職場のバリアフリーの中で車椅子ユーザーの褥瘡予防が大事なポイント
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車椅子ライフデザイナーのまおうです。車椅子ユーザーにとって生活していく上で、とても気になるのが褥瘡(じょくそう)です。褥瘡というのはよく使われる言葉に直すと「床ずれ」です。車椅子ユーザーにとっては、長い時間座っていることでお尻に負荷をかけてしまいます。今回は、褥瘡にならないための職場のバリアフリーを考えてみたいと思います。
麻痺をしている車椅子ユーザーは痛みが気がつかないだけで症状は同じ
一般の皆さんだと椅子にずっと座っていたら、お尻が痛くなることはありませんか?ずっと座っているとお尻が真っ赤になってくると思います。重力がありますからお尻に負荷がかかるのは間違いないです。でも健常者の方は、痛くなる前に身体を無意識に動かすはずです。立ち上がったり、座る位置を変えたりしています。
でも身体の麻痺がある車椅子ユーザーは、長時間座っていても全く痛みを感じません。麻痺をしている部分については、感じないからいいのかもしれないと思いがちですが、痛みに気づかないだけで身体には大きな負荷をかけています。終いには、褥瘡につながってしまうケースがよくあります。そのために除圧のできるクッションを使っています。でもそれだけでは万全とは言えません。
コミュニケーションをとることで少しずつお互いのバリアがなくなる
ここでお伝えしたいのは、職場の上司や同僚の方々に車椅子ユーザーの身体における部分を知っていただきたいのです。それが仕事を円滑にしていく上で、良好のコミュニケーションにつながります。むしろ車椅子ユーザーが何も言わなくても、仕事上での気になる点を聞いてあげてほしいのです。
大概は、自分の身体や病気のことを上司や同僚に話さないものです。一般の人でもなかなか話さないことが多いものです。でも車椅子ユーザーの場合は、自分で何とかできる場合とそうでない場合があります。どうしても我慢して仕事をすることが多いと思います。そこを会社側がカバーできるかが大きなポイントです。
例えば、車椅子ユーザーが使う机はいかがでしょうか?無理な姿勢になっていませんか?なぜなら一般の机は、車椅子で入れるような形になっていないことが多いです。そうなると机の手前で机を利用しているケースがあります。明らかに姿勢が悪いです。姿勢が悪いと腰痛や褥瘡になりやすいものです。
また休憩時間でお尻を休めるスペースがあるでしょうか?車椅子生活をしていると休憩時間は自分の身体を休ませたいものです。そういったことを職場で働く車椅子ユーザーの声を聞いていますか?コミュニケーションをとらないと全く気が付かないことがたくさんあると思います。
改善することで仕事をしやすい環境になり能力が発揮できる機会ができる
大きなポイントは、車椅子ユーザーの中でも人によって様々なので、聞かないと分からない点が多いことです。ヒアリングした点を少しずつ改善していくことで、車椅子ユーザーが仕事をしやすい環境をになり、能力を発揮することができる点です。きちんとした姿勢でPCの入力をするのとそうでないのとでは、入力スピードが大幅に変わります。
働きやすい職場環境に変えていくには、既成概念や思い込みを捨てていく覚悟が必要です。変えるのはしんどいかもしれません。取りまとめるのは辛いかもしれませんが、長い目で見たら必ず利用しやすい環境に生まれ変わります。今こそもう一度職場内を見直して、風通しのいい職場にしてみませんか?
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