで以上に使いやすいものができるのではないでしょうか?
あとは今回の警備員さんのように無言で昇降機に訪れるのではなく、「大変お待たせいたしました」という一言があれば、その場にいても利用者の気持ちが和むと思います。そういった接客応対も取り入れていくことがトラブル回避のためには重要だと思います。
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