障害者雇用は採用活動よりも採用後どうするかがポイント
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あなたのお店の『バリア解消』請負人 白倉栄一です。
最近では、国の官公庁における障害者雇用の水増し問題が発覚して、採用活動を行ったものの、実際には1年足らずして離職率が増えてしまったという課題が大きくクローズアップされています。
離職率が増えた原因は分からないものの、受け入れた後の態勢が大事なポイントです。
でもこれは国だけの課題だけではないわけで、民間の企業においても、採用した後にどうしたらいいのと感じてしまう人事担当の皆さんは、多いことでしょう。
ペナルティへの課題をクリアしても退職となれば意味がない
どうしても採用がうまくいっていないと、どのようにしたら障害者を採用することができるのかという点ばかり焦点を向けてしまいがちです。
もちろん採用がうまくいっていないから当然のことではあります。
でも何とか採用できたとしても、職場における働きやすい環境を作っていくことができなければ、せっかく採用しても長続きせず、ふりだしに戻ることになってしまいます。
ではどうしたらいいのか。
まず考えなければならないポイントは、自分たちの知識の不足を補っていくところにあります。
なぜなら障害者の生活は、健常者の生活とは大きく違っている点があるからです。
どんな生活をしていて、どういった環境が必要不可欠なのかを考えておくことです。
もちろん障害者といっても身体・知的・精神の3つがあるだけでなく、身体障害者でも肢体不自由、視覚、聴覚、内部など様々に分かれています。
さらに同じ肢体不自由者であっても、車椅子に乗っている人と、義足を利用しているとでは生活環境そのものが違うでしょう。
だからといって、すべて理解することは不可能です。
でも多分、上記の障害事情については、全く知らない人がほとんどではないでしょうか。
そこで少しでも関心をもつことで、知識が増えて、物事の見方が変わっていくにちがいありません。
その最適方法は、障害者雇用のノウハウを持った人から学ぶことが必要となるでしょう。
障害者が働くノウハウがあってこそ環境を整備できる
採用する方が、どんな生活をしていて、どのように仕事をして、どのようなことをすれば仕事をしやすい環境になるかなどが何も分からなければ、継続して勤務してもらうことは困難です。
それは企業側にとっても、雇用される側にとっても幸せにならないものです。
例えば、車椅子利用者を採用するのであれば、車椅子利用者のことを知っている人からノウハウを聞いて、必要不可欠な職場環境についてきちんと把握することが必要になります。
私は24歳まで健常者で、24歳以降は肢体不自由の障害をもつ車椅子利用者になりました。
そこで感じるのは、健常者には気づきにくいバリアが至るところにあるからです。
トイレ・駐車場・通路・段差などの設備的なバリア面。
人とのコミュニケーションなどのソフト面。
車椅子利用者によく起こってしまう体調管理面など。
それは障害者の目線に立って考えない限り、間違いなく理解できないものばかりです。
だからこそ知っている人から聞くのが、一番分かりやすいはずです。
健常者と同じような目線で考えると働きにくい点がある
例えば通勤においても、ものすごく混んでいる電車に乗って通うのは、障害がない健常者であっても大変なことでしょう。
でもその電車に車椅子や杖を使って通勤する人にとっては、それ以上に大変なことです。
電車に乗っている人によっては、「こんな混雑している電車に障害者は乗るんじゃない!」と思ってしまう人もいます。
そうなると障害者が通勤ラッシュ時に通うことはかなり難しいことになります。
企業によっては、時差通勤を導入しているところもあり、私の友人も1時間ずらして通勤しているだけでかなり通勤しやすくなっていると言っていました。
あくまでも一例ではありますが、そういった点など、相手の立場で考えることができるかどうかによって、働きやすい環境がいろいろな場面でつくられていきます。
知らないことがほとんどだと思った方がいいでしょう。
その中で新しく知ることと同時に、どうやったら働きやすくなるかを考えていくことです。
そういった1つ1つのバリアを解消していくことで、単に仕事をしてもらうというのではなく、障害者でも活躍できる場が見つかります。
「障害者=劣る」というような見方だけを感じているうちは、いつまで経っても活躍できる人材には育たないでしょう。
障害者であっても仕事をする上で、強みになるものがあります。
それは健常者以上のパワーを発揮できるようなものは、見つけ次第でたくさんあります。
企業においてきちんとした環境ができていれば、障害者雇用が難しいとか悩むレベルの次元ではなく、人材難の時代であっても、障害者雇用を通して、企業で活躍できる人材を創ることができるでしょう。
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