障害者雇用は仕事の幅を広げていくことで戦力になる
Contents
バリアフリースタイル代表の白倉です。店舗で販売するスタッフが車椅子ユーザーだったらどうでしょうか?ここでどう思うかによって、障害者雇用においてもうまく活用できるかどうかが変わってくるでしょう。売り手市場で採用難が続いている中で、車椅子ユーザーでも戦力になる仕組みを考えることが企業にとってプラスになるにちがいありません。
ネガティブに考えることが仕事の幅を狭くする
先日、障害者関連で働いている人から、車椅子ユーザーの友人が店舗で商品販売・商品整理など後方スタッフでなく、売場スタッフとして働いていると聞いてビックリしたという話を聞きました。確かに車椅子ユーザーが小売業の表舞台で働いているのは珍しいことかもしれませんが、私自身は後方スタッフでしたが、15時のクリーンタイムは毎日売場で商品整理をしていましたし、お客さま抽選会でも、それ以外においても売場に出ることは日常茶飯事でした。
車椅子ユーザーが活躍できる場を考えたときに、「売場スタッフだから相応しくない」と判断してしまうことが多く、多くの事業所においては、車椅子ユーザーが売場で働く姿をイメージしていないために、後方スタッフにしかさせないといったことをよく聞きます。だからといって「なぜ車椅子ユーザーだから相応しくないか?」となると、意外と答えが出てこないものです。これは、売場で働く車椅子ユーザーをイメージできないことが原因にあります。どうしてもネガティブな発想になりがちです。
車椅子ユーザーが働ける基準を考えたときに、イメージだけで決めてしまうのはナンセンスです。今までやっている人がいないからダメと思うのであれば、むしろやってみるのはどうかと考えてみるのはどうでしょうか? もちろん大事なことは、本人への動機づけが間違いなく必要です。今までに車椅子ユーザーの誰もがやったことがない仕事をするのは、誰だって抵抗があるからです。それでも本人が売場に出るのは、気持ち的にできないというのであれば無理に出てもらうのは避けたほうがいいでしょう。
本人への動機づけをした上で環境をつくっていく
人には性格や価値観が違いますから、一般の健常者でも売場に出れば恥ずかしいとか思う人がいます。特に車椅子ユーザーならばなおさら周りの目が気になるものです。私も以前はそうでしたので、気持ちがよく分かります。会社のために頑張ろうと思っていても、売場で働いたらお客さまがどうみるのだろうかと人の目を気にした時期もありました。
私はどのタイミングだったか忘れましたが、一生懸命やれば人は決して悪いようには見ないだろうと思うようになったから、売場にも出ていくことはできるようになりました。もちろん「あなたのために言いますが、車椅子でそんな仕事をしないでください」とお客さまに言われたことがありましたが、気にする必要はないと思いました。
車椅子ユーザーでももちろんできない仕事はありますが、見た目だったりで判断されてしまうのはとても残念なことです。大事なことは、もし売場の設備上でバリアがあるのであればそれを解消することです。例えばレジの入口が入れないのであれば、入れるだけのスペースをつくれば可能になります。そしてチーム全体で一緒に働ける環境にしていくことで、バリアを感じさせない働き方ができるようになります。
まずは相手を知るためにコミュニケーションが大事
単に車椅子という道具を使っているだけであり、その上でパフォーマンスをあげることができる職種を車椅子ユーザーとともに考えていくことで、雇用における生産性につながっていくにちがいありません。まずは車椅子ユーザーとのコミュニケーションを通して、いろいろと話し合う環境から始めてみてはいかがでしょうか?きっと仕事の幅を広げることができるようになっていくでしょう。
関連する投稿
- 正月恒例の抽選会の仕事を障害者でもできるとイメージできますか?
- 部下への教育においてバリア解消で変わってくるポイント
- 車椅子ユーザーのいる職場のバリアフリーには通路幅を確保することが重要なポイント
- 障害者の雇用において上司が知っておきたい身体のコト
- 車椅子ユーザーのいる職場のバリアフリーを考える上では「机」の存在が重要なポイント
現在の記事: 障害者雇用は仕事の幅を広げていくことで戦力になる