障害者雇用における車椅子利用者に確認しておきたい本当のコト
Contents
あなたのお店の『バリア解消』請負人
バリアフリースタイル代表の白倉栄一です。
障害者雇用の際に
働く方の身体の症状については、
お互いのコミュニケーションの
バリア解消のために
必ずに知っておきたいポイントになります。
でも自分が当事者であるから分かることですが、
なかなか言い出しにくいことでもあるんです。
私は管理者側も経験していたので、
どちらの立場も分かるつもりです。
ではどうやって対応していけば
いいのでしょうか?
車椅子に乗っているのは足が不自由だからではない
一般の方にとっては、
わかりにくいことなのですが、
「車椅子に乗っているから
足が不自由なのだろう…?」と感じてしまう点です。
もちろん立位で歩くことができないから
車椅子に乗っていることは確かなのですが、
実は歩くことができない原因は、
足が悪いからではないんです。
その点はご存知でしたか?
例えば私の場合ですが、
24歳のときにスクーターでもらい事故に遭い、
その後、一生車椅子生活になると
宣告を受けました。
なぜ一生車椅子生活と言われたのか?
それは脊髄を損傷してしまったからです。
脊髄を損傷すると、
損傷した部位から下には
神経の伝達が行われないんです。
脳から発せられた指示が
途中で遮断されてしまうんです。
ちょうど胸椎の5番を損傷したので、
お腹とかは触っても感じませんし、
動かすこともできません。
そのため歩けないだけでなく、
腹筋・背筋も使うことができません。
さらに脊髄を損傷すると
体温コントロールであったり、
排尿・排便コントロールが難しくなります。
今回は私の事例を挙げましたが、
車椅子に乗っている人は症状が様々であり、
車椅子利用者同士でも
当事者でなければ分からない症状です。
ここまで述べればお分かりだと思いますが、
単に歩けないだけではないということです。
そのために障害者雇用においては、
ご本人の症状を確認したうえで、
社内として知っておいたほうがいいことを
本音でヒアリングしておく必要があります。
職場における話しやすい環境をつくっていく
そのため冒頭で述べたように、
入社直後であったり、
異動直後であったりすれば、
遠慮してなかなか話せないものです。
人によっては
「みんな我慢しているのだから、車椅子で
仕事しても我慢すればいいんじゃないか?」
と思っている人もいます。
だからと言って、症状における問題は、
個人の一般的な事情とは違ってきます。
症状が悪化しているのに無理して仕事をすれば、
必ずその後に症状がさらに悪化したりして、
長期の欠勤になってしまう可能性もあります。
身体の症状を我慢して仕事を続けることが、
企業にとってプラス面には働かない点です。
大事なことは、身体障害の場合ではありますが、
いくら車椅子に乗っていても、
身体の症状などは
人それぞれであることを知ることです。
パッとみて分かるのは、
車椅子に乗っているから
段差を乗り越えるのは難しいとか、
通路幅は車椅子で
通れる幅でなければ難しいとか…など。
でもそれだけではないんです。
それは必ず本人に確認して
きちんと本音で困っている症状などを
きちんと話してもらうことです。
そういったことができることが、
そこで働く人を思いやることのできる
働きやすい職場環境になります。
それがあってはじめて
活躍できる人材を創っていけることでしょう。
関連する投稿
- 車椅子ユーザーにとって通路幅の確保は働きやすさにつながる
- 障害者雇用ではリーダーが中心となり働きやすい職場環境を目指していく
- 「障害者だから○○」と考えて、仕事の内容を決めつけていませんか?
- 障害者雇用でも適材適所で仕事をするための考え方
- ドラマ『パーフェクトワールド』を観ることで雇用のイメージをつかむ
現在の記事: 障害者雇用における車椅子利用者に確認しておきたい本当のコト